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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

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泥沼の中で掴んだ幸せ。其の三

輪姦01
すっかり模様替えをした前夫との部屋で、二人きりになった途端、次雄さんは、
嫌がる私を押さえつけて晴れ着をむしり全裸にすると、部屋から逃げられない様にと、
私の首に犬に着ける様な首輪を付けて、鎖の一端を柱に縛り付けたのです。
部屋の中を動くほどの長さはありますので、体を動かす自由は保たれていすが
部屋の外に逃げる事は出来ません。

「兄貴にどんな事をされてきたのか、しっかりと調べてやる」
そう言って、私の足を割り開くと、その間に次雄さんは潜り込んできたのです。
電灯が明々とついたままの六畳間です。これ以上の屈辱が有るでしょうか。

泣き叫びたい気持ちでしたが、
悪戯に騒いでこんな姿を姑や舅に曝すわけには参りません。
なにより、もう夫婦に成ったのですから、
私としては何をされても従うしかないのです。

夢であってほしい、幻であってほしいと、私は祈るような気持ちで新夫のなすが侭に
じっと耐えておりました。

新夫は、灯りに煌々と照らし出された私の秘部を、ためつすがめつ眺めながら、
あちらこちらを開いたり広げたり、指を差し込んだり捻ったり、まるでオモチャを
慰むようにいじり回してまいります。

そのしつこさに悪寒を走らせながらも、私は不覚にも、何時の間にか甘い空間に
体が漂い始めていました。時にはねっとりと柔らかく、時にはひりつくほど激しい
新夫の指の動きは、私にとっては初めての物だったのです。

大人しかった長継さんからは、是ほどしつこい慰めは受けた事が無かったのでございます。

いつの間にか、次雄さんの指技に私の腰は揺れ始め、
漏れるねだり声を他人事の様に遠く感じていました。

そんな私の耳元で唸るように囁いた次雄さんの言葉、今でも忘れません。
「大分濡れてきたな。いいよがり声だ。そうしてうんとよがれ。
 俺が兄貴のことを全部洗い流してやる。兄貴のことは全部忘れるんだ」

 
37-08.jpg
その夜は次雄さんの怒張したペニスで激しい打ち込みを受け、
私は生まれて初めて総身が痙攣するほどの恍惚を味わってしまったのです。

その翌晩も、その翌々晩も、ずっとずっと、次雄さんは私を縛ったりして、
私を欲しいままに蹂躙してまいりました。昼間でも、家人の目の届かない処で、
破廉恥にも立ったまま私を抱くことがありました。

そのくせ、日頃の態度は異常に冷たいのです。料理の味ひとつ、掃除の仕方ひとつ、
全て、長継さんの時とは変える様に口を酸っぱくして意見してきます。
ちょっとでも刃向かう言葉を言えば、家人に隠れて頬をぶっのです。

針の上を歩くような緊張の毎日、心穏やかな日々が遠い昔の事のように思われる毎日、
この人さえ居なければいいのに、長継さんさえ生きていてくれば良かったのにと、
新夫を呪いながらそればかりを思う毎日。

そのくせ、夜に成れば、次雄さんに抱かれて女の悦びに恍惚となる自分。
次雄さんの逞しいペニスを欲しがる自分の体。
あまりの情けなさに、私の心と体は次第に離れ始め、
昼日中からぼうっとしている事が多くなりました。

長継さんを思い続けている心と、長継さんを忘れていこうとする体。
その狭間の苦しみに耐えかねて、ある晩、
私はついにふらふらと家を抜け出してしまいました。

何処を如何歩いたのか、自分がどこに辿り着いたのか、
まるで分かっていませんでした。

「絹子!」
背後に次雄さんの叫び声を浴びて、初めて自分が秋山川の中に
踏み込んでいる事に気が付きました。

冷たい水に足を痺れさせて呆然と立っている私を、まるで逃げる獣を網で捕まえる様に
次雄さんが後ろから抱き締めて参りました。
泥沼の中で04
「分かった。俺が悪かった。謝るから、謝るから・・・・
 居なくならんでくれ、俺から逃げないでくれ。ずっと、ずっと・・・お前のことが・・・」

「あの時の貴方の言葉、嬉しかったわ・・・」
川の畔、風に流れるのを承知でかけた言葉。
きっと、聞こえていたのでしょうに。
主人はさも聞こえなかったという風に背中を揺すっています。そんな人です、この人は。

あの時、私が川に入ろうとした時、主人は私を抱きしめたまま言ったのです。
嫁に来ると決まる前から、もう少し幼い頃、
この町に疎開に来ていた頃の私を見かけた時から、ずっと私の事が好きだったのだと。
その私が長継さんと夫婦に成って、心底辛かったのだと・・・

あの時の言葉は、今でも私の中できらきら輝いてます。
死ぬまで決して光りが鈍くなる事はないでしょう。

「それ、よく似合ってるよ。兄貴にもきっと見えてるかな」
兄に代わって、俺が幸せにしたよと、きっと長継さんに胸を張りたいのでしょう。
そんな人です。

「さて、そろそろ帰るか」
「あら、そっちじゃなくて近江小路の方を回って帰りましょう」
「遠回りだぞ」
「山金さんで地こんにゃく買って帰りたいの。味噌おでん、好物でしょ」
また、苦虫を噛んだような顔。嬉しいくせに。そんな人です、この人は。

人の心は綾取りの糸。ほぐして見なければ分からないものと、
私は今の主人と一緒になって初めて知りました。
そして、幸せはどこかに転がっている物ではなく、実際泥沼に踏み込んで、
その底から掬い上げなければ逝けないのだという事も。

命日の繰り言。少しでも前夫の供養になりますれば・・・
END
  1. 夫婦の今と昔
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アヤメ草

Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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