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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

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海辺の小さな旅館を営む夫婦の今と昔。其の一

◇ナンパの達人
海辺の旅館01
「オジサン、この辺りに魚の美味しいお店ある?」
「お土産屋さんはどこが安い?
 歩いて行ける場所で、どっかいいお店ない?」
若い女性客たちが、はしゃぎながら尋ねてきます。
ロビーに出た私は掃除する手を止めて彼女たちの話に耳を傾け、
知っている限りの情報を提供してあげます。

「ありがとうオジサン。じゃぁ行ってきまーす」
「あいよ。この辺りは車の通りが多いから気をつけて行っといで」
まるで我が子でも送り出すような気分で彼女たちを見送ると、私は掃除を再開します。

自分で言うのもなんですが、
海辺の町で小さな旅館を営む私達夫婦は、宿泊したお客様たちから、
「海辺のオジサン、働き者のオカミサン」と呼ばれて親しまれています。
お客様に我が家同然の気楽さで利用してもらいたい、
というのが私と家内、由美子のモットーです。

子宝に恵まれなかった私たち夫婦にとって若い旅人たちは我が子も同然。
ご到着からお帰りになる時まで、決して手を抜かないおもてなしを心掛けております。
そのせいかどうかリピート客や連泊してくださるお客様も多く、創業からかれこれ20年、
なんとか営業を続けてこれました。

しかし、今の私をかっての知人達が見たら目を疑うことでしょう。
と申しますのも若かりし頃の私は今で言う「暴走族」。当時「カミナリ族」と呼ばれて
世間からつまはじきにされているワルだったのです。しかも私はそのリーダーでしたから、
当時とのギャップに唖然とするかも知れません。

どうしょうもないワルから、お人好しな宿のオヤジへの転身。
そこには家内の存在が大きく関わっています。
いや、家内と出会わなかったら今の私はなかったとさえ思っています。

家内との出会いは私が21歳の時。ワル仲間たちの間で「マムシのリョウ」と呼ばれ、
いい気になって暴れ回っていた頃の事でした。

 
カミナリ続
私は静岡県にある漁師町で三人兄弟の末弟として生まれました。
家は旅館業を営んでいて、幼い頃から小遣いに不自由した事はありませんでした。
何時も忙しい両親は、
小遣いを与える事でしか、うるさい我が子を黙らせる方法がなかったのでしょう。
しかし今思えば、それが私の性格や行動をねじ曲げてしまったのかも知れません。

中学の頃からワル仲間と付き合いがあり、高校に入る頃にはリーダー的な存在になっていました。
資金の潤沢な私は子分を引き連れてバイクを乗り回し、「出入り」と称して近隣の町にまで
押し掛けていったものです。

結果、度重なる喫煙と悪行が災いして高校は二年で退学。
両親の悲しみはいかばかりだったかと思いますが、当時の私は退学処分など意に介さず、
「せいせいした。遊びまくってやる」とばかり、子分たちを引き連れては爆音を轟かせて
バイクを乗り回したものでした。

性体験も同世代の連中より遥かに進んでいました。抱いた女は17、8歳の時ですでに
20人を下らなかったでしょう。

「よぉ、おネエちゃんたち、俺たちと遊ばない?面白いとこ連れてってやるからさぁ」
港でウロついていた娘たちの一団にワル仲間の一人、タツヤが声を掛けます。
今で言う「ナンパ」というやつです。
海辺の街に遊びにやってくる若い娘たちは私たちにとって恰好の標的でした。

「ええ?どこに連れてってくれるのぉ?」
女の子の一人が舌っ足らずな口調で聞き返してきます。しかし、その瞳はバイクに跨った
私たちへの興味がありありでした。

「どこだって連れてってやる。後ろに乗れ」
タツヤがバイクの後部座席を指差して誘います。こっちは四人。女の子たちも四人。
手頃な好餌でした。が、私が登場するのはいつもこの段になってからでした。
リーダーとしての威厳を漂わせて言ってやるのです。
「よせよせ。こんなションベン臭い娘っ子連中抱いたって面白くもなんともねぇ」

「ションベン臭い娘っ子とはなによ!やってみなきゃわかんないでしょ?
 ふん、そっちだって皮も剥けてない小僧っ子のくせに」
目を剥いて食って掛かって来たのは四人の中でも飛びぬけた美人で、
均整のとれた肢体に当時大流行していたミニスカートを着け、
スラリと伸びた脚が眩しい子でした。
カミナリ族01
予断になりますが。私たちが女の子を誘う際は、「一番の美人はリーダーであるリョウのもの」
というのが仲間達の暗黙の了解になっていました。

「面白いじゃねぇか。よっしゃ気に入った。俺はあんたにするぜ」
有無を言わせず彼女をバイクの後部座席に乗せて発進します。
待ってましたとばかりに仲間たちも次々に女の子をバイクに乗せて後ろに続きました。

スロットルレバーを引いてぐんぐん加速します。猛烈なスピード。
騒音、振動が臓物を揺すり、振り落とされまいと女の子が腰にしがみついてきます。
「・・・・・!・・・・・!」
女の子がなにやら怒鳴りますが、マフラーを外したバイクのけたたましい音と風に飛ばされて、
声がよく聞き取れません。
「ボヤッとしてると振り落とされるぞぉ!」

怒鳴りながら爆走し、着いた先は私の自宅がある旅館の裏手。
離れになっている私の部屋に女の子達を連れ込みます。

「あー、こわかったぁ」
「だろ?ションベンちびっちまったろ?」
ワル仲間と女の子たちとの遣り取りを、私がニヤニヤしながら眺めている、
いつものパターンでした。

「んもぅ、失礼ね。オシッコなんか漏らしてないもーん」
「じゃあ検査してみっか」
仲間の一人がベロッとスカートを捲くります。女の子がキャッと悲鳴を上げると、
それが性宴開始の合図です。仲間たちはそれぞれバイクの後ろに乗せてきた女の子と
カップルになり、思い思いの方法で交わるのです。

そんな光景を眺めながら、私は例のツッパり娘に声を掛けました。
「ったく、どいつもこいつも盛りのついた雌猫だ。あんたはどうする?無理にとは言わないぜ。
 こう見えても、嫌がる女を無理矢理犯すほど不自由しちゃいねぇしよ」
「好きにすればいいじゃない。ふん、やりたくてウズウズしてるくせに」

彼女がプイッと顔を背けます。猛烈にそそられました。
私はそう言うタイプの女が好みだったのです。
  1. 夫婦の今と昔
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アヤメ草

Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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