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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

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未亡人の熱い肌。其の一

~ダンスパートナー~
ハマジル
昭和37年(1962年)は、ツイストが大流行した年だった。
私は当時19歳、前年に工業高校を卒業して、新子安にある日○自動車の横浜工場で、
一応真面目に働いていた私も、通称「ザキ」と呼ばれる、横浜伊勢佐木町の
深夜レストラン・バー(ディスコ・バーは未だ無かった)のフロアで、夜毎ロックのリズムに乗って、
ツイストを踊りまくっていた流行先取り若者の中の一人だった。

一月の中旬のある夜、私はその満員のダンスフロアで、21歳のデパートガール、
吉羽留美子(仮名)と知り合った。

彼女は美しかった。そして、奔放なまでに明るい娘だった。さらに、小柄でしなやかな
肢体の彼女は、ハマ・ジル(横浜ジルバ)と呼ばれたジルバが巧かった。
激しいステップを踏み、クルクル回転するたびに翻るスカートから覗く網タイツの太腿や、
締まった下肢は目映いばかり、紅潮した愛らしい顔の汗までが、キラキと輝く宝石に見えた。

私は彼女に一目惚れした。留美子も長身の私の踊り方が気に入ったのか、その夜から、
私達はダンス・パートナーになった。

二月になると、彼女を下宿先まで送るようになり、末頃にはキスも交わす仲に成れた。
こうなれば本物の恋仲、セックス出来る日も近い、と思っていたのだが・・・

3月3日、雛祭りの土曜日だった。昼休みに留美子のデパートに定期便の電話をしたら、
彼女は病欠していた。昨日は元気に会話を交わしたし、風邪程度なら良いが、
と私は何か心配になり、彼女の下宿先を訪ねる気に成った。
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未亡人の熱い肌。其の二

~年上女性のぬくもり~
未亡人の熱い肌04
リンリン、古風なベル音が奥で鳴り、玄関に足音が近づいた。
「どなた?」落ち着いた中年女性の声。
「あ、あのう、音羽留美子さんの友人なんですが、留美子さんが病気と聞いて・・・」
ドアが静かに押し開けられた。

忍野千鶴(仮名)未亡人に間違いない。
小さい丸襟の白いブラウス。喉元できっちりボタンが留まり、重ねた濃紺のカーディガンと
同色の足首までの重そうなロングスカート姿は、如何にも気位高く暮らす、
軍人の未亡人らしい服装だった。

「留美子さんが、病気ですって?」
首をかしげた細面の顔は白く、切れ長の眼や鼻筋は美しく整っていたが、留美子から
聞いた通りの冷ややかな表情は、映画に出て来る大奥の中臈のような熟女である。

「ええ、勤め先のデパートに電話したら、今日はお休みだとか・・・」
「まあ、留美子さんたら、またずる休みしたのね・・・悪い子ねぇ・・・」
「ずる休み・・・」私は驚いた。
未亡人は冷たい表情のまま頷いた。

「彼女は今朝も元気に出勤しました。私にも嘘をついたのですね。
 帰宅したらきつく叱っておきますから・・・」
ドアの取っ手を掴み、忍野未亡人が静かに身を引いて行く。私は狼狽した。

「あっ、あ、すいません、それなら留美子さんは何処に行ったんでしょう?」
「さあ・・・」未亡人の顔が初めて緩んだ。だが其れは冷笑のようだった。
「私には判りませんが、たぶん・・・」
ドアを閉める手をとめて、白い顔が私を見つめる。
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未亡人の熱い肌。其の三

~募る憧憬心~
未亡人の熱い肌07
「人の血は石鹸で洗うのが一番良いのよ、ほら、こんなに落ちたでしょう?」
広げたコートには濡れた染みだけで、血痕ひとつなかった。

「さあ、今度は手を見せて・・・」
「すみません・・・」
私は素直に、痛めた左手を未亡人の手に委ねた。

未亡人は私の指を軽く揉み、私の痛みの反応を窺ってから、
マッチ箱の筒の部分を添え木代わりに包帯を巻いてくれる。
「折れては居ないわね。ちゃんと男らしく闘った証拠ね、相手は何人?」

包帯を巻き終わった未亡人が、私を悪戯ポイ微笑で見つめた。
「三人です」私は苦笑した。
「やっつけたの?」未亡人が首をかしげる。
「二人・・・一人は殴って、もう一人は金タ・・・」
私は慌ててタマの語尾を飲み込んだ。すると、どうしたのか未亡人が吹き出した。

「金タマを蹴ったんでしょ?良いのよ、私の主人も学生時代には良く喧嘩して、
 大勢が相手だったけど金タマ蹴って勝ったって、よく自慢してたのよ・・・」

少し赤らんだ顔を両手で隠し、未亡人は中々笑い止まらなかった。
それが凄くチャーミングで、私は一緒に笑いながら、何か妙に胸を騒がしていた。

「ごめんなさい、はしたない言葉を喋ったりして、でもこんなに笑ったのは久し振り、
 君は楽しそうな人ね・・・」
笑って潤んだ眼が私を見つめた。
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未亡人の熱い肌。其の四

~未亡人の涙~
未亡人の熱い肌10
洋間だった。初めて気が付いたが、開いたガラスの大きな窓外には樹木が生い茂り、
林間のように風通しが良くて、扇風機も要らないほど涼しい。
怪我の手当を受けた隣の茶の間の襖も先日通り開いていて、
空間が広く感じるせいもあった。香りの良い紅茶がテーブルに置かれた。

「あの娘と別れて良かったのよ、君の名前を騙った男性はデパートのお客さんで妻子持ちの
 人でね、そのふしだらが判ってしまって、留美子はデパートを辞めるしかなかったの・・・」

未亡人は私が持参したケーキの包装紙を、しなやかに白い指で外した。
「君のような人と交際していれば、私も大賛成したでしょうに・・・」
箱の蓋が開けられ、甘いケーキの匂いが立ち昇る。

「ふふふ、君と初めて会った晩に、私は少し驚いたわ・・・ほら、あの写真、
 私の主人にそっくりだった・・・」
白い指が指し示したのは、洋間の壁の軍服姿の若い男性の写真。凛々しい顔立ちで、
私には少しも似ていない。

「似ていませんよ」と私は照れた。
「顔ではないわ、雰囲気がそっくりだったのよ、軍人のようなコートを着て、
 背筋を伸ばして緊張した姿が、ね・・・」

未亡人が悪戯っぽい眼を私に向けた。
私の胸が激しく騒ぎ始める。ケーキより甘い脂粉の香りが漂い、
体温まで伝わりそうなほど近くに彼女は立っていた。

「如何したの、そんな怖い顔して・・・」
ケーキを取り出した忍野未亡人が、私の顔を覗いて微笑んだ。
妖艶なまでに美しい表情だった。
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未亡人の熱い肌。其の五

~夫婦ごっこ~
未亡人の熱い肌13
忍野千鶴は不幸な女性だった。
幼い頃からの婚約者、海軍少尉のご主人とやっと結婚出来たのは昭和19年。
千鶴19歳、少尉は24歳。だが新婚生活は僅か2ケ月。内地勤務だった少尉は、
急を告げる戦局に南方戦線へ巡洋艦で出征。そしてそのまま帰らぬ人となった。

その頃、陸軍大尉だった義父も戦死。義母は終戦後3ケ月後に病死。
その後は再婚話も幾つか有ったが、ご主人の面影を忘れ切れずに18年。
殆ど処女妻同然の身で、独り家を守って暮らしていたという。

強い女性だと思う。だが、ある意味では戦後の戦争未亡人の実態でもあった。
未亡人の再婚や、男友達はふしだら、と後ろ指をさされる時代だったのだ。
そのふしだらな未亡人の間男は私だ。

その間男の私は勿論、私に淫火を点けられた千鶴未亡人も、そんな事は論外に、
夢中でお互いの肉体と戯れ合った。

7月29日。その日曜日には東宝映画の「ニッポン無責任時代」の初日を二人で観に行き、
植木等演じる主人公に大笑いし、帰りには当然の様に彼女の家に戻った。

初めて二人で街に出た興奮、満員の観客に揉まれた余韻。
私達はいつも以上に情欲を高揚させていた。

洋間の隣には茶の間の他に、千鶴未亡人の寝室がある。
今はその寝室のベッドが私たちの愛の巣だった。
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未亡人の熱い肌。其の六

~乱れに乱れた夜~
未亡人の熱い肌16
こうして37歳の未亡人と19歳の私は相思相愛の仲となり、
週末ごとの逢瀬を楽しんでいた。千鶴は一旦寝室に入ると、歳の差を忘れ、
「あなた、あなた」と小娘の様に、甘えはしゃいだ。

まず“指技”で無我の境地に昇天させる。暫く戯れの間を取り、
仕上げは得意の寝技で身を震わし失神させるのだ。

このパターンも定着し、私の求めに応じて、あらゆる痴態を演じて見せるようになった。
私の顔の上に跨り、小陰唇のビラビラを両手の指で押し開きオマンコの奥まで見せて呉れる。

千鶴は愛液を滴らせ吸われる事を好む、私は千鶴の股座に顔を埋めて、
溢れる愛液をチュウチュウと音を立てて吸い尽くす。
ねぶり方も一段と向上して、二人で過ごす数時間は熟れ切った女に徹した。

しかし千鶴は私を決して泊めてくれない。平日の訪問も許してくれない。
私の家族や近所の眼を恐れ、其れ以上に私の勤めの怠情を心配しての配慮だ。

セックスには溺れても、やはり元軍人の妻である。仕事まで疎かにしては成らぬとの
実の姉のように気遣う気持ちを忘れてはいなかった。

10月3日。阪神タイガースが15年振りにセリーグ優勝した。
巨人ファンの私は面白くない。やけ酒を飲みたくなって、退社時の夕方、
新子安駅の赤電話で千鶴の家に電話をした。

平日、水曜日だった。私は断られると思っていたが、案に相違して、彼女は簡単に
訪問を許してくれた。ただ、何か声が沈んでいるのが、気がかりだったが・・・
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プロフィール

アヤメ草

Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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