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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

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赤い糸で結ばれていた70年。其の四

◇思いを手紙に託して
赤い糸で結ばれていた09
弥生が引っ越した日から、私達は早速手紙の遣り取りを始めました。
電話も未だ少なく思いを伝える手段は手紙しかなかった時代です。
彼女は当時の手紙を今でも大事に保管しているようですが、
おそらく今読み返すと恥ずかしさのあまり、卒倒してしまうのではないでしょうか。

初めの頃は純粋に近況報告的な内容だったのですが、数ヵ月後には、今で言う
テレホンセックスの遣り取りのような極めてハレンチな内容に成っていたのです。
恥ずかしながら“純情編”と“ハレンチ編”を彼女のストッカら引っ張り出して見ました。

ーーー

弥生ちゃんへ
君と別れてから、かれこれひと月に成りますね、今日は君の住む町まで行ったのです。
逢えればいいが・・・と思って、駅を出て回りを歩いて見たが、やっぱり逢えなかった。
「家まで来て呉れれば」と君は言うだろうが、僕は「二人の運」に掛けて見たのだ。

今日と言う日は二度と巡りこないと言うのに、何と言う運のない僕だろうと、
帰りの汽車の中で、人知れず泣いた。

君のよこす手紙で見ると、近頃はその町も進駐軍のベースキャンプが出来て、
ダンスホールや喫茶店が何軒も出来たとか、
君がアルバイトで喫茶店のメードになったと言う事を知って、
僕はそれからと言うもの心なしか、落ち着かない日々を送っていたのだ。

今日二時間も汽車に乗って君の住む町まで行ったのも、君が店の中で
他所の男と久しく言葉を交わしていやしないかと気がかりだったのだ。

駅を降りて見ると、安っぽい色ペンキ塗りの飲食店がズーッと続いていて、
訳の分からない横文字の看板が倒れそうに、幾つも幾つも掛かっている特殊喫茶店が
のぞかれた。その前を瘧を立てて、GIの乗るジープやトラックが走っていた。

室生犀星の詩にあるように、
“たとえ異土の乞食となるとても、帰るところにあるまじき”といった感じがした。
こうして日本はありとあらゆる所に、進駐軍がはびこり、そして隅々までが蝕まれて
いくのだと思うと、僕は君が住む町だけに、余計悲しくなってくるのだ。

君は利巧者だ。そして素直な性分を持っている、家計を助ける為にアルバイトに
出ていることは、この僕にも良く分かる。
はっきり言う、どんな境遇になっても、僕らの恋を蝕ませないで欲しいんだ。

今日は逢って行きたかったのだが、突然出掛けた事ではあるし君にも都合は
有っただろうから、これも致し方ないと諦めて帰ることにしたのだ。

 
赤い糸で結ばれていた10
だが・・・君との恋は諦められない僕なのだ。
街を暫く歩いてみたが、どの女の人も、まるで安ペンキを塗った建物のように、
倒れそうな腰つきをして歩いていた。君は、まさか、そうではあるまいと、
僕は自分に言い聞かせるようにして帰ってきたが、どうぞ君の心と身体はどんな
誘惑にも蝕ばまれないで欲しい。

幼い愛情から芽生えた僕らの二人の恋は、たとえ、どんな障害にぶつかろうとも、
それを乗り越えて、互いを理解し、愛し合って行こうではないか。

君住む町の悲しき装いに、心痛めた僕の願いだ。
故郷は常に美しく、僕の弥生ちゃんは常しえに美しくあれ!    芳吉より
弥生ちゃんへ

ーーー

『今日は何の日だか覚えているかい。
そう君と初めて結ばれたあの日から三年目の記念日だよ。
あの日・・・僕が君を初めて抱いた時だった。晩春の木漏れ日が、真珠のように、
光り輝いた君の顔に、美しい影を落とし、森の中には萌え葉の香りが充ち充ちて、
辺りには人の気配さえなかった二人だけの場所だった。

その静けさ、この世界に、たった二人しかいない人間。君と僕だった。
処女の君は何も分からず、ただ横たわったまま僕に身を任せていてくれたね・・・。
あれから三年僕達は何回セックスをしただろうか?
君と別れてからも僕は弥生の夢ばかり見ている。毎日毎日、弥生の夢ばかりだ。

弥生の乳房、弥生のお臍、弥生のアソコを嘗め回している・・・そんな夢ばかりだ。

弥生今どんな格好でいるの?パジャマ着ているのだったら脱いで欲しい。
そして全裸に成ってお布団に横たわってください。そしたら僕は、
弥生の 脚のつま先から始まって太腿、股間、臍の周り、乳房、唇、鼻、耳、うなじ、
背筋、腰の周り、褐色色した菊門、全てを嘗め回してあげるよ。
そして股座に顔を埋めて、クリトリスを剥き出し、口で噛み、掌で擦り付けあげる。
小陰唇のビラビラを引っ張り出し、指の間に挟んで擦り付けてあげるよ・・・。
弥生、気持ちいいかい?僕は最高に気持ちがいいよ』

確そんな感じの文章だったと思います。
弥生も最初のうちはそんな手紙に困惑していたようですが、
やがて似たような手紙を寄越して呉れる様になりました。

もっとも彼女の手紙はもうありません。何度目かの引っ越しのとき、
うっかり他のものと一緒にゴミに出してしまったのです。
弥生は「ほっとした」と言っていましたが。
さて、手紙だけの遠距離恋愛にも終止符を打つ時が遣って来ました。
  1. 夫婦の今と昔
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アヤメ草

Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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