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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

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惨めな初体験。其の一

◇夢に現れた願望◇
lowson2.jpg
コンビニエンス・ストアを出た私は、広い通りを横断して、
数十メートル先にある大きな公園に向かった。
風は冷たいが陽気は良い。見上げる三月中句の空は青く、
高い位置のうろこ雲の下を白い飛行機雲が一筋、
西に向かって描かれていた。

昼時を過ぎていたが、樹木の陰には憩う人の姿も多い。
幼児と若い母親、パジャマ姿の男達も居た。公園裏には市立大学病院がある。
退院間近の入院患者だろう、と勝手に想像しながら、私は広場の中央に向かう。

噴水があり、四隅を木製のベンチに囲まれた割り丸太のテーブルがあった。
目映い陽射しのせいか、無人だった。
テーブルを挟んで噴水と向き合う位置のベンチに座る。
眼前に噴き上がる水柱の頂点が、風に散らされて涼しげに、
キラキラ光る霧に成って居る。その飛沫で和やかに濡れた草地に、
鳩や雀達がひょいひょいと飛び歩いている。

良い場所だ。私は独り満足して、
コンビニの袋からサンドイッチと烏龍茶のミニ・ボトルを取り出した。
最近は好きだった釣りも億劫になり、友とのゴルフも腰を痛めてから敬遠しているから、
陽光の温かみ風を心穏やかに浴びるのは久ぶりだった。

「私もお休みの日には、時々あの公園で子供とお弁当を食べるんですよ。
 何かちょっとしたピクニック気分に成れるんでよ・・・」
そう言って、サンドイッチを買った私に、公園の利用価値を教えてくれたコンビニの
パート店員、下山しのぶ(仮名)の笑顔に夢中で納得して、烏龍茶の栓を開け、
サンドイッチの帯封を解いた。其の気配を察したのか、横の草地を歩いていた
鳩の一羽が首を傾けて、私を真ん丸な片目で見上げた。

私は思わず独り笑った。其の鳩の姿に、下山しのぶの容姿が重なったのだ。
二人の子持ちで二十七、八の主婦である彼女は、身長が百五十センチそこそこと、
小柄な上に、ムチムチとした固太りの肢体。当然のように、いつも身に着けている
コンビニエプロンの胸元も厚く、典型的な鳩胸タイプの熟女だった。

もちろん首回りも太めで、時には覗き見える首下の肌には鎖骨の翳りもない。
ムッチリとした二の腕や太腿も短く、要するに、やや肥えた子供のような体型なのだ。
むろん悪口ではない。
気軽にひょい、と抱き締めたくなるような、愛らしい肉付きをしているのである。
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惨めな初体験。其のニ

◇記憶の底から甦った女◇
お母さん03
アイシャドーに彩られたしのぶの二重の切れ長の眼が、緩やかに大きく見開かれた。
見慣れた可愛らしさが消えて、熟女らしく妖艶な美しい瞳だった。

全裸である。私はその円くふとやかな両の二の腕ごと、立ったまま彼女を抱いていた。
仰向くしのぶの顔は私の顎の下だ。唇からは小さく白い歯も覗いている。
その口元も、抱いた肌も震えていた。其の肌の感触は、私の想像通りだった。
彼女の肉体の何処の箇所もムチムチ、ムッチリ弾んでいる。

私はキスを求めた。目を閉じたしのぶは拒まなかった。息が荒い。
濡れて蠢く舌の奥から噴き出す、熱い喘ぎが生々しい。
爪先立ちように背伸びした彼女の腹部に密着して、
私のペニスは強烈に怒張していた。そのペニスをしのぶの小さな手が握る。

その指が五匹の白い芋虫になった。陰茎の周囲をずりずり、
しっとりした感触で這い回る。その甘美さに、私は喘ぐでも芋虫で射精は嫌だ。
そう思うと芋虫が消え、ベニスは再びしのぶの、小さく柔らかい掌に包まれた。
そのペニスは、鋼のように硬かった。しのぶの短い指の輪の中では大き過ぎ、
亀頭は雄々しくはみ出していた。

そのとき私は、これは嘘だ!と囁く自分の声を聞いた。
確かにそうだ、最近の私の男根が、こんなに硬く逞しい筈が無いのだ。
しかし、其の嘘を追求すれば、夢が醒めてしまう。
そんな囁きも頭の中を走り抜けて、私は彼女を抱き倒した。

その態勢なら私には見えぬはずの、しのぶの全裸が、何故か眼前に広がる。
白い鳩胸。その形も想像通りだった。ふくよかな円丘の裾を柔らかく左右に崩して、
子を育てた乳首が太い。咥えて引っ張れば、一センチ以上は伸びるだろう。
私はしのぶの乳房を片手に握った。ふっくらと柔らかく、その感触も私の想像通りだ。
その搗き立ての餅のような膨らみを揉みながら、
私の視線はしのぶの下半身に流れていく。

闇の中で肌が白く輝いている。腹部の肉は厚いが、弛んではいない。
引き締まって筋肉質に硬い。好く働くからだ。そんな囁きが脳裏に響く。
閉じている太く短い太腿には隙間が無く、やはり餅のように膨らんで、
股間に漆黒の恥毛が僅かに覗いていた。
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惨めな初体験。其の三

◇下心のあるデートコース◇
昭和34年頃01(当時の花形特急こだま)
飯島響子は、私と同じ年齢だった。卒業した高校は違うが、
その老舗には同期入社で、結構仲が良かった女だった。

小さく細い眼、尖った口。顔全体の造作が前に突き出したような、
キッネのお面に似た顔で、どちらかと言えば醜女に近い彼女だったが、
乳白色の肌はツルツルで美しく、その小柄な肢体は妖精と謳われた、
ブリジット・バルドー張に均整が取れていた。

その通りに、裸になると乳房は形良く円く、閉じても隙間が無い太腿の
肉付きは弾力的で、股間の茂みは淡く、陰唇は綺麗な桃色だった。

私はハッと眼を開いた。その裸身はもとより秘部すらも、思い出せるのが当然、
どうして忘れていたのだろう。仲が良かったどころではなく、
飯島響子は私のセックス初体験の相手だったのだ。

普通は、初体験の相手は、男女共に忘れられないものだという。
しかし私は、彼女とのその事実を忘れた。いや、こうして思い返せば、
忘れよう、と私は記憶の底に封じ込めてしまっていたのだ。

理由があった。セックス初体験の失敗・・・。
私はその状況をまざまざと思い出し、耳に血が昇るのを知った。
失敗した事ではなく、事後の響子に対する私の仕打ち。
苛めとしか言えない、悪さをした事に・・・。

昭和34年。私は19歳だった。老舗で働いて二年目の私に、
暮れの賞与が支給された。当時の給料、賞与は全て現金で手渡しだった。
いやに薄い封筒を開けたら、千円札数枚と手が切れるような新札の
一万円が入っていた。高卒の私の給料八千円余りでは手に出来ぬ高額紙幣で、
今までの賞与でも届かぬ万札だった。

同期入社以来、常に賞与を見せ合う仲だった飯島響子にも、
その万札がピッタリ一枚だけ支給された。
彼女はぴょんぴょん飛び跳ねて喜んだ。
「こんなお札を貰うと、何だかお金持ちになった気分で嬉しい!」
帰りに飲みに行こうよ、と私を誘う。
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惨めな初体験。其の四

◇亀頭で感じる女肉の熱さ◇
我が新婚時代09-2
小さな灯油ランプだけの暗い座席に並んで座れば、会話はどうでもよい。
互いのコートを脱ぎ合い、すぐ引き寄せた響子の肩を抱いて、初めは抱擁。
互いの息が荒くなったところで唇が密着する。

初めてのキスだ。その興奮も有り、私は震えながら、響子の閉じた唇を
舌先で押し開いた。響子も震えていた。
そのやや反っ歯気味の歯に触れた私の歯が、カチカチ、カチカチ音立てる。
だが、その音よりも、私の心臓の鼓動は高かったろう。

やがて歯の鳴る音が消えて、唇は永劫に離れぬ接着剤でくっ付いたように密着し、
私の舌は響子の熱い吐息と濡れた舌に絡まれ始める。
私の首に回された彼女の両手にも力が篭もり、
セーターの上から乳房を揉む度に、乱れて激しい鼻息が漏れ出した。

初めて触れた女の乳房。それは甘美な弾力を秘めていて、私の欲情を狂おしく
刺激し、ズボンの中で勃起したペニスを、精が漏れそうなほど硬直させた。

その逸る気持ちも息苦しく、私はキスを外した。
響子が私の胸に顔を押し付けてきた。抱いた背中の下で、心臓がドキドキ
弾んでいるのが判る。私は強ばった彼女の上体を強引に起こして、
腹から捲り上げたセーターの中のシャツのボタンを外す。

次はスリップとブラジャー。首元から響子の胸肌に直接潜り込んだ私の片手は、
温かく汗ばんだ響子の甘い甘い膨らみに触れた。

柔らかだった。響子の乳房はゴム毬のように円かった。その膨らみを掌で包んで
彼女にキスを求める私の息は、燃える炎のようだったろう。応える響子の喘ぎも、
揉む乳房の肌も火のように燃えている。
「修ちゃん・・・」
響子の顔が仰け反った。

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惨めな初体験。其の五

◇記憶の奥に封印した初体験◇
消えた夫と・・・2-1
私は惨めな気分で浴衣を脱いだ。響子は背中を向けて動かない。
キザで格好良い男を演じてきたのに、なんて様だ。
私のペニスは小さく縮んでいた。

しかし、時間はまだある。気を取り直した私は、響子に寄り添い横たわった。
初めからやり直すのだ。
背中から浴衣を脱がせて、スリップも頭から脱ぎ取った。
柔順に四肢をくねらせた響子が、全裸になると同時に、
私にしがみ付いて来る。それを仰向かせて、甘く弾む乳房を揉み、
乳首を口に含み、片手を股間に這い降ろした。

柔襞の感触は湿っていた。恐る恐る指先を肉穴に進めると、指は入った。
響子が肌を強ばらせ、小さな声を漏らす。密着した肌が熱く火照っている。
指が埋まった膣道はそれ以上に熱い。私の欲望も再熱してきた。

響子がまた震え始めた。顔を両手で隠し、狂おしい鳴咽のような声を漏らす。
私のペニスは完全に復活し、筋を張る。
私は身を起こし、慎重に狙いを定めて、怒張した亀頭を恥丘の裂け目に当てた。
くびれた彼女のウエストを両手で押さえ、
女体の奥へと、ペニスを強くゆっくり押し込んだ。

今度は入った。赤い恥唇を裂き、亀頭が割れ目に埋まる。
響子が喉で呻いて仰け反る。顔から離れた両手がシーッを掴み、
乳房や腹部が激しく波打つ。その股間に半ば埋まった私のペニスは、
甘美に熱い粘膜に包まれて、またもや快感に痺れる。

ここで暫し我慢して、押し込め!私は自分を叱咤した。
そのとき表情を歪めた響子が、腰をくねらせた。
途端に亀頭が抜けて、ペニスが勢い良く撥ね上がった。
焦った私はペニスを握り、響子の恥唇に亀頭を押し付けた。
そんな風に握ったのが悪かった。焦って挿入しようとするペニスを指が刺激し、
またまた私は射精の快感に襲われて、耐える間もなく果ててしまったのである。
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アヤメ草

Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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