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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

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色ごのみ。其の一

◇衝撃の初夜
色好み1-1
今年71歳になる私は処女のまま最初の夫に嫁ぎました。
今時の娘さん達には信じられない事かも知れませんが、当時は処女で嫁に行くのが
当然であり、結婚するまでは純潔を守るのが女の嗜みだったのです。

私は布団の中で震えながら、夫をまっていました。
これから起こるだろうことに対する不安と羞恥に、身を竦む思いで一杯でした。

初夜という行為については、予め聞いて知っていました。母は私に春本を見せながら、
「いいかい。明日の晩は、花婿さんがおまえに、こういうことをするんだよ。
 恐ろしいかもしれないが、初夜を済ませない事には本当の夫婦にはなれないんだ。
 おまえは、ただジッとしていれば良いんだからね。
 ぜんぶ、お婿さんに任せて、横になっていればいいんだよ。
 そのうちに終わるから、心配しなくて良いんだよ」
こう諭したのでした。けれど、私の耳にはロクすっぽ母の言葉など入っていなかったのです。

(まあッ!何てイヤらしい・・・)
私はただただ春本に描かれているグロテスクな絵柄に見入ってしまいました。
そこには、巨大なキノコのような男性器と、ハマグリのような女性器の交わりが、
極彩色で描かれていたのです。

まったく、こんなことをしなくてはならないなんて、処女の私には穢らわしいばかりでした。
お嫁入りは嬉しいけど、夫婦の営みはいや・・・。
結婚式前夜にして初めて、私は結婚の意味を知ったのです。

式が無事済んで、初夜は新婚旅行先の熱海の旅館で迎える事になりました。
私は先に温泉に浸り、肉体の隅々をよく洗いました。
肉体の至る所を清めておかなければならない、と母に言い含められていたのです。
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色ごのみ。其の二

◇初めて知った夫以外の男
色好み2-1
いい思い出のない初夜の晩から、十年の歳月が流れました。
その間の私たちの結婚生活は、可もなく不可もなくと言ったごく平凡なものでした。
結婚当初は、T大の講師だった夫も、三十五歳にして目出度く助教授に、
私も三十歳になり、男の子一人、女の子一人の母親になることが出来ました。

本当に、順風満帆な生活でした。もともと地方の素封家に生まれた夫ですので、
経済的には何の苦労もなく、お手伝いさんを雇ってくれ、私には何かにつけ
心を配ってくれました。彼自身も、文字通り学者肌の人で真面目一方、
浮気問題の一つも起こした事がありません。

(私、徳永と結婚してよかった・・・)
この十年の間、何度そう思ったか知れません。それなのに・・・。
上の男の子が小学校へ入学し、下の子が五つになってようやく子育てから
解放されそうになった頃、突如として激しい倦怠感が私を襲ったのです。
どうしてそんな物に患わされるのか、私にも暫く訳が分かりませんでした。

ところが、ある日のことです。夫の雄造が、家に何人かの教え子を連れて来たのです。
その学生の中に、後に私の愛人となる小山武(仮名)が居たのです。
小山は、数人の学生の中でもひときわ長身でゾクッとするような風貌を備えていました。

一目見るなり、私は息が詰まるような昂奮に襲われました。
少女のように胸をドキドキ高鳴らせ、足が地についている気もしませんでした。

(何て素敵な男性・・・。ああ、私ったらいけないわ、夫のある身なのに・・・)
そう自分を叱りながらも、
お茶を出す手がブルブルと震えるのをどうしようもありませんでした。 
気のせいか、小山武の私を見つめる眼差しも熱いように思えました。

「いやあ、徳永先生の奥さん、噂どおりの美人だなぁ!」
「ホント、ホント。若くてお美しい!」
「我が大学には、奥さんに適う女学生は一人も居りませんよ!」
他の学生の叩く軽口にも、小山は加わっていませんでした。
小山の無口ぶりに、私の胸のときめきはいよいよ拍車をかけたのです。
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色ごのみ。其の三

◇二度目の初体験
色好み3-1
「奥様!わざわざ来て下さったのですか?」
下が金物屋を営んでいる二階に、小山は間借りしていました。
突然やってきた私を前に、当然のごとく驚き、かつ狂気した彼でした。

「ええ、何も、何もおっしゃらないで。私も、貴方のお手紙と同じ気持だったのです」
薄茶けた座敷に立ち尽くしたまま、私はジッと小山の目を見つめました。
と、小山はすかさず私の心を察したのか、ギュッと私の肉体を抱きしめたのです。

「ああ、嬉しい!奥様、僕はもう・・・死んでも構いません!」
「こ、小山さん・・・私を、はしたない女だと思わないで!」
「いいえ、いいえ、とんでもない!こんな感激は、生まれて初めてです」
その後は、言葉になりませんでした。
小山の熱い口唇が、私の口唇をしっかり塞いでいたからです。

生まれて初めての感激は、私も同様でした。
心の底から、肉体の底から、私は昂りを覚えていたのです。
このようなときめきは、主人にすら抱いたことはありません。

私たちは、どちらからともなく座敷に倒れ込んで行きました。
遠くで、豆腐売りのラッパの音が聞こえていました。

西陽の射す部屋の中で、私は全裸へと剥かれていました。
羞恥のために、私の生ま白い肌は紅色のバラの花のような紅潮ぶりを示していました。

小山の端正な顔もまた、興奮の為か赤味を帯びていました。
私の着て居る物を丁寧に脱がせると、小山も服を脱ぎ始めました。

「柔らかい・・・奥様の肌は、まるでマシュマロのようだ」
マシュマロという洋菓子を一度頂いた事がありますが、
自分の事をそのように誉めてもらい、私はボーッとしてしまいました。
やはり女は、褒め言葉に弱いものです。次第に、私は我を失っていったのです。
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色ごのみ。其の四

◇淫乱にさせた男たち
色好み4-1
一度、関係が出来てしまうとより燃え上がるのは女。と言う俗説は本当かもしれません。
その証拠にひがな一日、私の頭の中は小山のことで一杯だったのです。
毎日のように、恋文をしたためました。主人の目を盗んでは、
コソコソと小山との情事を楽しむ日々が続きました。

そのとき私はまるで初恋を知った少女のようでした。
思えば、初恋など経験しないままに嫁いだ私です。
三十路を迎えて知った身も心も蕩けるような恋に、
夢中にならなかった方が不思議というものでしょう。

私は、盲目でした。小山も、私と同じ気持ちを抱き続けていてくれている・・・。
そう信じて疑いもしなかったのです。
けれど、いつしか小山はのぼせ上がった私に嫌気がさし、
また恐ろしくもなっていたのでしょう。次第に、私を遠ざけるようになっていたのです。

そして、ついに私はある噂を耳に挟んだのです。
小山が同級生の女子学生と付き合っている。そんな噂を・・・。
たちまち、私は嫉妬の権化となりました。
私が恨みつらみを並べた手紙を出しますと早速、小山から返信がありました。

ーーその件に関しては、あなたもご存じてある友人の大場が詳しく説明致します。
 つきましては×月〇日午後三時に、大場の下宿までおいで頂きたく・・・--

どうして自分で釈明してくれないのだろう、小山に対する恨みが一層募りました。
けれど、小山がそう言って来たなら仕方ありません。
指定の日時に、私は小山の友人である大場良雄(仮名)の下宿へ訪ねて行きました。
大場とは何度か面識もあり、小山ともたいそう親しくしていた人でしたので、
何となく安心感がありました。
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色ごのみ。其の五

◇いまわしい売春婦
色好み5-1
それからの私は、まさしく魂の脱け殻でした。小山に捨てられたばかりか、
友人に品物のように譲り渡された怒りと哀しみで、何もする気が起こりませんでした。
大場とは、あの犯された日以来、会ってはいませんでした。
あんな卑劣な男とは、金輪際つきあう積もりもありません。

心に、いえ、肉体にもポッカリと穴があいて、埋める術を持たなかった私です。
主人や子供たちに気遣ってもらっても、こればかりはどうしょうもありません。

別に何するわけでもなく、ただ街をブラブラする日が続きました。
昼間、夫や子供の居ない間を見計らって、小山を忘れるべく街をあてどなく歩いていたのです。

ある日のことでした。何時ものように街を歩き回り、疲れた私は街外れの喫茶店に入りました。
「もしもし、奥さん・・・」
と、私に声を掛けてくる男があったのです。
「よかったら、相席させてもらえませんか」
其の男は、四十代前半と言うところでしょうか、そう言いながら私の隣りに腰を下ろしたのです。

男は、感じもよく紳士然としていました。話術も巧みで、何やかやと私に話しかけてきます。
知らず知らずのうちに、私は男と打ち解けて話をしていました。
こんなに沢山お喋りをするのは久し振りでした。

「いやぁ、奥さんみたいな女性は珍しいですねぇ。
 お美しいし、教養もおありになるようで、ご主人が羨ましい」
小一時間も話したあと、男はそっと私の耳にこう囁きかけたのです。
「どうなさいますか。もしも時間が有れば、
 もっとゆっくり話の出来る所にご案内したいのですが・・・」

男に誘われるまま、私は連れ込み旅館へ入って行ったのです。
そのいかがわしい場所へ連れて行かれても、私はさして驚きはしませんでした。


**
一度、堕落の味を覚えると歯止めがきかなくなるのでしょう。
私は男にていこうするどころか、むしろ進んで連れ込み旅館の門をくぐっていたのです。

もしかしたら、この男が小山の事を忘れさせて呉れるかも知れない。
私をメチャメチャにして、何もかも忘れさせて・・・
そんな祈りにも似た思いを胸に、私は見ず知らずの男のなすが侭になったのでした。

旅館の部屋は二間続きで、奥の部屋に緋色の布団がふたつ並べて敷かれていました。
男は私の手を掴むようにして奥の座敷の襖を開け、
先ほどとは打って変わった乱暴な物言いでこう命じたのです。
「さあ、ボヤッとしてないでサッサと脱ぐんだ。オレは、あんまり時間がないんだよ」
男の余りの変わりように、私はギョッとするばかりでした。

「何度、同じ事を言わせれば気が済むんだ?今まで一時間も手間取らせたくせに、
 あんただって、とっとと仕事を終わらせたいだろ?」
「し、仕事・・・?」
私には男の言っている意味がさっぱり判りません。
と、男はいかにもバカにしたように吐き捨てました。

「そうだよ、これはあんたの仕事だろう?パンパンのくせして、カマトトぶるんじゃないよ」
「パンパン・・・ですって!?」
何ということでしょう、男は私を娼婦と思っていたのです。
それほど私は、物欲しそうな顔をしていたのでしょうか。

「わ、私はそんな女じゃありません!」
「ああ、ああ、判ったよ。前金で欲しいんだろう?幾らだ?」 
「お、お金なんて失礼な!」
「もうゴチャゴチャ言わずに、早くオマンコさせろっ・・・」
焦れ切った男が、私に飛び掛ってきました。

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色ごのみ。其の六

◇メス犬の価値
色好み6-1
ああ、何と言う悔辱でしようか。こともあろうに、娼婦と間違えられるなんて・・・。
けれどすぐに(いっそ、私のような女にはお似合いなのかもね・・・)
男に組み敷かれながら、私はそう思い直していました。

夫を裏切り、若い男にトチ狂った果てに、残酷な形で捨てられた私には、
娼婦どころか、道端のメス犬くらいの価値しかないかも知れません。

「へっへっへっ・・・あんた、良いカラダしてるねえ。いままで、何人の男を咥え込んでたんだ」
「三人よ」
男が乳房を舐め始めると、私はハスッパに答えました。
気分はすでに、とことんまで堕ちる娼婦といったところでした。

「嘘をつけ!三人ってこたないだろう。おまえみたいな女のカラダが、
 三人くらいで満足するはずはないよ」
「本当よ。ねえ、それよりお金をちょうだい」
思わぬ台詞が、口をついて出ました。私は、堕ちる所まで堕ちる自分を
確認したかったのでしようか。これでは、まるで本来の娼婦です。

「いいよ、幾らかね?」
「そうね、一万円も頂こうかしら」
私は、適当な値段を口にしていました。
「い、一万円、高いな!」
「イヤならいいのよ。私、帰るから」
もちろん、金額などはどうでもいいことでした。
しかし、私は思い切り悪どい女になってしまいたかったのです。

「判った!判ったよ、そら!」
財布から千円札を十枚出すと、男は私の枕元投げつける様に置きました。
お札が、私の頭の辺りに散らばりました。

(これで私も、正真正銘の娼婦になったのね)
そう思ったとたん、どうしたことか私の肉体に倒錯的な歓びが湧いたのです。
同時に、子宮の底から男が欲しい、との激情がこみ上げてきました。
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色ごのみ。其の七

◇暗闇の中の光明
色好み7-1
男に肉体を金で提供した後の私は、さながら蜘蛛の糸に絡め取られた羽虫も同然でした。
売春の持つ不思議な魔力に、身も心もどっぷりと浸かってしまったのです。
フランス映画に『昼顔』と言うのがありましたが、私はあのヒロインを地で行き始めたのです。
夜は家庭で貞淑そのものの妻を演じ、昼は肉体を切り売りする街の女へと変身しました。

私はそんな二面性を呪いつつも、吸い寄せられるようにして街をうろつき、
客を取り続けて来たのでした。けれど、やはり悪い事は出来ないものです。

ある昼下がりの事、私は何時ものように濃い化粧をして街をブラついていました。
と、ほどなく一人の中年男性が私に声を掛けてきたのです。
「君、五千円でどうだね?」
「一時間ならいいわよ」

直ぐに商談が成立し、私と中年男は近くの旅館へと場所を決めました。
部屋に入ると、その中年男はやけにジロジロと私を見つめていたのです。
「ふーむ、君はどこかで・・・」
咄嗟に私はイヤな予感に襲われました。
いつも、顔見知りに当たりはしないかと、そればかり恐れていた私です。

「そんな、気、きのせいでしょ、お客さん。それより早くはじめましょうよ」
顔を俯け、洋服を脱ぎはじめましたが、中年男はついに私の正体を見破ったのです。

「そうだ!君は確か、T大の徳永先生の奥さんじゃないか!」
「ち、ちがいます!人ちがいですわ!」
「いいや!あんな美女は、ざらには居ないよ。しかし、驚いたねぇ・・・」
「私、帰ります。お金も、お返ししますわ」
「待って下さいよ、奥さん!僕の事をお忘れですか?僕ですよ、川西です。
 以前、T大で講師をしてました。そのとき一度、お会いしていますよ」

万事、休すでした。よくよく見ると、なるほど以前に会ったことのある顔です。
「お、お願い、離して!このことは、このことはどうか内密に!」
「判ってますよ。だから、一発やらせて下さい。僕、奥さんみたいな女性が好みなんだ。
 貴女のような美人を、一回でいいから抱いてみたいと思ったんですよ」
アッと言う間に、私は川西に押し倒されていました。
いずれにせよ、ここは彼に身を任せるしかありません。
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色ごのみ。其の八

◇総てが違う優しい人
色好み8-1
茅ヶ崎の海岸に着いた時は、陽も沈んで人影も疎らな静寂の海でした。
海岸通りのホテルにチェックインして、風呂に入ってから散歩に出ようと彼は言いました。
その時の彼のいでたちは、汚れた作業着の侭で、髪の毛もボサボサ、無精髭も伸び放題。
人柄の良さは其れまでの会話で判るのですが、決して男前とは居えない風貌でした。

「俺先に風呂に入って身だしなみを整えるから、後から良かったら入っておいで」
と、彼は上着だけを脱ぐと浴室に消えて行きました。私は彼が脱いだ上着を衣文掛けに
掛けながら、何だか幸せな気分に浸っていました。
暫くして私は全裸に成ってバスタオルで前を隠して浴室に入って行きました。
髪を洗い、髭を剃った彼を見て驚きました。中々のイケメンだったのです。
私は思わず、顔を赤らめ、バスタオルで前を押さえました。

「ヤアー、さっぱりしたよ、一週間ぶりに髭を剃ったよ。どお、中々捨てたもんじゃないだろう」
「そうね、いい男に成ったわ。その男ぷりじゃ彼女も大勢いるんでしよう」
「彼女が居るくらいなら、お姉さんの世話にはならないよ。彼女居ない歴3年さ、
 仕事が忙しくて彼女どころじゃないんだよ」
「ねぇ、お姉さん、て言う言い方止めてくれる。私は嘉代と言うのよ。
 是からは嘉代って呼んでね」
「カヨさん、で良いのかい」
「嘉代って呼び付けで良いわよ」
「カヨなんて呼びつけにしたら、夫婦みたいだね」
「今夜は一晩貴女の妻になってあげる」

私は彼と並んで浴槽に体を沈めました。チラッと見た男性器は長さはソコソコですが、
カリ首が大きく段差がハッキリしていて、所謂日本男児の特徴である『歌麿マラ』と
言われるものでした。これからのベッドでの性交を考えると胸がワクワクしてきました。
ところが風呂から出ると直ぐにはベッドに入らず。海辺を散歩しないかと言うのです。
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海辺の小さな旅館を営む夫婦の今と昔。其の一

◇ナンパの達人
海辺の旅館01
「オジサン、この辺りに魚の美味しいお店ある?」
「お土産屋さんはどこが安い?
 歩いて行ける場所で、どっかいいお店ない?」
若い女性客たちが、はしゃぎながら尋ねてきます。
ロビーに出た私は掃除する手を止めて彼女たちの話に耳を傾け、
知っている限りの情報を提供してあげます。

「ありがとうオジサン。じゃぁ行ってきまーす」
「あいよ。この辺りは車の通りが多いから気をつけて行っといで」
まるで我が子でも送り出すような気分で彼女たちを見送ると、私は掃除を再開します。

自分で言うのもなんですが、
海辺の町で小さな旅館を営む私達夫婦は、宿泊したお客様たちから、
「海辺のオジサン、働き者のオカミサン」と呼ばれて親しまれています。
お客様に我が家同然の気楽さで利用してもらいたい、
というのが私と家内、由美子のモットーです。

子宝に恵まれなかった私たち夫婦にとって若い旅人たちは我が子も同然。
ご到着からお帰りになる時まで、決して手を抜かないおもてなしを心掛けております。
そのせいかどうかリピート客や連泊してくださるお客様も多く、創業からかれこれ20年、
なんとか営業を続けてこれました。

しかし、今の私をかっての知人達が見たら目を疑うことでしょう。
と申しますのも若かりし頃の私は今で言う「暴走族」。当時「カミナリ族」と呼ばれて
世間からつまはじきにされているワルだったのです。しかも私はそのリーダーでしたから、
当時とのギャップに唖然とするかも知れません。

どうしょうもないワルから、お人好しな宿のオヤジへの転身。
そこには家内の存在が大きく関わっています。
いや、家内と出会わなかったら今の私はなかったとさえ思っています。

家内との出会いは私が21歳の時。ワル仲間たちの間で「マムシのリョウ」と呼ばれ、
いい気になって暴れ回っていた頃の事でした。

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海辺の小さな旅館を営む夫婦の今と昔。其の二

◇女を狂わす手練手管
画像 643
「かわいくねぇな。女の子なら、もうちょっと女の子らしい言い方ができねぇのかよ」
と彼女の肩に手を置いて振り向かせます。ただし無防備には女の前に立ちません。
横に立つかハスに構えるかして向き合います。金的への膝の攻撃をかわすためです。
リーダーである私が子分たちの前で金的を蹴られてうずくまるようなみっともない姿を
晒す訳にはいかなかったのです。

ちなみに、たとえ女がヨガリ声を上げ始めたとしても、この注意は絶対に怠りません。
キスしても舌は入れません。フェラチオもさせません。歯を立てられてはかなわないからです。
早い話が、私は「女」というものを信じてはいなかったのです。

女なんて所詮はスケベな生き物。そのくせ時には突っ張って見せたりもする気紛れで
狡猾な牝猫・・・それが当時の私の女性評でした。
「やめてよ。あたしを他の子たちと同じだと思わないでよね」
「ふふ、いつまでその強がりが続くかな」

茶化すように言って手をスカートの中に潜らせ、下穿きの脇から指を差し込んで
秘め所をまさぐります。恥毛を掻き分けて肉ワレに分け入ると、
ほの温かく湿った粘膜がねっとりと指にまとわりついてきました。
「いや・・・やめて・・・そこはいや・・・」
女の口から切なげな喘ぎが漏れ始めます。

指に纏わり付いてくる潤みは増し、膣穴に指を差し込んでコネるとクチュクチュと
音を立ててよじれます。要するに、彼女だってとっくに発情していたのです。

「そろそろ見せてもらうぜ」
そう宣言して女を壁に押し付け、立ったまま下穿きを剥ぎ下ろしにかかります。
が、その場合も不用意に女の前にしゃがむような事は致しません。
膝で顎でも砕かれたらそれこそ一巻の終わりだからです。

「さぁ、おネェちゃん、ご開帳だ」
女の片膝を高々と抱え上げ、この時になって初めて女の前にしゃがみます。
片足だけで体を支えている彼女は反撃のしようがないからです。

片膝を持ち上げられて彼女の股間は大きく広がり、左右に分かれた恥毛の奥に
ぷっくり膨らんだ薄褐色のドテ肉と縦に裂けた肉ワレが覗きます。
半開きの肉ワレからはよじれ合わさった薄褐色の肉ビラも顔を出しました。

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海辺の小さな旅館を営む夫婦の今と昔。其の三

◇聖女のような女
矢田亜希子03
そんなある日のことでした。
「おい、見ろよ。すげぇいい女だぜ」
私に次ぐナンバー2だったタッヤの指差す方向に、海岸べりを歩く一人の女が居ました。
白いワンピースを着けた女でした。

「ほんとだ。おい、リョウ、みんなで輪姦(まわ)そうぜ!」
仲間の一人が目の色を変えて私に同意を求めます。
が、女の顔を見た私は思わず息を飲みました。
最近よくテレビドラマで見る矢田亜希子という女優さんに似た美貌・・・。

「い、いや、あの女はよそうぜ。俺の好みじゃない」
慌てて弁解しましたが、仲間たちは「どういう風の吹き回しだ?」とばかり、
一斉に私に目を向けました。

「とにかくよそうぜ。一人を四人で寄ってたかってってのはまずい」
「なんだよリョウ、相手が美人すぎるからっておじけづいたのかよ。
 たまには輪姦したっていいじゃねぇか」
タツヤが不満げに口を尖らせます。

「い、いや・・・とにかくやめとこう」
思わず口篭りました。実はその女は二日前から両親の経営している旅館に
宿泊している女でした。たまたま廊下ですれ違っただけでしたが、
電気に触れたような衝撃に襲われたのです。一目惚れでした。

宿帳に「由美子」と書かれていた彼女は、確かに美人ではありましたが、
どこか言い知れない悲しみの様なものを漂わせていて、
汚しては成らない聖女の様に思えました。
それまでに出会ったどんな女よりも魅力的だったのです。

「な、あの女はよそうや、今日は気分が乗らないんだよ」
「冗談じゃねぇ!」
怒鳴ったのはタツヤでした。
「俺はいやだぜ。リョウ、俺はいつもお前の言いなりになってきたけど、
 今日ばかりは俺の好きなようにさせてもらうぜ」

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海辺の小さな旅館を営む夫婦の今と昔。其の四

◇男性恐怖症の女
輪姦02
気が付いた時、傍らで私を介抱してくれていたのは彼女でした。
そしてその口から驚くべき過去を聞かされました。
「あたし、今日みたいな体験、二度目なの」
自嘲ぎみにつぶやいた彼女がポッリポッリと話し始めました。

彼女が暴漢に襲われたのは三ヶ月ほど前のこと。夏祭りの夜、郷里の村で婚約者と
神社の境内を歩いているところを三人の暴漢に襲われたというのです。
婚約者は彼女を置き去りにして逃げ、一人取り残された彼女は三人の男たちに
代わる代わる辱められたのだと。

婚約者の両親から婚約破棄を伝えられたのは、それから一週間ほど経ってからでした。
「彼もご両親も、きっと汚れてしまった私に愛想をつかせちゃったのね。
 幸いだったのは妊娠しなかった事だけ」

自嘲するように笑う彼女でしたが、それだけでは終わらなかったと言うのです。
彼女を襲った三人のうちの一人は同じ村に住んでおり、後日、
「あの夜の事を村中にバラされたくなかったらもう一度抱かせろ」と迫られたというのです。
「それであたし、郷里に居るのがほとほと嫌になって東京に出たの。
 でも、お勤め先にまでその男から電話が掛かってきて、付け回されて・・・」

今で言うストーカーと言うやっでしょう。聖女のように見えた彼女でしたが、
その壮絶な過去を聞かされては、返す言葉がありませんでした。
「あたし、生きてるのに疲れた。だからいっそのこと死んでしまおうとここまで来たの」
唇を噛み締め涙ぐむ彼女が哀れでした。私の中に激しく込み上げてくるものがありました。

「逃げよう。俺があんたを守ってむやる!」
勢い込んで叫んだ私に、彼女がフッと苦笑しました。
「ありがと。それにさっきは本当にありがとう。嬉しかった。
 でも、あたしは貴方に守ってもらえるような価値のある女じゃないわ。
 すっかり汚れきっている女なのよ」
「だからどうだってんだよ。俺だって、もうこの町にはいられねぇ。
 さっきの連中は俺のワル仲間だ。けど、それも今日で終わりだ」
「でも・・・」
「行こう。あんたを死なせる訳にゃいかねぇ」

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海辺の小さな旅館を営む夫婦の今と昔。其の五

◇愛が結実した夜
37-24.jpg
私に異存のある筈がありませんでした。
正直に言えば毎日のように彼女の裸身が夢の中に現れ、其の度にハッとして
目が覚めたのです。彼女の寝顔に目をやって、手を出しかかった事も度々ありました。

そして其の度に自分のふしだらさを責めて布団に戻り、膝を抱えて眠ったのです。
当時まだ21歳だった私には拷問とも言える暮らしでした。

「よそうよ。俺は恩返しなんかしてもらわなくたっていい」
武士は食わねど高楊枝・・・のやせ我慢でした。すると彼女はツッと私の前まで
進み出ると、私の手を浴衣の胸に誘導したのです。

「バ、バカなことはよせ!いいって言ってるだろ!」
うろたえました。女性の前でうろたえるなんて、初めてのことだったかもしれません。
形よくフンワリ膨らんだ乳房。指が触れるとクリッと転がる乳首。
恥じらいとためらいで切なく歪んだ彼女の美貌。それらの何もかもが刺激的でした。
肉ザオはたちまち怒張し、下穿きを突き上げて疼きました。

「抱いて、お願い・・・」
かすれた声で彼女がつぶやきます。
こうなるともう私の欲情からブレーキは弾け飛んでいました。

「分かった。本当にいいんだな?」
くぐもった声でつぶやいて彼女を寝かせつけ、震える手で浴衣の紐を解いて前をはだけます。
雪のように白く透ける肌。柔らかなカーブを描いて起伏する女体。下穿きの局部は
淫丘に押し上げられてこんもりと盛り上がり、いやが上にも私の欲情を駆り立てました。

夢中で唇に吸い付きます。彼女も激しく吸い返してきました。
唇を吸いながら下腹部に手を伸ばします。下穿きをずり下ろして局部をまさぐると恥毛は淡く、
ほの温かく湿った陰肉が指に吸い付いてきました。肉ワレをまさぐって指をぬっぽりと差し入れます。

「はん・・・」
シャックリのような吐息を発して彼女の顎が浮き上がりました。
はやる思いで粘膜の谷間をまさぐります。ねっとり潤んだ膣穴をコネ回し、
指に纏わり付いた恥液で女体の最も敏感な器官を抉るのです。

「あは・・・そこ・・・」
愛くるしい美貌が眉間に縦ジワを寄せて歪みます。
半開きになった唇からハァハァと吐息が漏れてきました。

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赤い糸で結ばれていた70年。其の一

◇卵で元気つけて!
赤い糸で結ばれていた01
戦後間もない頃、世の中誰しもが貧乏で、其の日の食う物にも四苦八苦していた時代の事です。
私の実家は戦前から豆腐屋を営んでおり、運良く戦後すぐに再開する事が出来たのですが、
父は根っからの博打好きとあって、店の金を持ち出しては、
おいちょかぶや花札などにつぎ込んでいました。

いつも勝っていればいいのですが、これがヘタな横好きと言いましょうか、
負けてばかりいます。しかもムキになるタイプで、負ければそれを取り戻そうとするので、
余計に借金が借金を呼び、まさに泥沼状態といっても良い位でした。
働き者の母お蔭で、店そのものはそれなりに繁盛していたのですが、
生活は貧困から中々抜け出す事が出来ませんでした。

私は小さい時から水泳が大好きで、中学校でも水泳は得意中の得意でした。
級友たちからも「将来の古川勝だ」とよく囃し立てられていたのです。
赤い糸で結ばれていた02
ーー古川 勝(ふるかわ まさる, 1936年1月6日 - 1993年11月21日)は、
和歌山県橋本町(現・橋本市)出身の水泳選手。
ベルリンオリンピック優勝の前畑秀子とは同じ町内の出身。
幼い頃から紀ノ川で水に親しみ、高校生頃から頭角を現す。
前畑の薦めにより、平泳ぎに専念するようになった。
ヘルシンキオリンピックには派遣されなかったが、同じ年に行なわれた全日本選手権で、
ヘルシンキオリンピック第2位を上回る記録を出す。
その後、日本大学に進学し、水泳部に所属。
同部OBだった葉室鐵夫(ベルリンオリンピック男子200m平泳ぎ金メダリスト)から、
世界に勝つために潜水泳法を身につけるようアドバイスを受け、
古川は潜水のトレーニングを重ねる。
肺活量が6000cc以上あった古川の潜水は実に45mにも及ぶものであった
(他の選手は20m程度)。これにより古川は世界の第一人者となる。
2年生の1955年には200mで世界記録を樹立した。
1956年に開催された第16回大会メルボルンオリンピックの200メートル平泳ぎに出場。
得意の潜水の威力を発揮し、金メダルを獲得する。
しかしこの直後、国際水泳連盟はルールを改正し、
スタート直後とゴール前のひと掻きを除いて平泳ぎでの潜水を禁止し、
古川は潜水泳法で優勝した最後のスイマーになった。
1993年に、紫綬褒章を拝受。同年11月21日、肺ガンのため57歳で死去した。ーー


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赤い糸で結ばれていた70年。其の一

◇卵で元気つけて!
赤い糸で結ばれていた01
戦後間もない頃、世の中誰しもが貧乏で、其の日の食う物にも四苦八苦していた時代の事です。
私の実家は戦前から豆腐屋を営んでおり、運良く戦後すぐに再開する事が出来たのですが、
父は根っからの博打好きとあって、店の金を持ち出しては、
おいちょかぶや花札などにつぎ込んでいました。

いつも勝っていればいいのですが、これがヘタな横好きと言いましょうか、
負けてばかりいます。しかもムキになるタイプで、負ければそれを取り戻そうとするので、
余計に借金が借金を呼び、まさに泥沼状態といっても良い位でした。
働き者の母お蔭で、店そのものはそれなりに繁盛していたのですが、
生活は貧困から中々抜け出す事が出来ませんでした。

私は小さい時から水泳が大好きで、中学校でも水泳は得意中の得意でした。
級友たちからも「将来の古川勝だ」とよく囃し立てられていたのです。
赤い糸で結ばれていた02
ーー古川 勝(ふるかわ まさる, 1936年1月6日 - 1993年11月21日)は、
和歌山県橋本町(現・橋本市)出身の水泳選手。
ベルリンオリンピック優勝の前畑秀子とは同じ町内の出身。
幼い頃から紀ノ川で水に親しみ、高校生頃から頭角を現す。
前畑の薦めにより、平泳ぎに専念するようになった。
ヘルシンキオリンピックには派遣されなかったが、同じ年に行なわれた全日本選手権で、
ヘルシンキオリンピック第2位を上回る記録を出す。
その後、日本大学に進学し、水泳部に所属。
同部OBだった葉室鐵夫(ベルリンオリンピック男子200m平泳ぎ金メダリスト)から、
世界に勝つために潜水泳法を身につけるようアドバイスを受け、
古川は潜水のトレーニングを重ねる。
肺活量が6000cc以上あった古川の潜水は実に45mにも及ぶものであった
(他の選手は20m程度)。これにより古川は世界の第一人者となる。
2年生の1955年には200mで世界記録を樹立した。
1956年に開催された第16回大会メルボルンオリンピックの200メートル平泳ぎに出場。
得意の潜水の威力を発揮し、金メダルを獲得する。
しかしこの直後、国際水泳連盟はルールを改正し、
スタート直後とゴール前のひと掻きを除いて平泳ぎでの潜水を禁止し、
古川は潜水泳法で優勝した最後のスイマーになった。
1993年に、紫綬褒章を拝受。同年11月21日、肺ガンのため57歳で死去した。ーー

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赤い糸で結ばれていた70年。其の二

◇初体験のいたずら
赤い糸で結ばれていた05
私の青春時代も、今のように自由で開放的だったら、どんなに愉しかったかだろうかと
思っていますが、もっとも、あれほどあけすけに行動出来たら、これから書く思い出も
なかったことでしょうが・・・。

裏山には、麓から二百メートルほど奥に入った処に、以前まで林業の人達が使っていた、
板張りの古い小屋がありました。
私たちは大抵の場合、そこで一日中過ごして居たのです。何もしなくても、
ただ一緒にいるだけでとても楽しい思いをしておりました。

さて、思春期に入った中学二年生のとき、その日、何時もの小屋で弥生といろんな
おしゃべりをしていたのですが、ふと沈黙が訪れました。
なんだか分からないのですが、弥生がモジモジしています。時折チラッと私の方を見ては、
何かを訴えている・・・私はそう思いました。

ふと「キッスをして欲しいんじゃないだろうか」と言うことが頭に浮かびました。
理由は特に有りません。本当に閃きの様に頭に浮かんだのです。

私は黙って弥生の肩に手を置き「キッスするぞ」と言いました。
すると、弥生が小さく頷きました。何を考えるでもなく、口唇を突き出すと、
私たちは生まれて初めてキッスを交わしたのでした。

大きく息を吸い込んで、顔を弥生に近づけます。目を開けていた弥生が瞼をすっと
閉じました。そして、弥生もどうして良いのか分からなかったのでしょう、
口唇をタコの口のように尖がらして突き出してきたのです。
私は自分の心臓の音が聞えて来そうなほど緊張していました。

柔らかい口唇が触れた瞬間、心臓が止まりそうになり、何故かとろろの様な味がして、
条件反射的にお腹がググッと鳴りました。どちらかが顔を傾けると言う事さえ知らず、
口唇だけてなく鼻の頭まで触れ合っていたと言う。何とも見栄えの悪い口付けでした。
もっとも、それは今に成って思う事ですが・・・。

キッスをしていた時間かは、ほんの数秒だったと思います。しかし、それが私には
何時間にも感じられました。弥生も同じ気持ちだったようです。

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赤い糸で結ばれていた70年。其の二

◇初体験のいたずら
赤い糸で結ばれていた05
私の青春時代も、今のように自由で開放的だったら、どんなに愉しかったかだろうかと
思っていますが、もっとも、あれほどあけすけに行動出来たら、これから書く思い出も
なかったことでしょうが・・・。

裏山には、麓から二百メートルほど奥に入った処に、以前まで林業の人達が使っていた、
板張りの古い小屋がありました。
私たちは大抵の場合、そこで一日中過ごして居たのです。何もしなくても、
ただ一緒にいるだけでとても楽しい思いをしておりました。

さて、思春期に入った中学二年生のとき、その日、何時もの小屋で弥生といろんな
おしゃべりをしていたのですが、ふと沈黙が訪れました。
なんだか分からないのですが、弥生がモジモジしています。時折チラッと私の方を見ては、
何かを訴えている・・・私はそう思いました。

ふと「キッスをして欲しいんじゃないだろうか」と言うことが頭に浮かびました。
理由は特に有りません。本当に閃きの様に頭に浮かんだのです。

私は黙って弥生の肩に手を置き「キッスするぞ」と言いました。
すると、弥生が小さく頷きました。何を考えるでもなく、口唇を突き出すと、
私たちは生まれて初めてキッスを交わしたのでした。

大きく息を吸い込んで、顔を弥生に近づけます。目を開けていた弥生が瞼をすっと
閉じました。そして、弥生もどうして良いのか分からなかったのでしょう、
口唇をタコの口のように尖がらして突き出してきたのです。
私は自分の心臓の音が聞えて来そうなほど緊張していました。

柔らかい口唇が触れた瞬間、心臓が止まりそうになり、何故かとろろの様な味がして、
条件反射的にお腹がググッと鳴りました。どちらかが顔を傾けると言う事さえ知らず、
口唇だけてなく鼻の頭まで触れ合っていたと言う。何とも見栄えの悪い口付けでした。
もっとも、それは今に成って思う事ですが・・・。

キッスをしていた時間かは、ほんの数秒だったと思います。しかし、それが私には
何時間にも感じられました。弥生も同じ気持ちだったようです。
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赤い糸で結ばれていた70年。其の三

◇スケベなこと言って!
赤い糸で結ばれていた07
内心ホッとして、すぐに挿入の続きに入ったのですが、
やはりどうしても這入らないのです。
ところが、這入らなかった事が逆に私を冷静にさせてくれました。

そこで、私は挿入出来ない原因は、膣が充分に潤っていないからだと判断すると、
私は彼女の首筋から下へと這わせながら愛撫していったのでした。

80センチにも満たないであろう、薄い乳房を揉んで、豆粒のような乳首を吸い、
吸いながら膣の中を指で確認しました。
生温かな肉の道を指で撫で回して見たのです。
そこは有る程度ヌルヌルしているのですが、いくら愛撫をしても湿り具合に変化は
ありませんでした。そこで仕方なく再び挿入を試みたのです。
今度は冷静に成っていたためか、やっと亀頭が少しずつ弥生の中に這入っていく
感触を得たのでした。

もっとも弥生の膣穴が極端に小さかったと言う事も、時間が掛かった原因だったと
思います。何しろ指一本入れただけで、もうキチキチだったのですから、
どうしょうもありません。

膣が小さいことは弥生にとっても辛かったようです。弥生の痛がりようといったら、
此方が罪悪感を抱いてしまうほどで、何度途中で止めようと思ったか分かりません。

ようやくペニスを半分まで挿入する事に成功すると、私は大きく深呼吸しました。。
涙を流さんばかりに感激していた心を落ち着けようと思ったのです。

小屋の外からは、
甲高い野鳥の鳴き声や風に揺れる梢のざわめきが聞こえていました。
口唇を噛んで辛そうにしている弥生に断わって、腰を動かしました。
スムーズなピストンとは程遠く、押すのにも引くのにも大変苦労しました。
ですが、膣の中がキチキチだっただへけに刺激は強烈で、
僅か三往復しただけで私は発射しそうになり、
五往復目で堪え切れず、慌ててペニスを引き抜くと、
床の上に放出してしまいました。
挿入に時間が掛かった割には、何ともあっけない幕切れでした。
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赤い糸で結ばれていた70年。其の三

◇スケベなこと言って!
赤い糸で結ばれていた07
内心ホッとして、すぐに挿入の続きに入ったのですが、
やはりどうしても這入らないのです。
ところが、這入らなかった事が逆に私を冷静にさせてくれました。

そこで、私は挿入出来ない原因は、膣が充分に潤っていないからだと判断すると、
私は彼女の首筋から下へと這わせながら愛撫していったのでした。

80センチにも満たないであろう、薄い乳房を揉んで、豆粒のような乳首を吸い、
吸いながら膣の中を指で確認しました。
生温かな肉の道を指で撫で回して見たのです。
そこは有る程度ヌルヌルしているのですが、いくら愛撫をしても湿り具合に変化は
ありませんでした。そこで仕方なく再び挿入を試みたのです。
今度は冷静に成っていたためか、やっと亀頭が少しずつ弥生の中に這入っていく
感触を得たのでした。

もっとも弥生の膣穴が極端に小さかったと言う事も、時間が掛かった原因だったと
思います。何しろ指一本入れただけで、もうキチキチだったのですから、
どうしょうもありません。

膣が小さいことは弥生にとっても辛かったようです。弥生の痛がりようといったら、
此方が罪悪感を抱いてしまうほどで、何度途中で止めようと思ったか分かりません。

ようやくペニスを半分まで挿入する事に成功すると、私は大きく深呼吸しました。。
涙を流さんばかりに感激していた心を落ち着けようと思ったのです。

小屋の外からは、
甲高い野鳥の鳴き声や風に揺れる梢のざわめきが聞こえていました。
口唇を噛んで辛そうにしている弥生に断わって、腰を動かしました。
スムーズなピストンとは程遠く、押すのにも引くのにも大変苦労しました。
ですが、膣の中がキチキチだっただへけに刺激は強烈で、
僅か三往復しただけで私は発射しそうになり、
五往復目で堪え切れず、慌ててペニスを引き抜くと、
床の上に放出してしまいました。
挿入に時間が掛かった割には、何ともあっけない幕切れでした。

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赤い糸で結ばれていた70年。其の四

◇思いを手紙に託して
赤い糸で結ばれていた09
弥生が引っ越した日から、私達は早速手紙の遣り取りを始めました。
電話も未だ少なく思いを伝える手段は手紙しかなかった時代です。
彼女は当時の手紙を今でも大事に保管しているようですが、
おそらく今読み返すと恥ずかしさのあまり、卒倒してしまうのではないでしょうか。

初めの頃は純粋に近況報告的な内容だったのですが、数ヵ月後には、今で言う
テレホンセックスの遣り取りのような極めてハレンチな内容に成っていたのです。
恥ずかしながら“純情編”と“ハレンチ編”を彼女のストッカら引っ張り出して見ました。

ーーー

弥生ちゃんへ
君と別れてから、かれこれひと月に成りますね、今日は君の住む町まで行ったのです。
逢えればいいが・・・と思って、駅を出て回りを歩いて見たが、やっぱり逢えなかった。
「家まで来て呉れれば」と君は言うだろうが、僕は「二人の運」に掛けて見たのだ。

今日と言う日は二度と巡りこないと言うのに、何と言う運のない僕だろうと、
帰りの汽車の中で、人知れず泣いた。

君のよこす手紙で見ると、近頃はその町も進駐軍のベースキャンプが出来て、
ダンスホールや喫茶店が何軒も出来たとか、
君がアルバイトで喫茶店のメードになったと言う事を知って、
僕はそれからと言うもの心なしか、落ち着かない日々を送っていたのだ。

今日二時間も汽車に乗って君の住む町まで行ったのも、君が店の中で
他所の男と久しく言葉を交わしていやしないかと気がかりだったのだ。

駅を降りて見ると、安っぽい色ペンキ塗りの飲食店がズーッと続いていて、
訳の分からない横文字の看板が倒れそうに、幾つも幾つも掛かっている特殊喫茶店が
のぞかれた。その前を瘧を立てて、GIの乗るジープやトラックが走っていた。

室生犀星の詩にあるように、
“たとえ異土の乞食となるとても、帰るところにあるまじき”といった感じがした。
こうして日本はありとあらゆる所に、進駐軍がはびこり、そして隅々までが蝕まれて
いくのだと思うと、僕は君が住む町だけに、余計悲しくなってくるのだ。

君は利巧者だ。そして素直な性分を持っている、家計を助ける為にアルバイトに
出ていることは、この僕にも良く分かる。
はっきり言う、どんな境遇になっても、僕らの恋を蝕ませないで欲しいんだ。

今日は逢って行きたかったのだが、突然出掛けた事ではあるし君にも都合は
有っただろうから、これも致し方ないと諦めて帰ることにしたのだ。

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アヤメ草

Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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