色ごのみ。其の三
◇二度目の初体験
「奥様!わざわざ来て下さったのですか?」
下が金物屋を営んでいる二階に、小山は間借りしていました。
突然やってきた私を前に、当然のごとく驚き、かつ狂気した彼でした。
「ええ、何も、何もおっしゃらないで。私も、貴方のお手紙と同じ気持だったのです」
薄茶けた座敷に立ち尽くしたまま、私はジッと小山の目を見つめました。
と、小山はすかさず私の心を察したのか、ギュッと私の肉体を抱きしめたのです。
「ああ、嬉しい!奥様、僕はもう・・・死んでも構いません!」
「こ、小山さん・・・私を、はしたない女だと思わないで!」
「いいえ、いいえ、とんでもない!こんな感激は、生まれて初めてです」
その後は、言葉になりませんでした。
小山の熱い口唇が、私の口唇をしっかり塞いでいたからです。
生まれて初めての感激は、私も同様でした。
心の底から、肉体の底から、私は昂りを覚えていたのです。
このようなときめきは、主人にすら抱いたことはありません。
私たちは、どちらからともなく座敷に倒れ込んで行きました。
遠くで、豆腐売りのラッパの音が聞こえていました。
西陽の射す部屋の中で、私は全裸へと剥かれていました。
羞恥のために、私の生ま白い肌は紅色のバラの花のような紅潮ぶりを示していました。
小山の端正な顔もまた、興奮の為か赤味を帯びていました。
私の着て居る物を丁寧に脱がせると、小山も服を脱ぎ始めました。
「柔らかい・・・奥様の肌は、まるでマシュマロのようだ」
マシュマロという洋菓子を一度頂いた事がありますが、
自分の事をそのように誉めてもらい、私はボーッとしてしまいました。
やはり女は、褒め言葉に弱いものです。次第に、私は我を失っていったのです。
「ああ、ああっ・・・私たち、いけないことをしているのね」
うわ言のように呟きながらも、私はしっかりと小山の筋肉を楽しんでいました。
たた抱き合っているだけで、肉と言う肉がトロトロに溶けていく思いがしました。
「昔なら、ふたつに重ねて四つに斬られる行為でしょう。
でも、殺されたっていい。奥様と一つになれるんだったら・・・」
小山の睦言は、何物にも代えがたい前戯となりました。小山に乳房を揉みしだかれ、
私はだんだんと情欲を募らせていったのです。
夫と子供に対する後ろめたさがまた、私の肉体に狂おしいほどの炎を点していました。
夫に申し訳ない、子供たちに会わせる顔がない・・・。
そう思えば思うほど余計、私は乱れるのでした。
「ああっ・・・あああっ、小山さん!」
小山の指が大事な箇所に触れたとたん、私はギクリと背中をしならせていました。
まさに、電流が通り抜けたかと思うような衝撃が肉体を貫いたのです。
「暖かい・・・奥様のここは、とても暖かくてフワフワしています。とってもいい感触だ」
小山の指使いは、巧みの一言に尽きました。いまどきの大学では勉強の他に、
女の扱い方も教えているのでしょうか、主人より、よほど上手でした。
「あッ・・・あうううう・・・わ、私、恥ずかしいッ・・・」
両の手で顔を隠しながら、私は右へ左へ腰を揺すっていました。
とてもジッとしていられない心地よさが、次から次へと溢れてきました。
「ああッ、い、いや!何てことを・・・」
しかし、次に小山が起こした愛撫は私を仰天させました。
何と彼は、私の下腹に顔を埋めてきたのです。
「ダメよ、汚いわ!やめて!おやめになってェ・・・」
現在でこそ当たり前の行為ですが、その時の私は天と地がひっくり返るほど驚いてしまいました。
不浄の女穴を舐めるなんて今まで想像だにしたこともありません。
「汚くなんてありません!奥様は、頭の天辺から爪先まで全部美しい!」
私の抵抗などどこ吹く風で、小山は濡れそぼる肉壁から顔を離そうとはしませんでした。
ヌルリとした舌で敏感な部分を捉えられ、私はすぐに息を乱しはじめました。
「私、こんなこと・・・こんなこと考えても・・・」
「徳永先生にもさせた事がないんですね?ああ!僕は幸せ者だ。
もっと、もっと舐めさせてくださいッ・・・」
噴き上がる情熱を押さえ切れぬうちに、小山は激しくその部分を舐めしゃぶり続けました。
私はといえば、彼の情熱に嬉しい思いで気圧されていたのです。
舌を使われるから、ジュンジュンと子宮の入り口から蜜汁が湧き出てきました。
これほど快いことがこの世に存在したなんて、信じられぬほどでした。
(ああ、ダメ・・・どうにかなってしまいそう・・・まるで、自分の肉体ではないみたい・・・)
いつの間にやら主人と子供に対する罪悪感など、どこかへ消えてしまっていました。
気が付くと私は、あさましいまでの情欲の奴隷と化していたのです。
「ああ、ああっ・・・私、もう気が、気がヘンになってしまいそう!」
子宮が、痛いほど快感を叫んでいました。女の肉体とは貪欲なもので、
甘い快感に浸っていても、もっと強くもっと激しくと、さらに上の物を要求し続けるようです。
「お願い!入れて!もう入れて頂だい、小山くん!」
堪らなくなって、私は小山の頭を掻き抱きながら自分から催促してしまったのです。
女の慎みなどかなぐり捨て、自ら腰を振ってしまったのです。
「僕も、僕だってこれ以上、我慢できない!」
小山が素早く私の上へ馬乗りになりました。鋭くひと突きされたのは、その直後でした。せつな、
「あッ、ひーッ・・・」
私は、辺り憚らぬ大声をうち放っていました。
熱く焼け爛れた鉄の杭に貫かれたような痛みがありました。
けれど処女の時とは違って、それはめくるめくような痛みでした。
痛いような、痛烈な性感だったのです。私は小山と一体になって、動き回りました。
上に成り下に成り、私達は飽く事無き性の運動を繰り返したのです。
これこそが男と女の真の交わり、そしてこれこそ女の歓びというものなのでしょう。
余りの快さに、私は涙すら浮かべていたのでした。
「あうッ・・・い、いい!いってしまう!」
私は、目の前が白褐色に染まるような絶頂感を味わっていました。
夫との営みでは、かってこのような愉悦を経験した事はありませんでした。
小山との情事は、私にとって二度目の初体験と呼ぶに相応しいものでした。
自分よりも十も年下の男によって、私の肉体は再開発されたのです。
「奥様!わざわざ来て下さったのですか?」
下が金物屋を営んでいる二階に、小山は間借りしていました。
突然やってきた私を前に、当然のごとく驚き、かつ狂気した彼でした。
「ええ、何も、何もおっしゃらないで。私も、貴方のお手紙と同じ気持だったのです」
薄茶けた座敷に立ち尽くしたまま、私はジッと小山の目を見つめました。
と、小山はすかさず私の心を察したのか、ギュッと私の肉体を抱きしめたのです。
「ああ、嬉しい!奥様、僕はもう・・・死んでも構いません!」
「こ、小山さん・・・私を、はしたない女だと思わないで!」
「いいえ、いいえ、とんでもない!こんな感激は、生まれて初めてです」
その後は、言葉になりませんでした。
小山の熱い口唇が、私の口唇をしっかり塞いでいたからです。
生まれて初めての感激は、私も同様でした。
心の底から、肉体の底から、私は昂りを覚えていたのです。
このようなときめきは、主人にすら抱いたことはありません。
私たちは、どちらからともなく座敷に倒れ込んで行きました。
遠くで、豆腐売りのラッパの音が聞こえていました。
西陽の射す部屋の中で、私は全裸へと剥かれていました。
羞恥のために、私の生ま白い肌は紅色のバラの花のような紅潮ぶりを示していました。
小山の端正な顔もまた、興奮の為か赤味を帯びていました。
私の着て居る物を丁寧に脱がせると、小山も服を脱ぎ始めました。
「柔らかい・・・奥様の肌は、まるでマシュマロのようだ」
マシュマロという洋菓子を一度頂いた事がありますが、
自分の事をそのように誉めてもらい、私はボーッとしてしまいました。
やはり女は、褒め言葉に弱いものです。次第に、私は我を失っていったのです。
「ああ、ああっ・・・私たち、いけないことをしているのね」
うわ言のように呟きながらも、私はしっかりと小山の筋肉を楽しんでいました。
たた抱き合っているだけで、肉と言う肉がトロトロに溶けていく思いがしました。
「昔なら、ふたつに重ねて四つに斬られる行為でしょう。
でも、殺されたっていい。奥様と一つになれるんだったら・・・」
小山の睦言は、何物にも代えがたい前戯となりました。小山に乳房を揉みしだかれ、
私はだんだんと情欲を募らせていったのです。
夫と子供に対する後ろめたさがまた、私の肉体に狂おしいほどの炎を点していました。
夫に申し訳ない、子供たちに会わせる顔がない・・・。
そう思えば思うほど余計、私は乱れるのでした。
「ああっ・・・あああっ、小山さん!」
小山の指が大事な箇所に触れたとたん、私はギクリと背中をしならせていました。
まさに、電流が通り抜けたかと思うような衝撃が肉体を貫いたのです。
「暖かい・・・奥様のここは、とても暖かくてフワフワしています。とってもいい感触だ」
小山の指使いは、巧みの一言に尽きました。いまどきの大学では勉強の他に、
女の扱い方も教えているのでしょうか、主人より、よほど上手でした。
「あッ・・・あうううう・・・わ、私、恥ずかしいッ・・・」
両の手で顔を隠しながら、私は右へ左へ腰を揺すっていました。
とてもジッとしていられない心地よさが、次から次へと溢れてきました。
「ああッ、い、いや!何てことを・・・」
しかし、次に小山が起こした愛撫は私を仰天させました。
何と彼は、私の下腹に顔を埋めてきたのです。
「ダメよ、汚いわ!やめて!おやめになってェ・・・」
現在でこそ当たり前の行為ですが、その時の私は天と地がひっくり返るほど驚いてしまいました。
不浄の女穴を舐めるなんて今まで想像だにしたこともありません。
「汚くなんてありません!奥様は、頭の天辺から爪先まで全部美しい!」
私の抵抗などどこ吹く風で、小山は濡れそぼる肉壁から顔を離そうとはしませんでした。
ヌルリとした舌で敏感な部分を捉えられ、私はすぐに息を乱しはじめました。
「私、こんなこと・・・こんなこと考えても・・・」
「徳永先生にもさせた事がないんですね?ああ!僕は幸せ者だ。
もっと、もっと舐めさせてくださいッ・・・」
噴き上がる情熱を押さえ切れぬうちに、小山は激しくその部分を舐めしゃぶり続けました。
私はといえば、彼の情熱に嬉しい思いで気圧されていたのです。
舌を使われるから、ジュンジュンと子宮の入り口から蜜汁が湧き出てきました。
これほど快いことがこの世に存在したなんて、信じられぬほどでした。
(ああ、ダメ・・・どうにかなってしまいそう・・・まるで、自分の肉体ではないみたい・・・)
いつの間にやら主人と子供に対する罪悪感など、どこかへ消えてしまっていました。
気が付くと私は、あさましいまでの情欲の奴隷と化していたのです。
「ああ、ああっ・・・私、もう気が、気がヘンになってしまいそう!」
子宮が、痛いほど快感を叫んでいました。女の肉体とは貪欲なもので、
甘い快感に浸っていても、もっと強くもっと激しくと、さらに上の物を要求し続けるようです。
「お願い!入れて!もう入れて頂だい、小山くん!」
堪らなくなって、私は小山の頭を掻き抱きながら自分から催促してしまったのです。
女の慎みなどかなぐり捨て、自ら腰を振ってしまったのです。
「僕も、僕だってこれ以上、我慢できない!」
小山が素早く私の上へ馬乗りになりました。鋭くひと突きされたのは、その直後でした。せつな、
「あッ、ひーッ・・・」
私は、辺り憚らぬ大声をうち放っていました。
熱く焼け爛れた鉄の杭に貫かれたような痛みがありました。
けれど処女の時とは違って、それはめくるめくような痛みでした。
痛いような、痛烈な性感だったのです。私は小山と一体になって、動き回りました。
上に成り下に成り、私達は飽く事無き性の運動を繰り返したのです。
これこそが男と女の真の交わり、そしてこれこそ女の歓びというものなのでしょう。
余りの快さに、私は涙すら浮かべていたのでした。
「あうッ・・・い、いい!いってしまう!」
私は、目の前が白褐色に染まるような絶頂感を味わっていました。
夫との営みでは、かってこのような愉悦を経験した事はありませんでした。
小山との情事は、私にとって二度目の初体験と呼ぶに相応しいものでした。
自分よりも十も年下の男によって、私の肉体は再開発されたのです。
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プロフィール
Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。
私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。
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