惨めな初体験。其のニ
◇記憶の底から甦った女◇
アイシャドーに彩られたしのぶの二重の切れ長の眼が、緩やかに大きく見開かれた。
見慣れた可愛らしさが消えて、熟女らしく妖艶な美しい瞳だった。
全裸である。私はその円くふとやかな両の二の腕ごと、立ったまま彼女を抱いていた。
仰向くしのぶの顔は私の顎の下だ。唇からは小さく白い歯も覗いている。
その口元も、抱いた肌も震えていた。其の肌の感触は、私の想像通りだった。
彼女の肉体の何処の箇所もムチムチ、ムッチリ弾んでいる。
私はキスを求めた。目を閉じたしのぶは拒まなかった。息が荒い。
濡れて蠢く舌の奥から噴き出す、熱い喘ぎが生々しい。
爪先立ちように背伸びした彼女の腹部に密着して、
私のペニスは強烈に怒張していた。そのペニスをしのぶの小さな手が握る。
その指が五匹の白い芋虫になった。陰茎の周囲をずりずり、
しっとりした感触で這い回る。その甘美さに、私は喘ぐでも芋虫で射精は嫌だ。
そう思うと芋虫が消え、ベニスは再びしのぶの、小さく柔らかい掌に包まれた。
そのペニスは、鋼のように硬かった。しのぶの短い指の輪の中では大き過ぎ、
亀頭は雄々しくはみ出していた。
そのとき私は、これは嘘だ!と囁く自分の声を聞いた。
確かにそうだ、最近の私の男根が、こんなに硬く逞しい筈が無いのだ。
しかし、其の嘘を追求すれば、夢が醒めてしまう。
そんな囁きも頭の中を走り抜けて、私は彼女を抱き倒した。
その態勢なら私には見えぬはずの、しのぶの全裸が、何故か眼前に広がる。
白い鳩胸。その形も想像通りだった。ふくよかな円丘の裾を柔らかく左右に崩して、
子を育てた乳首が太い。咥えて引っ張れば、一センチ以上は伸びるだろう。
私はしのぶの乳房を片手に握った。ふっくらと柔らかく、その感触も私の想像通りだ。
その搗き立ての餅のような膨らみを揉みながら、
私の視線はしのぶの下半身に流れていく。
闇の中で肌が白く輝いている。腹部の肉は厚いが、弛んではいない。
引き締まって筋肉質に硬い。好く働くからだ。そんな囁きが脳裏に響く。
閉じている太く短い太腿には隙間が無く、やはり餅のように膨らんで、
股間に漆黒の恥毛が僅かに覗いていた。
私の手が伸びる。太腿が望む通りに開いて、
汗ばんだ熱い内股の肌に手が挟まれた。
指先は濡れた柔襞に触れている。鍵の形に静かに曲げると、
ジューシー熟した果肉の中に沈んでいくような、
これも生々しい感触で、指先はしのぶの膣道に埋まった。
彼女が恍惚と顔を反らして、私の首に両手を回してくる。
豊満な太腿が、指ではなく怒張した私のペニスを求めるように、
左右に大きく広がる。其れに応じて、私は肌を重ねた。
亀頭が甘い感触で、しのぶの波打つ股間にヌルヌルと埋まっていく。
夢とは思えない、現実感に満ちた交合の瞬間だった。
私は何処かに夢と知る醒めた部分があるのを悟っていながら、
腰をうねらせて女体の奥に付き進んでいった。
だが、亀頭が何故か行き止まる。硬い異物に阻まれるのだ。
(何だ、これは?処女膜か?いや、子をうんでいるのに、
そんなモノがある訳がない・・・)
私の頭が混乱する。そのとき、脳裏にイメージが浮かんだ。
それは何か恐いもの・・・映画のジョーズの白く尖った歯、
真っ赤なサメの赤い口。やばい、ぺにすが齧られる・・・。
私は怯えて、身を引いた。
そのとたん、あっ、痛い・・・しのぶが顔を歪めて苦痛の声を漏らした。
(え?)と私は驚いて、しのぶの顔を覗きこんだ。
私は挿入したペニスを抜いたのだ。
そんな事で、子供を二人を成した性器が痛むのか。
疼痛を訴えるその顔を見つめた私は、(あれ?)とまともや驚いた。
その苦悶の表情の面貌が突然、しのぶとは似ても似つかぬ、
若い娘の顔に変わったのだ。
細面だった。恥かしそうに開いた細く小さな目尻が吊り上がって、
キツネの面に似ている。尖った口にウサギのような白い前歯。
組み敷いている裸身も小さくなり、乳房も形は円いが小振りになっている。
見覚えのある顔、その裸身・・・私の頭にその名が浮かんだ。
飯島響子(仮名)だ。「飯島か!」私は驚愕の声を発した。
その顔をよく見ようと、眼を見開いた。その瞬間、ふっ、と何もかもが消え、
私は現実世界に引き戻された。
私にしては珍しく、蒲団の上のうつ伏せ姿だった。伏せた顔を起こすと、
周囲は明け方独特の淡い青白さに襲われていて、
上目を使って眺めた壁のデジタル時計は、午前五時過ぎの朝を示していた。
やっぱり夢か。私はぼんやりと思い、胸の下に抱いている枕に気が付いた。
同時に、男根に勃起の痕跡が有るのも悟った。
亀頭の粘液がブリーフを僅かに濡らしていた。
年甲斐も無い淫らな夢だった。だが、私も老い先がはっきり見える年齢である。
寝に付く時は、あれやこれや人生終末を考えるよりは、
愉しい妄想を働かせる方が眠りやすい。眠りに落ちる前に、
私は昨夜も下山しのぶの裸体を妄想していた。
むろん、それで自慰を行うほど、私は若くはない。
密かに惚れている熟女の肌を想像するだけだ。
それで満足、結構熟睡出来るのである。
しかし、助平な性格はいつまで経っても直らない。
朝マラ勃起は度々有っても、夢精で濡らすなんて、
「俺もまだ若いって証拠かな・・・」
私は呟き、苦笑しながら身を仰向け、背中の枕を頭に上げた。
その姿勢で腕を組み、木目の天井を見つめた。
とたんに夢の中にもう一人、飯島響子が現れたのを思い出した。
彼女は約四十年以上も遠い昔、私が銀座の某老舗商店で働いていた頃の
同僚だったが、その店を止めて以後の何十年間、たった今夢に現れるまで、
その名も顔も思い出すことが無かった女性だった。
完全に忘れ果てていた。その響子を突然夢に見た。
しかも瞬時に、私はその顔と名前を思い出している。何故だ・・・。
私は夢の記憶を辿ってはみたが、ただでさえ夢は朧なもの、
シーンの細部までは浮かんでこない。
ただ、交合しているしのぶと急に響子が入れ替わったのは確かだ。
それも(何故た゜ろう・・)と私は悩む。
私は眼を閉じた。過去の記憶から、響子を呼び戻してみょうと思ったのだ。
アイシャドーに彩られたしのぶの二重の切れ長の眼が、緩やかに大きく見開かれた。
見慣れた可愛らしさが消えて、熟女らしく妖艶な美しい瞳だった。
全裸である。私はその円くふとやかな両の二の腕ごと、立ったまま彼女を抱いていた。
仰向くしのぶの顔は私の顎の下だ。唇からは小さく白い歯も覗いている。
その口元も、抱いた肌も震えていた。其の肌の感触は、私の想像通りだった。
彼女の肉体の何処の箇所もムチムチ、ムッチリ弾んでいる。
私はキスを求めた。目を閉じたしのぶは拒まなかった。息が荒い。
濡れて蠢く舌の奥から噴き出す、熱い喘ぎが生々しい。
爪先立ちように背伸びした彼女の腹部に密着して、
私のペニスは強烈に怒張していた。そのペニスをしのぶの小さな手が握る。
その指が五匹の白い芋虫になった。陰茎の周囲をずりずり、
しっとりした感触で這い回る。その甘美さに、私は喘ぐでも芋虫で射精は嫌だ。
そう思うと芋虫が消え、ベニスは再びしのぶの、小さく柔らかい掌に包まれた。
そのペニスは、鋼のように硬かった。しのぶの短い指の輪の中では大き過ぎ、
亀頭は雄々しくはみ出していた。
そのとき私は、これは嘘だ!と囁く自分の声を聞いた。
確かにそうだ、最近の私の男根が、こんなに硬く逞しい筈が無いのだ。
しかし、其の嘘を追求すれば、夢が醒めてしまう。
そんな囁きも頭の中を走り抜けて、私は彼女を抱き倒した。
その態勢なら私には見えぬはずの、しのぶの全裸が、何故か眼前に広がる。
白い鳩胸。その形も想像通りだった。ふくよかな円丘の裾を柔らかく左右に崩して、
子を育てた乳首が太い。咥えて引っ張れば、一センチ以上は伸びるだろう。
私はしのぶの乳房を片手に握った。ふっくらと柔らかく、その感触も私の想像通りだ。
その搗き立ての餅のような膨らみを揉みながら、
私の視線はしのぶの下半身に流れていく。
闇の中で肌が白く輝いている。腹部の肉は厚いが、弛んではいない。
引き締まって筋肉質に硬い。好く働くからだ。そんな囁きが脳裏に響く。
閉じている太く短い太腿には隙間が無く、やはり餅のように膨らんで、
股間に漆黒の恥毛が僅かに覗いていた。
私の手が伸びる。太腿が望む通りに開いて、
汗ばんだ熱い内股の肌に手が挟まれた。
指先は濡れた柔襞に触れている。鍵の形に静かに曲げると、
ジューシー熟した果肉の中に沈んでいくような、
これも生々しい感触で、指先はしのぶの膣道に埋まった。
彼女が恍惚と顔を反らして、私の首に両手を回してくる。
豊満な太腿が、指ではなく怒張した私のペニスを求めるように、
左右に大きく広がる。其れに応じて、私は肌を重ねた。
亀頭が甘い感触で、しのぶの波打つ股間にヌルヌルと埋まっていく。
夢とは思えない、現実感に満ちた交合の瞬間だった。
私は何処かに夢と知る醒めた部分があるのを悟っていながら、
腰をうねらせて女体の奥に付き進んでいった。
だが、亀頭が何故か行き止まる。硬い異物に阻まれるのだ。
(何だ、これは?処女膜か?いや、子をうんでいるのに、
そんなモノがある訳がない・・・)
私の頭が混乱する。そのとき、脳裏にイメージが浮かんだ。
それは何か恐いもの・・・映画のジョーズの白く尖った歯、
真っ赤なサメの赤い口。やばい、ぺにすが齧られる・・・。
私は怯えて、身を引いた。
そのとたん、あっ、痛い・・・しのぶが顔を歪めて苦痛の声を漏らした。
(え?)と私は驚いて、しのぶの顔を覗きこんだ。
私は挿入したペニスを抜いたのだ。
そんな事で、子供を二人を成した性器が痛むのか。
疼痛を訴えるその顔を見つめた私は、(あれ?)とまともや驚いた。
その苦悶の表情の面貌が突然、しのぶとは似ても似つかぬ、
若い娘の顔に変わったのだ。
細面だった。恥かしそうに開いた細く小さな目尻が吊り上がって、
キツネの面に似ている。尖った口にウサギのような白い前歯。
組み敷いている裸身も小さくなり、乳房も形は円いが小振りになっている。
見覚えのある顔、その裸身・・・私の頭にその名が浮かんだ。
飯島響子(仮名)だ。「飯島か!」私は驚愕の声を発した。
その顔をよく見ようと、眼を見開いた。その瞬間、ふっ、と何もかもが消え、
私は現実世界に引き戻された。
私にしては珍しく、蒲団の上のうつ伏せ姿だった。伏せた顔を起こすと、
周囲は明け方独特の淡い青白さに襲われていて、
上目を使って眺めた壁のデジタル時計は、午前五時過ぎの朝を示していた。
やっぱり夢か。私はぼんやりと思い、胸の下に抱いている枕に気が付いた。
同時に、男根に勃起の痕跡が有るのも悟った。
亀頭の粘液がブリーフを僅かに濡らしていた。
年甲斐も無い淫らな夢だった。だが、私も老い先がはっきり見える年齢である。
寝に付く時は、あれやこれや人生終末を考えるよりは、
愉しい妄想を働かせる方が眠りやすい。眠りに落ちる前に、
私は昨夜も下山しのぶの裸体を妄想していた。
むろん、それで自慰を行うほど、私は若くはない。
密かに惚れている熟女の肌を想像するだけだ。
それで満足、結構熟睡出来るのである。
しかし、助平な性格はいつまで経っても直らない。
朝マラ勃起は度々有っても、夢精で濡らすなんて、
「俺もまだ若いって証拠かな・・・」
私は呟き、苦笑しながら身を仰向け、背中の枕を頭に上げた。
その姿勢で腕を組み、木目の天井を見つめた。
とたんに夢の中にもう一人、飯島響子が現れたのを思い出した。
彼女は約四十年以上も遠い昔、私が銀座の某老舗商店で働いていた頃の
同僚だったが、その店を止めて以後の何十年間、たった今夢に現れるまで、
その名も顔も思い出すことが無かった女性だった。
完全に忘れ果てていた。その響子を突然夢に見た。
しかも瞬時に、私はその顔と名前を思い出している。何故だ・・・。
私は夢の記憶を辿ってはみたが、ただでさえ夢は朧なもの、
シーンの細部までは浮かんでこない。
ただ、交合しているしのぶと急に響子が入れ替わったのは確かだ。
それも(何故た゜ろう・・)と私は悩む。
私は眼を閉じた。過去の記憶から、響子を呼び戻してみょうと思ったのだ。
- 銀座の恋の物語
- / trackback:1
- / comment:0
- [ edit ]
comment
まとめteみた【思い出される昭和のあの日あの頃】
- 2012/03/17(土) 19:10:20 |
- まとめwoネタ速suru
プロフィール
Author:アヤメ草
FC2ブログへようこそ!管理人の
アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。
私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。
カレンダー
フリーエリア
最新記事
- 広告のページ (12/31)
- 小説・おにあざみ。其の一 (01/14)
- 小説・おにあざみ。其の二 (01/14)
- 小説・おにあざみ。其の三 (01/14)
- 小説・おにあざみ。其の四 (01/14)
- 小説・おにあざみ。其の五 (01/14)
- 小説・秋の夜話。其の一 (12/13)
- 小説・秋の夜話。其の二 (12/13)
- 小説・秋の夜話。其の三 (12/13)
- 小説・秋の夜話。其の四 (12/13)
- 小説・秋の夜話。其の五 (12/13)
- 小説・秋の夜話。其の六 (12/13)
- 小説・秋の夜話。其の七 (12/13)
- 小説・秋の夜話。其の八 (12/13)
- 小説・秋の夜話。其の九 (12/13)
- 小説・秋の夜話。其の十 (12/13)
- 小説・秋の夜話。其の十一 (12/13)
- 入院顛末記。其の一 (11/16)
- 入院顛末記。其の二 (11/16)
- 入院顛末記。其の三 (11/16)
- 入院顛末記。其の四 (11/16)
- 入院顛末記。其の五 (11/16)
- 入院顛末記。其の六 (11/16)
- 入院顛末記。其の七 (11/16)
- 昭和のメルヘン・ゆびさきの詩(うた)。其の一 (11/10)
- 昭和のメルヘン・ゆびさきの詩(うた)。其のニ (11/10)
- 昭和のメルヘン・ゆびさきの詩(うた)。其の三 (11/10)
- 昭和のメルヘン・ゆびさきの詩(うた)。其の四 (11/10)
- 昭和のメルヘン・ゆびさきの詩(うた)。其の五 (11/10)
- 昭和のメルヘン・ゆびさきの詩(うた)。其の六 (11/10)
カテゴリ
月別アーカイブ
- 2017/12 (1)
- 2015/01 (5)
- 2014/12 (11)
- 2014/11 (28)
- 2014/09 (10)
- 2014/06 (7)
- 2014/01 (1)
- 2013/07 (5)
- 2013/05 (14)
- 2013/03 (4)
- 2012/12 (9)
- 2012/11 (5)
- 2012/10 (312)
- 2012/09 (42)
- 2012/08 (95)
- 2012/06 (6)
- 2012/04 (5)
- 2012/03 (11)
- 2012/02 (21)
- 2012/01 (33)
- 2011/12 (7)
- 2011/10 (6)
- 2011/09 (4)
- 2011/08 (5)
- 2011/07 (13)
- 2011/05 (44)
- 2011/04 (125)
- 2011/03 (55)
- 2011/02 (12)
最新コメント
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード