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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

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生きることへの歓び。其のニ

~初体験への期待と不安~
生きる事の歓び03
私の住む栃木県と彼の住む静岡県は、当時は何度も電車を乗り継いで五時間余り・・・
私達の交際は今で言う遠距離恋愛でした。
今でこそ遠距離恋愛は珍しくはありませんが、四十年以上前のあの当時、
遠く離れた恋人達は其れは辛い、切ない想いを強いられたものでした。

今と違って交通の便も悪く、長距離電話もそうそう簡単に掛けられる
時代ではありませんでした。ですから、私達は専ら文通に頼るほかなかったのです。
それこそ毎日の様に私は彼に手紙を書き、送りました。

ーー愛しい聡さまへ
もう、秋の訪れの気配を感じるようになりました。木の葉の舞い散る姿を見ては
あなたを思い出し、柿の実の赤く色づくさまを眺めては、あなたのことを想い出す日々です。
こんどあなたに会えるのはいつのことでしょうか。早く、早く会いたいーー

もちろん、彼からも追って返事が送られて来ました。聡からの手紙が、私の生きる喜びでした。
彼の手紙を開封する時のときめきを私は今でもはっきり覚えています。

ーー可愛い美智子へ
僕だって君に会いたくて仕方ない。君の筆跡だけじゃなくて、君の指の温もりに触れたいよ。
僕だって、何時も君のことが頭から離れない。あの別れの日、君と交わした口付けの味を
思い出すたびに、切なくてどうしょうもなくなるんだ。だけど、喜んで呉れ。
来月、東京の事務所に行く事になった。東京と栃木は近い。
会えるんだよ、美智子!今からワクワクして眠れないよーー

この手紙を読んで私は思わず飛び上がるほどの興奮で身体が震えてしまいました。
あの夏以来、やっと聡に会えるのです。彼は観光局の仕事をしていて、たまに東京の
事務所に足を伸ばすと聞いていましたが、ようやく会えるチャンスが来たのでした。
どんなにこの日を待っていたことでしょう。

彼がやってくる日、私は朝からソワソワと落ち着きませんでした。
一張羅の赤いワンピースに身を包み、私は歓び勇んで待ち合わせ場所に出掛けました。
  1. 夫婦の今と昔
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生きることへの歓び。其の三

~ヌルヌルは快感の絞り汁~
生きる事の歓び06
「綺麗だよ、想像していたよりずっと綺麗だ!」
彼のその一言で、羞恥は直ぐに歓びに変わりました。
聡に裸を見られることはもちろん恥ずかしかったけれど、
それより嬉しさの方が大きかったのは、やはり女心と言うものでしょう。
そして、裸に剥かれると快感はグングンと燃え上がり、高まりました。

私を丸裸にすると彼も衣服を脱ぎました。聡の肉体はまるで彫刻のようでした。
海で鍛えた肉体はほどよい筋肉に包まれて、私の燃える性感に更なる油を注いだのです。

「あっ、むうううううっ!」
素っ裸になって、私達はキスより激しい愛撫を始めました。彼に乳首を吸われ、
私は鋭利な快美に貫かれたのです。乳首がこれほど敏感な性感帯だったなんて
この時初めて知りました。しかし、衝撃を受けるにはまだまだ早すぎたようです。

「あはーっ、い、いやっ、そ、そ、そんなトコっ・・・」
乳首を啄ばみながら、彼がワレメに指を差し入れてきたのです。当然、自分以外の
指を許したことの無い場所でした。またしても羞恥がどっとこみ上げて来ました。

「バカだな、美智子は、・・・ここんトコが気持ちいいんじゃないか」
と、彼はニュルニュルとワレメを掻き回しました。確かに最初は恥ずかしさの余り、
パニックに陥ってしまったけれど、そのうちだんだんおかしな気分になってきました。

「ああっ、はああーっ、な、何だかフワフワしてきたわ。地に身体が着いてないみたい」
「そうだろう?ヌルヌルしたものが、一杯出てきたぜ。いい調子だ・・・」

ヌルヌルしたものの正体が、快感の絞り汁であることに私は始めて気付きました。
やがて、私は指の動きに合わせて腰を振る真似さえしていたのです。

「握ってごらん。これが美智子の身体の中に入るんだよ」
恍惚と成った私の手を、彼が股間に導きました。
その凶暴なまでに強靭な手応えに、私は叫び声を上げずには居られませんでした。
それはまるで鋼鉄みたいな硬い肉の棒でした。 
  1. 夫婦の今と昔
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生きることへの歓び。其の四

~嘘、ウソ、恋人が死んだ!~
生きる事の歓び09
「拝啓 美智子さま お元気ですか。僕の方はぼちぼちです。
 仕事も順調で毎日楽しくやっています。あなたも仕事を頑張って下さい」
聡と結ばれて一年、その間には色々な事がありました。
まず、私は高校を卒業して短大に進学し、聡は友人と二人で、
小さな旅行代理店を共同経営することになったのです。

私達の交際は相変わらず文通で、会えるのは三、四ヶ月に一度が良い処でした。
しかし、其のうち私はおかしな事に気付き始めました。
相変わらず彼らは手紙が来るものの、明らかにその文面が変ってきたのです。
それは何だか他人行儀で味も素っ気も愛情も感じられない手紙でした。
おかしいと、私は直感しました。とても、聡が書いた手紙とは思えませんでした。

有る時期を境に文面がころっと変ってしまうなんて、書き手が変ったとしか考えられません。
そう思うと、もういても立ってもいられませんでした。
もしかしたら、聡は心変わりをしてしまったのだろうか。それとも彼の身に何かあったのでは?
とにかく聡のところへ行ってみよう。私は意をけっして、彼の住む街に行きました。
そこで待っていたのは余りにも残酷な事実だったのです。

「、美智子さんですか・・・判りました。駅前で待ってて下さい」
彼の家に電話すると、聡とよく似た男の人の声が聞こえてきました。
駅前で待っていた私の前に現れたのは、聡とは似ても似つかない貧弱な男の人でした。

「はじめまして、僕、聡の弟の隆です。何で僕がここに来たのかとお思いでしょうね」
聡の弟・中谷隆は、にわかには信じられないことを口走ったのです。
「兄は死にました。もう、三ヶ月になります」
「えっ、い、いま何て・・・何ていったの?」
青い空と茶色の地面が、ひっくり返ったように思えました。

もう一度、隆は言いました。
「兄は死んだんです。自殺でした。いっしょに会社を経営していた友人が、
 会社の金を持ち逃げしたんです。会社も巧くはいっていませんでした。
 あちこちに借金を重ねて、その借金も兄一人の肩に・・・
 その重圧に耐えられなかったのでしょう」
「う、嘘よ!嘘よ、そんなっ。聡が死んだなんて、私に黙ってそんなっ」
涙が滝の様に溢れ出しました。私は隆の胸ぐらを掴んでいました。

「美智子さんの事は兄から良く聞いていました。直ぐに知らせようかと思ったんですが、
 気の毒で出来ませんでした。申し訳ありません。手紙は僕が代筆していました」
その言葉を聞き終わらないうちに意識が遠くなり、私はその場に失神して倒れていました。
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生きることへの歓び。其の五

~男は見かけじゃない~
生きる事の歓び11
隆との初夜に、私はあえて聡と行った連れ込み旅館を選びました。
いつまでも聡との思い出の中に生きていてはいけない。
これからは隆と共に人生を歩んで行くのだ。

聡との思い出を吹っ切るために、私は辛い気持ちを押し殺して、
馴染みの連れ込み旅館に隆と手に手を取って入っていったのです。
隆はここでも私に気を遣ってくれました。

「無理してないかい?別に今夜でなくてもいいんだよ」
「ううん、いいの。私、貴方に従いていく。あなたの女になりたいの」
私は自ら隆にしがみつきました。

「忘れさせて、聡さんのことを。私は今日から生まれ変わる。
 もう辛い思いをするのはイヤ。抱いて、抱いて頂戴、隆さん!」
私は隆を布団の上に押し倒しました。聡寝た時と同じ、あの緋色の布団でした。
目頭が熱く成りました。隆とセックスするのは現実逃避だと判っていましたが、
この時の私には隆と寄り添うより他に、この苦境を乗り切る術はありませんでした。

「好きだよ。美智子さん。初めて逢った時から好きだったんだ!」
私達はお互いの服を毟り取りました。裸に成った瞬間から、私はケダモノじみた
欲情に貫かれていました。寂しさと辛さがすべて、欲望に変ったという感じです。

せめぎ寄せる欲望のままに、私は隆の股間に掴みかかっていました。
そこは既に過敏な反応を示していました。
隆のペニスは私の手の中で隆々と猛り勃っていたのです。
「うっ、ううっ、美智子さんっ。か、感じるよっ」

私はしゃにむにペニスを擦りたてました。勃起が大きくなればなるほど、
私の割れ目もジュクジュクと濡れ滴っていったのです。
凄まじい快感の嵐が吹き荒れました。

「あっ、うううっ・・・」
隆も負けてはいません。彼も私の割れ目に指を突き入れました。
とたん、鋭利な愉悦が子宮を突き上げたのです。
思わず私は腰を跳ね上げていました。
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生きることへの歓び。其の六

~最後の抱擁?~
生きる事の歓び14
最初は巧くいっていたレストランも、二、三年するうちに毎日、閑古鳥が鳴くように
成ってしまったのです。借金ばかりがかさんでいく日々でした。

「もう、二進も三進もいかない。僕の力がたりなかったばかりに、ごめんよ・・・」
私も隆も身を粉にして努力しましたが、どうにもなりませんでした。 これ以上、
店を続けていくことが不可能となり、私達はレストランを閉める事にしたのです。

私達に残されたのは多額の借金だけでした。本当に気の遠くなる様な額で、
どうやって返済していっていいやら、途方にくれるばかりでした。

「美智子、旅行にいかないか?気分転換にいいだろう」
と、ある日、隆が思い詰めた顔で私を誘いました。
そして、私達は温泉で有名な近くの観光地へと足を伸ばしたのです。
そのとき「ふっ」と不吉な予感がはしりました。

「散歩に行かないか。夜の海も中々いいもんだよ」
温泉につかり宿で夕食を摂った後、隆に誘われるままに私は夜の散歩に
出かけました。もちろん砂浜には人影はなく、私たち二人きりでした。

「いままで本当にありがとう。美智子、僕は幸せだったよ」
浴衣が汚れるのも構わず、私達は浜辺に腰を降ろしました。
するし、隆は辞世の挨拶を始めたではありませんか。
おまけに彼の手には、薬の瓶の様なものが握られています。
私の背筋に冷たいものが走りました。やはり彼は・・・と思った瞬間。

「最後に、おまえを一杯抱きたい。愛しているよ・・・美智子!」
私は隆に荒々しく砂浜に押し倒されていたのです。

夫の気持ちが痛いほど伝わってきました。私は誰もしない夜の海辺で、
隆に肉体を開こうとしていたのです。
この時のやるせない気持ちは、今でも脳裏にはっきり焼きついています。
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生きることへの歓び。其の七

~死んだ積りで生きる~
生きる事の歓び17
夫は粘膜が擦り切れるのではないかと言うほど私を舐めたて、私は私で噛み千切る
くらい猛烈に隆を責め立てたのです。顎が痺れ、もう感覚がなく成っていました。
それでも、私は夫の股間に食らいついて離れませんでした。
夫もまた情熱的なオーラル攻撃で、私に喜悦の声を上げさせていました。

どうしてこんなに心地いいのか、没頭できるのか不思議でした。
このときの私達の心境は、やはり異常なものだったと言わざるを得ません。

「もう、おまえの中に入れたいよ。たっぷり精液を浴びせてやりたい!」
やがて夫が差し迫った口調で叫びました。私は嬉々として夫を迎い入れました。

「きて、入ってきて、あなたっ。私も、もう我慢できないっ」
私も夫にしがみついていきました。体勢を入れ替え、隆は私に圧し掛かってきました。
大きく足を広げ、私は突進してくる夫を受け入れたのです。

「うっ、くくくーっ!」
「はあああああーっ、あ、あ、あなたァッ、すごいっ・・・」
夫の律動には鬼気迫るものがありました。隆は目にも止まらぬ早腰で
私を打ち始めたのです。そのパワーたるや、息も止まるかと思ったほどでした。

そういう私もしかし、負けてはいませんでした。夫のリズムに合わせ、しゃかりきになって
腰をバウンドさせていたのです。まるで闘いのような肉交でした。
セックスは“生きる事”其のものだ、と私は痛感せずには入られませんでした。

このパワーがあれば生きていける。借金なんかに負けるはずはない。
目から鱗が落ちた気分でした。
「あなた。私、死なないわよ。あなたも死ぬなんて考えちゃダメっ」

快感に押し揉まれつつも私は絶叫していました。夫もハッと私の顔を見つめました。
「聡さんの二の舞なんて絶対にいけないわ。聡さんはあちらの世界に行ったけど、
 私達はこの世で命をまっとうするのよ。大丈夫、私がついているから。
 聡さんだって天国から私達を見守っていて呉れているわ。
 こんなに力強いあなたが死ぬなんて、許されないわよ」

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泥沼の中で掴んだ幸せ。其の一

泥沼の中で00a
「おい、チョツトそこまで出かけようか」
今朝のことです。家業を長男に譲ってから隠居としての自由を謳歌して
今日はあちらの無尽、今日は此方の集まりと、
滅多に腰を据えることもなく飛び回っております主人が、私を誘ってまいりました。

珍しい事もあるものだと、私が普段着のままでサンダルを履こうといたしますと、
「もっと洒落た格好は出来ないのか」もとより鬼瓦のような顔、
まるで青汁を飲んだ閻魔のようなご面相で私を睨み付けて参ります。

「この前買った夏大島を着てきなさい」
こんな顔をしているときの主人は、何を言っても折れないのが常。仕方なく、
まだしつけ糸の取れていなかった大島を着け、何処へ行くとも分からないまま、
主人の後を追ったので御座います。

なりがなりで御座います、どこぞお世話に成って居ります知人宅へでも出向くのかと思えば、
辿り着いたのは秋山川のほとり、川縁に降りて川面を見つめたまま、
そこからどこぞへ歩き出す風でもありません。この人、一体何を考えているのだろう?

夏の陽射しにじりじりと背中を焼かれ、首筋に流れる汗をハンケチで拭いつつ、
いぶかしみつつ何とはなしに主人の顔を見つめておりましたら、
主人がぽっりと一言、つぶやきました。
「兄貴は、ここから唐沢の方を眺めるのが好きだったよな・・・」

一瞬、私、息が止まりました。ああ・・・。今日は長継さんの命日だった。
私は、いつから前夫の命日までも忘れる様に成ってしまったのでございましょう。

「お前を俺に残してって呉れたんだもな。兄さんには感謝しなきゃ・・・」
本当に、本当に・・・。たった五年では御座いましたけれど、
幸せな結婚生活を味合わせてくれた前夫、そして、こんなに深く私を愛してくれる
今の主人を身代わりに残していってくれた前夫。
突然熱いものが込み上げてきて、私は川原にしゃがみ込んでしまいました。
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泥沼の中で掴んだ幸せ。其のニ

デキちゃった03
主人になだめられればなだめられるほど、私はいたたまれない気持ちに成って参ります。

日に追うごとに外泊の数が増えていく義弟に家族の態度も次第によそよそしく成って
行くようで、そうなると、
「ああ、私がここに嫁いで来たばっかりに・・・」と、自分で自分を責める気持ちが
どんどん大きく成っていって、まんじりともせずに朝を迎える事も少なくなく、
私の気持は次第に追い詰められていきました。

(私が自分で次雄さんに聞かなければ)ついに私は決心したのです。
あれは、今日の様に明け方からむっとした熱風が吹いている蒸し暑い日でした。
いつもの様に朝帰りをした次雄さんの前に私は跪いて、こう申したのです。

「お願いですから、もう少しまっとうにお暮らし下さいまし。
 私のどこが気に入らないのか、仰って頂ければいくらでも直します。
 ですから、どうぞ、どうぞ・・・・」

言い終わらないうちに、私の傍らで何かが砕ける音がしたかと思うと、
じんと額の辺りが熱く焼けました。驚いて振り返ると、土間に一抱えも花器が、
いけてあった花と一緒に粉々に散らばっています。
あまりの熱さに額に当てた手がぬるりとしたぬめりで滑り、
私は初めてそこが割れている事に気付きました。

「俺に意見なぞしようとするからそういうことになるんだ!」
吠える様に一言言い放つと、滴る血を押さえながら呆然としている私を置き去りにして、
次雄さんは走り去ってしまっていました。

その後は、もう、上へ下への大騒ぎでございました。
主人は烈火の如く怒り、舅は勘当だと言い出す始末。
その時の傷は、今でもうっすらと額に残って居ります。

この一件がありましてから後は、次雄さんに暴力を振るわれた覚えはございません。
さすがに次雄さんも悪いと思ったか、私に対する嫌がらせも控えるようになりました。
時折りは優しい言葉も掛けて呉れる様にもなり、子供達とも一緒に遊んでくれたりも
するようになりましたし、外泊の回数もほんの少しですが減っていったように思えます。

ところが、次女を身ごもるほんの少し前あたりから、また、困った事が起こり始めました。

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泥沼の中で掴んだ幸せ。其の三

輪姦01
すっかり模様替えをした前夫との部屋で、二人きりになった途端、次雄さんは、
嫌がる私を押さえつけて晴れ着をむしり全裸にすると、部屋から逃げられない様にと、
私の首に犬に着ける様な首輪を付けて、鎖の一端を柱に縛り付けたのです。
部屋の中を動くほどの長さはありますので、体を動かす自由は保たれていすが
部屋の外に逃げる事は出来ません。

「兄貴にどんな事をされてきたのか、しっかりと調べてやる」
そう言って、私の足を割り開くと、その間に次雄さんは潜り込んできたのです。
電灯が明々とついたままの六畳間です。これ以上の屈辱が有るでしょうか。

泣き叫びたい気持ちでしたが、
悪戯に騒いでこんな姿を姑や舅に曝すわけには参りません。
なにより、もう夫婦に成ったのですから、
私としては何をされても従うしかないのです。

夢であってほしい、幻であってほしいと、私は祈るような気持ちで新夫のなすが侭に
じっと耐えておりました。

新夫は、灯りに煌々と照らし出された私の秘部を、ためつすがめつ眺めながら、
あちらこちらを開いたり広げたり、指を差し込んだり捻ったり、まるでオモチャを
慰むようにいじり回してまいります。

そのしつこさに悪寒を走らせながらも、私は不覚にも、何時の間にか甘い空間に
体が漂い始めていました。時にはねっとりと柔らかく、時にはひりつくほど激しい
新夫の指の動きは、私にとっては初めての物だったのです。

大人しかった長継さんからは、是ほどしつこい慰めは受けた事が無かったのでございます。

いつの間にか、次雄さんの指技に私の腰は揺れ始め、
漏れるねだり声を他人事の様に遠く感じていました。

そんな私の耳元で唸るように囁いた次雄さんの言葉、今でも忘れません。
「大分濡れてきたな。いいよがり声だ。そうしてうんとよがれ。
 俺が兄貴のことを全部洗い流してやる。兄貴のことは全部忘れるんだ」

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昔の臆病少女が今私の妻。其の一

~覗き見た大人の世界~
昔の・・・01
私は昭和24年群馬県の農家の次男坊として生まれました。
少年期を田園風景の広がる土地で育ちました。
田舎の空気は綺麗だし、環境的には良い所です。しかし、何十年も昔の事ですから、
昼間は野に山にと遊び回っても、夜になると娯楽らしい娯楽もなく、
子供にとっては退屈な時間を過ごさねば成りませんでした。

私たち悪ガキ仲間は、よく覗きに精をだしたものです。田舎の家は開放的で、
夏なんかはそれこそ窓も閉めずにセックスをする夫婦が多い事を知っていたからです。
何しろ、ほとんんどの家は水田に面していましたから、覗かれると言う心配も、
それほど無かったのでしょう。

私達は成るべく若夫婦のいる家を覗きました。その方がセックスも大胆で激しいし、
覗くのが楽しい事を知っていたからです。
私達は大体気の合った仲間四人で覗きをしました。
夫婦の交わりを息を潜めて窓から覗き、皆してセンズリを掻きました。
そして誰が一番、射精を長く我慢出来るか、或いは精液を遠くまで飛ばせるか等と、
競い合ったものです。

何しろ中学生です。刺激には堪え性がなくて「アハ~ン」なんて若妻が
気持ち良さそうな声を漏らしたりするものなら、すぐに発射してしまうほどでした。
しかし、そのまま萎えたりせず、連続してセンズリを掻く所は、
私達の凄いところ?でありましたが・・・。
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昔の臆病少女が今私の妻。其のニ

~チー坊が好き!~
昔の・・・04
私が良太の妹・千代子が好きなことに気づいたのは、中学三年の秋でした。
色白の千代子は、中学生になってから急に身体に丸みが帯、胸の膨らみもハッキリ
分かるようになって大人びてきていました。

そんな彼女を見ると、私は胸騒ぎを覚えるようになったのです。私のセンズリの対象は
エロ本の女優や、覗きの若奥さんから千代子の未だ見ぬ裸に変わっていきました。

悪ガキの私はとうとう我慢できなく成って来て、告白をする決心をして、
彼女を神社の境内に呼び出したのです。
もう稲の刈り取り、脱穀も、籾すりも終わった時期で、
夕陽が寂しそうな色を帯びてくるころでした。

私は息を切って階段を駆け登っていき「ケンちゃん、何の用?」と無邪気に瞳を輝かす
千代子を、大胆にもいきなりギュッと抱き寄せました。

「俺、千代子が好きだ!」
とストレートに彼女に対する想いを言葉にし、唇を押し付けました。
千代子は相当に驚いたようで、私の胸のなかでもがきましたが、
私が尚も強く抱き締めると、対抗が弱く成ってきました。

歯と歯が当たってカチカチと鳴りました。
「好きだ!」
私はもう一度、熱っぽく囁くと、もう千代子の身体から固さが抜けて、柔らかさを感じ、
どうにも我慢できなくなって、手をスカートの中に入れていったのです。

「アッ、ケンちゃん!」
千代子が私の手首を慌てて押さえようとしました。けれども、私はそのまま強引に太腿を
撫で上げ、下着の中に指を潜り込ませようと試みました。
「・・・ケンちゃん」
千代子が私の手首をギュツと握り締めました。
「ダメかい?」
「ううん・・・そうじゃない」
千代子は激しくかぶりを振ります。そして、
「アタシも、あんなこと、してみたい」
と、私の胸の中で顔を真っ赤にします。
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昔の臆病少女が今私の妻。其の三

~ふっくらオマンコ~
昔の・・・06
私は自分が年上なのだ言い聞かせ、気持ちを懸命に鎮めて、
千代子の下着に手をかけました。

「いいか、脱がすぞ」と、かすれ声で言ったら
「ウン」と頷いて顔を手で覆い隠した千代子です。
私はすぐさま、彼女の下腹部に視線を走らせていきました。

千代子のオマンコにはハッキリ判るほど柔らかい陰毛が一面に生えていました。私は乾く
唇をペロリと舐めると、千代子の両膝に手をかけ、グイッと思い切って押し広げました。

「あっ・・・」
チョコが体をビクッと強張らせます。けれども、オマンコの部分を隠そうとはしません。
ふっくらとしたオマンコでした。一筋の裂け目が走っていて、とても綺麗です。
それが薄暗い闇の中でも分かります。私は暫らくの間、見とれていました。

「あまりみないで、恥ずかしい・・・」
と、小さく言いました。それが私の最後のためらいを押しやりました。
「チー坊、綺麗だよ」
私は囁き、ワレメに指を這わせていったのです。
「あ、あぁぁぁ・・・」
千代子がピクン、ピクンと体を震わせました。
「おっ、おい、大丈夫か?」
と訊いたのだから、わたしもまだウブな少年でした。
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昔の臆病少女が今私の妻。其の四

~成熟した肉体美~
昔の・・・09
板前修業をしていた私の前に千代子が再び姿を現したのは、
私が二十二歳の時でした。千代子は短大を卒業して二十歳を迎え、
すっかり大人の女といった感じで綺麗に成っていて、私を驚かせました。

懐かしさが私達の気持ちを、中学生だったころの様に急接近させました。
私達は当然の様に、連れ込み旅館の門を潜っていたのです。
千代子の肉体の方も、成熟した大人の女に成っていました。
乳房も大きく膨らんで、肌もしっとりとしています。

「ほんと、綺麗に成った。これがあのチー坊か・・・」
「ケンちゃん・・・」
裸身に唇を這わせると、ゆっくりと仰け反って、熱い息を吐き出しました。
私はキスをすると、太腿をこじ開けて、ワレメに指を埋め入れます。
「ああああ・・・」
そこはもう、溢れんばかりの淫液を湛えていました。すると、千代子が開いていた
太腿をとじます。しかし、それは恥ずかしいからと言うより指の刺激をより強く
感じるためにとった行動のようでした。

「あはっ、い、いいっ・・・気持ちよくって頭がヘンになりそう・・・」

千代子が女らしく身をくねらせ、両手で顔を覆い、
真っ赤になって全てを見せて呉れている。私のペニスはいきり立ち、
下腹につきそうなほど起立してピクンピクンと脈動しています。
羞恥に照った千代子の身体を引き寄せ唇を合わせる。優しさのこもった穏やかな
接吻が次第に烈しく性的なものに移るにつれ、千代子は立って居られなくなった。
私はそんな千代子を抱き上げたまま、ベッドに運んだ。

蒲団の上で千代子は身体を開いた。レースのカーテン越しに陽が射す明るい寝室で、
千代子の胴体と手足はさまざまな文字の形をした。私が勝手に想像していたほどの、
あられもない反応を示す訳ではなかったが、子猫が甚振られて居るみたいに、
微かに洩らす喘ぎ声が煽情的だった。
そんな恥ずかしがる千代子の足を折り曲げて、足首を高々と持ち上げ、
膝裏を押さえつけて屈曲位にします。

茂みの下の亀裂も、薄茶色のアナルまでも完全に露出し、呼吸する度に息づいている。
千代子のオマンコからプ~ンと甘酸っぱい匂いがしました。舌で肉襞を掻き分けると、
愛液が溢れ出してきます。
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乙女の心遣い。其の一

~私の少年期~
乙女の心遣い01
昭和33年中学を卒業した私は、大阪へ出て小さな町工場に就職しました。
故郷は、奈良県に近い三重県の名張と言うところです。
今でこそ、新興住宅地となり、大阪への通勤圏内にもなっていますが、
当時はまだまだ田舎そのものでした。

私は、名古屋に出ようか、大阪に出ようか迷いましたが、
結局、母親の進めもあって大阪に出ることにしました。母親は、
私を商人にしたかったので、まずは船場あたりに丁稚に出したかったようなのですが、
いかんせん丁稚では給金が安すぎるために断念せざるを得なくて、
それで少しでも多く仕送りの出来る工員の道を選んだのでした。

それでもそのうちに、
大阪に居れば商人になる道も開けるかも知れないと言う母親の言葉でした。
父親は、戦死こそ免れたものの、戦地での病が元で、結局、母と私とまだ
幼い妹二人を残して亡くなりました。私が中学一年生の時です。

私は小学生の高学年に成った時から、すでに新聞配達のアルバイトをしていました。
夏休みに成ると、鉱泉所と言うところでも毎日働きました。

同級生のなかには、高校進学は勿論、大学へ進む事も当然と言う者も居ましたが、
中学を終えただけで社会に出たのは私だけではないと言うより、
まだまだ、高校や大学へ行く方が、事に田舎だけに例外と言う時代でした。
しかし、せめてもの救いは、まだ中卒が、金の卵などと呼ばれていた事です

私は、何人かの同級生と共に、大阪行きの電車に乗りました。
多くの家族が見送りにきていましたが、私の母は仕事で来られず、
変わりに妹二人が来ていました。母は、日曜も働いていたからです。

私は長男として母を助けなければ成らないと想いました。
せめて妹達は私の稼ぎで高校にやってやろうと、
小さな手を必死で振る二人を車窓から見て思ったものです。
「兄ちゃん、がんばるからな」
そう小さく呟いたことを昨日の事のように思い出します。
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乙女の心遣い。其のニ

~幸せの小鉢                                            ~
乙女の心遣い03
二十二歳になった私は、工場の寮を出る事に成りました。
同じ様な中卒者が、少ないとはいえ毎年入ってくるからトコロ天式に
押し出されるのです。汚い寮でしたが、それでも住めば都でした。
出る一年前には寮長になり、一人部屋が与えられていたので、
出たくなかったのですが、しかたありませんでした。

外に出れば、自分でアパートを借りねばならない事もですが、
めしの支度も自分でせねば成りません。金も掛かるが手間も掛かると言う事でした。
仕送りもまだまだ続けており、遣り繰りを考えると、暗い気持ちに成ったものでした。

「自炊もけっこう楽しいぜ。たまには食わせてやるからこいよ」
先に寮を出た先輩がそういって呉れたりしましたが、
私は、どこか飯屋に行けば良いと思いました。
残響もあったりしたので、とても帰ってから飯を作る気には到底成りませんでした。 

寮は、工場の前でしたが、寮を出るからにはプライベートを楽しみたいと思い、
今度は少し離れた処にアパートを借りました。それでも歩いて二十分ほどの距離です。
駅に近かったせいか、四畳半のボロアパートにしては家賃が高かったと思います。

驚く事に、隣りの四畳半には、四人家族が住んでいました。田舎出の私にはおよそ
信じがたい光景でしたが、当時では、そんな家庭は珍しくはなかったようです。

最初のうちは、あちこちの食堂で晩飯を取っていましたが、
そのうちに一軒の大衆食堂ばかりに行くように成りました。

今でも時折り見かけますが、ガラスのショーケースに、様々なおかずが並んでいて、
それを好きなだけ取り、ご飯と味噌汁をもらう形式の食堂です。
田舎育ちの私には、洋食や丼物より、やはりそういったおかずを何品か並べる
食事の方が合いました。

もっとも、それは丼物などと違って、結構高くつきました。
店のイメージからして安いという気がするのですが、美味そうなので一品、二品と
おかずをついつい取ると、結構高く成ってしまうわけです。

それでもやっていけたのは、時期が高度成長期で残業が多く手取りは多かったのですが、
金は有っても暇がない状態で唯一食べる事ぐらいしか楽しみがなかったからです。
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乙女の心遣い。其の三

~乙女心の涙~
乙女の心遣い05
女には縁のない男と思っていた私でしたが、彼女は、それからも、
「ハイ」と言っては、じゃこおろしなどの小鉢を置いて行ってくれたのです。
「カルシウム、とらなきゃ」
「うんっ」
私もしだいに笑って応える様に成りました。
「いつもありがとぅ」
勘定を済ませる時に、こっそりと小さな声でようやく言ったものです。
もう胸はドキドキでした。

それからも他の客が居ても居なくても一品のオマケは続きました。
(もちろん親父さんには判らない様にでしたが)
それがもはやただのサービスでない事ぐらいは、いかに鈍感な私でも分かりました。  
そして彼女の方から色々と話し掛けてもきました。

私は意を決して彼女をデートに誘う事にしました。
万一断られたらどうしょうとビクビクものでしたが。
お釣りを貰う時に、チラッと厨房の方を見ました。中では彼女の両親が働いていました。

忙しそうでした。今がチャンスだと思って、
「こ、今度の休みの日、遊園地にでも行かへんか」
と小さな声でどもりながら言ったのです。
彼女は、いかにも嬉しそうに頷いて呉れたのです。
私は、ついに念願の初デートをすることにこぎつけたのです。
天にも昇る気持ちと言うのは、こう言う事を言うのでしょうか。

まつたく不器用丸出しのデートでしたが、
それからも二人は映画に行ったりハイキングに行ったりしました。
その山の中で、初めて私は彼女の唇を奪いました。
彼女は震えていましたが、私のされるがままでした。

今時の若い人はそんな悠長な事をやっているカップルはないようですが、
昭和四十年代初めの頃では、まだまだカップルは段階を踏んで進んでいったものでした。
キスの次はペッティングですが、それは彼女が始めて私のアパートに来た時に行いました。
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乙女の心遣い。其の四

~婚前旅行?~
乙女の心遣い07
彼女の店が珍しく連休を取ると言うのです。当時はまだ週休二日制などは
定着しておらず祝日も今より少なかったのです。彼女の店もそうですが、
私の工場でもまとめて休めるのは正月とお盆休みぐらいでした。

「どっか旅行にでも行く?」
「うんっ」二つ返事でした。
私は、その瞬間に、彼女との結婚を決意しました。
ただ、プロポーズしたからといって、是ばかりは分かりませんでした。
旅行はその時だけのことですが、結婚は一生のことですから。

私は溜まっていた有給休暇を纏めて取り、二人して、武田尾温泉へ行きました。
大阪から一時間もしない所ですが、比べるもなく実に鄙びた温泉で、
旅館も四軒しかありません。それだけに人目につきにくいだろうと思ったわけです。
温泉にはいり、私達にしては実に豪勢な食事を取りました。
武田尾温泉の名物は“イノシシ鍋”です。私も彼女も初めてでした。
「でも妙ちゃんのとこの料理のほうが、オレには美味えな」

遅く成りましたが、彼女の名は、妙子で上に私と同じ歳の兄がいて、
下に妹が一人居ました。
「それを聞いたらお父ちゃん、喜ぶわ」
「でもオレと二人でここへ来てること知ったら怒るだろうな、オヤジさん」
「お母ちゃんは知ってるよ」
「ええっ!?」
と言うことは、彼女も私と結婚する積りなんだと思いました。
顔を見ると、一点の迷いもない晴れ晴れとした顔でした。
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デキちゃつた家出婚。其の一

~夜這いの風習が残りし頃~
デキちゃった01
昭和37年首都東京はオリンピックを目前に控えた建設ブームとか。
しかし私達の住む青森の街は戦前と全く変わらぬ姿を其の侭残していた。

当時私は、まだ19歳になったばかりで、父親と一緒に林業をしていた。
一度山に入れば、小屋に寝泊りして木を切る仕事が何日も続く。
遊びたい盛りの若い男にとって女っ気のない生活は単調で苛酷だった。

山奥での生活から抜け出して都会へ行きたいと、何時も私は思っていた。
都会へ出て何をしたいと言う訳でもなく、熱病のような憧れだけであった。

父は私が山仕事に嫌気がさしているのを見抜いていたようだ。
そこで、嫁でも待たせれば少しは落ち着くかも知れない、と考えたのか、
突然、一人の女を家に連れて来たのである。

「これから祝言を上げる」
今でこそ馬鹿げた話だが、当時の田舎では父親が選んだ顔も知らない女と、
会った其の日に結婚する事は、少しも不思議なことではなかった。
むしろ恋愛で結婚する方が、ずっと少なかったのである。

「冗談でしょ」
恐らく今の若者なら、そう言って一笑にふすだろう。
しかし、当時の父親の威厳は山よりも高く、海よりも深いものだった。

戦後教育の荒廃が、だらしない父親像を作り出したと言う心算はない。
父が良かれと思って連れて来た女を、断れるほど私に度胸が無かったのも事実である。

そして、私は父に内緒で交際していた女が居た事も告白できずに、
少しばかりの金を持って、その夜のうちに家を出たのであった。

私は恋人の和代の家に行った。和代の家は町でも有数の資産家で、
広大な屋敷の中にどっしりとした瓦葺き屋根の家を構えていた。
もう家人は全て眠ってしまったのか、灯り一つ漏れていない。
私は何度も情を交わした、和代の部屋に忍び寄った。

雨戸をソッと押し開き、縁側に上がった。一番西端の部屋が、和代の部屋である。
息を殺しながら障子に近付いて「和代」と、小さな声で名前を呼ぶ。
すると、何度目かでようやく気づいたのか「入って」と小さな声が返ってきた。
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デキちゃつた家出婚。其の二

~函館の街で~
デキちゃった03
和代が私のペニスに触れたのは何度も交接していたが、その時が初めてだった。
常に私に体を委ねたまま、受け身に徹していた。だが、別れてしまえば、
暫くの間会う事が出来なくなると言う気持ちが、和代から節操を奪い、
いつになく積極的にさせたのだろう。

指の動きはじれったいほど歯痒かったが、和代に対する愛しさは数倍にも成って
こみ上げてきたのである。

私は浴衣を留めている腰紐を解いて、少年の様に締まった和代のお尻を
抱き寄せて、覆い被さっていった。そして右肘を布団の上に突いて体を支え、
左手でペニスを掴んでその先でオマンコを上下に撫でた。
その間、和代は太腿を開いて膝を立てたまま、頭を左右に激しく振って、
快感を必死に噛み殺そうとしていた。

掛け布団をスッポリと頭まで被っている。その中での性行為だから、
私達の熱気が籠って、蒸れるように熱い。全身を汗だらけにしながら、
私は静かに腰を合わせていった。

根元まで挿入して、和代の体を布団に釘付けにした。腰を煽りたいのを、
必死で我慢してオマンコの蠢きを感じていた。オマンコは既にトロトロに蕩け、
柔らかな粘膜が微妙にうねりながら、ペニスをジワジワと締めつけてくる。

清純な和代の顔に似合わぬ、淫蕩な動きで、意思とは関わりの無い、
淫らな生物が潜んでいるかのようだった。
私はゆっくりと静かに腰を引いた。ペニスに肉襞が絡みついてズルズルと
引き出されてくる。和代は右手の人差し指を噛んで背中を弓なりに反らし、
一方の手で私の背中に爪を立てた。

再びペニスを送り込んだ。ペニスがGスポットを擦り、恥骨同士が強く密着した。
そのままで腰をひねる、すると先端はコリッとした子宮口を抉った。
「ああーっ」
和代の喉から堪え切れず、小さな声が漏れて布団に吸い込まれた。
私は和代の体の上でゆっくりと、そして速く腰を刻み始めた。

私達はその夜、気が遠くなるほど何度もお互いの体を貪りあった。
布団の中には二人の汗の匂いと臭気が立ち込め、和代のお腹は
私の濃厚なザーメンでベトベトになっていたほどである。

私は夜明け近く、和代の家をソッと出た。
向かった先は、津軽海峡の向こうにある函館だった。
連絡船で四時間ほど掛かった。船に乗ったのは、この時が初めてだった。

連絡船が岸を離れるにしたがい、父に黙って家を出た事を後悔しながら、
先行きの無い不安と船酔いで地獄のような時間を過ごしたのである。
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デキちゃつた家出婚。其の三

~赤ちゃんがデキた~
デキちゃった05
その頃和代の身には大変な事が起きていた。私の子供を身篭ったのである。
当時、未婚の女が妊娠でもすれば、周囲の者からどれだけ白眼視されたか分からない。
まして資産家の娘がそうなれば、やっかみ半分で村八分にもされかねなかった。

生理が止まって妊娠を予感した時の、和代の心中は想像に余りある。
実際、後で知った事だが、病院に行って妊娠を確かめる事も出来ず、
まして人に相談する事も出来ず、自殺まで考えるほど思い悩んだそうだ。

しかし、和代の思いとは裏腹に妊娠は肉体的な特徴となって体に現われ始めた。
全体的に体が丸味を帯び、徐々にお腹がせり出してきた。そして肩で呼吸をする
ようになって、その事を初めて母親に指摘され家中が大騒ぎに成ったのだと言う。

父親は和代を烈火のごとく叱り付け、相手の名前を聞き出そうとした。
しかし、和代はガンとして口を割らなかったそうだ。
あの大人しい和代の何処に、そんな強い芯があったのか・・・
恐らくは体の中にもう一つの生命を得た事で、揺るぎない自信を持ったのだろう。
まさに、腹をくくった母は強しである。

和代が私を訪ねて函館に来たのは、それから間もなくの事だった。
和代のお腹を一目見た時の驚きと感動は、今でもはっきりと覚えている。

私は居間で昼寝をしていた老夫婦の所に駆け込み、和代と一緒に住めるように
事情を話した。すると老夫婦は、私と和代の顔を交互に見比べながら、

「オラたちにあんたら二人を反対する理由は、なーんも無ェ。
 そのかわり親御さんには落ち着いたら、必ず知らせておきなよ。
 親ってもんはいつでも子供のことを心配してるもんだから。
 まァ、じきにお前さんたちも人の親になるんだ。分からんでもないっしょ」

と、人の好い笑顔で、これまで通り部屋を使うことを許して呉れたのである。
その夜、私たちは老夫婦を交えて、和代のささやかな歓迎会を開いた。

実質的な私と和代の結婚式でもある。老夫婦が親代わりでもあり仲人代わりでもある。
結婚指輪も無く、列席者もいない真似事でも、私はこれ以上ない幸せを、
心の芯まで噛み締めていた。
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アヤメ草

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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
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有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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