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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

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平凡な主婦に何が起こったか?其の五

◇口いっぱいの漲り
平凡な主婦5-1
「さあ。そろそろ上に行きましょうか?」
赤羽さんはすこぶるご機嫌で、私がジュース飲み終えると直ぐ席を立ちました。
どうやら、ひどく乗り気のようでした。

この場はやはり、赤羽に従って上の客室へ行く他ありません。
赤羽はラウンジではジェントルマンを装っていましたが、二人きりに成ったらどう出るか・・・。
内心、私は怯えていました。
「佳代子さん、失礼だけど、是を先に受け取っておいて下さいね」

部屋へ入ると、赤羽は思いも寄らない行動に出たのです。どういう意味なのか、
茶色い封筒を私に渡したのでした。
「ま、まあ、これは・・・」
中を改めて、私は驚きました。中には、一万円札が何枚か入って居たではありませんか。

「いや、ほんのお車代程度です。恵美さんとお約束した金額しか入っていませんよ」
頭の中がグルグル回り始めました。恵美ときたら、私を売春婦か何かのように扱っている!
思わず、頭に血がカッと昇りました。

「う、受け取れませんわ、こんなもの・・・。私はそういう女じゃありません!」
「まあ、そんな堅い事を言わなくても良いじゃないですか。
 これは、あくまでも車代ですよ。ねっ?」
「で、でも私・・・私・・・」

何だか、ひどく侮辱された気がしました。やはり、恵美は私を利用していた。
私を男に紹介することによって、手数料を受け取るか、保険の倹約を取り付けて
居たにちがいない。

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平凡な主婦に何が起こったか?其の六

◇快楽との二面性
平凡な主婦6-1
売春まがいの性の泥沼に足を踏み入れてしまった私でした。
初回の時は抵抗も感じましたが一度その味を覚えてしまうと、
二度と泥沼から這い上がる事は出来ません。

「バカねぇ、佳代子ったら。そんなに深刻に考える事ないじゃない。
 いいこと?これは歓ぶべき事なのよ。考えてご覧なさいよ。
 セックスしてお小遣いをもらえるって言うのは、
 未だそれだけの価値が私たちに有るって事なのよ」
「私たちって、それじゃあ恵美も・・・?」
「ふふっ、一度遣ったら止められないわよ。
 とくに、貴女なんか自分の小遣いにも不自由してるんじゃない?
 楽しんでお金になれば、まさに一石二鳥でしょうが。
 今どきの主婦はみんな遣ってるわよ、不倫も売春も。私たちだけじゃないのよ」

私達だけじゃない・・・私も恵美も、そして取り澄まして見える他の奥様たちも、みんな
平気で売春まがいの事を遣っている。そう思うと、急に気が楽になったから不思議です。
(そうね。真面目に生きるだけが人生じゃない。
 割り切って愉快にやっていくのも、また人生かも・・・) 

知らず知らずのうちに、私は恵美に洗脳されていたのかも知れません。
そして、慣れと言うものほど恐ろしいものはないのです。私はもう恵美の誘い輪から
逃れられなくなっていました。もちろん、恵美は強制などはしません。
週に一度は掛かって来る電話に、私は自らの意思で頷いていたのです。
毎回毎回、違う男が相手でした。
恵美と知り合って数ヶ月、何人の男と寝たか記憶も定かではありません。 

彼らは殆どと言って良いほどセックスの後先きにお金を呉れました。
ある男はこれで服でも買って呉と言い、ある人は美味しいものでも食べて呉と
言う名目で、私にお金を渡すのです。

お陰で、私もだいぶ潤いの有る生活が送れるようになりました。
いつしか、私もお金を貰う事が当然と思うようになったのです。

果たして私は恵美に感謝すべきなのでしょうか、それとも、恵美を憎むべきなのでしょうか。
いくら考えても結論はだせそうにありません。

とにかく、私は変わりました。短期間のうちに、平凡な主婦から二面性を持った悪女へと
変貌を遂げたのです。勿論、夫も子供も何も知りません。私は地元では動きません、
新宿湘南ラインが出来たお陰で我が家からも一時間ほどで新宿まで行けるのです。

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プロフィール

アヤメ草

Author:アヤメ草
FC2ブログへようこそ!管理人の
アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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