儚く消えた年上の女。其の三
◇恥毛の中の熱い場所
史子は、背を屈めてグラスにストローを差し込み、
「ここ、同伴席ね?初めて入ったわ・・・」小声で言い、上眼使いに周囲を見回す。
その怯えた兎のような白い顔を見て、私は激しい罪悪感に駆られた。慌てて、
「下が満席だったから、でもすぐ出るから・・・」と言い訳がましく囁き返した。
「ううん、良いのよ、平気。何か面白いし、もう少し居ましょうよ・・・」
ストローを口にしたまま、史子が私に眼を走らせて、微笑んだ。
そしてストローを口から放して背を起こし、柔らかなウエーブの髪の毛を撫でつつ、
私を見つめた。
「今日は楽しかったわ、でもごめんね、最後に私、だらしなかったわね・・・」
その囁くような声。優しく笑む眼。私の身体に熱い衝動が湧き上がった。
思わず、「史子さん」と熱い息で名を呼び、私は彼女の肩に左腕を回していた。
史子が悪戯っぽい笑みを浮かべて、
「うふ、私はうんと年の離れたお姉さんなのよ、それでも良いの・・・?」
引き寄せた白い顔が仰向き、潤んで光る眼と、ピンクの唇が微笑む。
綺麗だった。妖しかった。私は史子の頭を抱き締め、
紅を塗り直したその唇に、夢中で吸い付いていた。
柔らかく冷たく感じる唇だった。だが、蠢く舌は甘く温かい。
私は逆らわぬ史子を、いや、それどころか胸の膨らみに手を当てても
拒まぬ彼女と、狂おしいキスを続けた。
乳房を揉むと、史子の息遣いも荒く忙しくなった。
その喘ぎと柔肌の感触に煽られた私は、
彼女のワンピースの裾から差し込んだ片手を、太腿の肌に這わせた。
滑らかなストッキングが付け根で途切れ、温かな柔肌に触れた指先が、
バンティの布地を膨らませた恥部に押し当たる。。
史子は、背を屈めてグラスにストローを差し込み、
「ここ、同伴席ね?初めて入ったわ・・・」小声で言い、上眼使いに周囲を見回す。
その怯えた兎のような白い顔を見て、私は激しい罪悪感に駆られた。慌てて、
「下が満席だったから、でもすぐ出るから・・・」と言い訳がましく囁き返した。
「ううん、良いのよ、平気。何か面白いし、もう少し居ましょうよ・・・」
ストローを口にしたまま、史子が私に眼を走らせて、微笑んだ。
そしてストローを口から放して背を起こし、柔らかなウエーブの髪の毛を撫でつつ、
私を見つめた。
「今日は楽しかったわ、でもごめんね、最後に私、だらしなかったわね・・・」
その囁くような声。優しく笑む眼。私の身体に熱い衝動が湧き上がった。
思わず、「史子さん」と熱い息で名を呼び、私は彼女の肩に左腕を回していた。
史子が悪戯っぽい笑みを浮かべて、
「うふ、私はうんと年の離れたお姉さんなのよ、それでも良いの・・・?」
引き寄せた白い顔が仰向き、潤んで光る眼と、ピンクの唇が微笑む。
綺麗だった。妖しかった。私は史子の頭を抱き締め、
紅を塗り直したその唇に、夢中で吸い付いていた。
柔らかく冷たく感じる唇だった。だが、蠢く舌は甘く温かい。
私は逆らわぬ史子を、いや、それどころか胸の膨らみに手を当てても
拒まぬ彼女と、狂おしいキスを続けた。
乳房を揉むと、史子の息遣いも荒く忙しくなった。
その喘ぎと柔肌の感触に煽られた私は、
彼女のワンピースの裾から差し込んだ片手を、太腿の肌に這わせた。
滑らかなストッキングが付け根で途切れ、温かな柔肌に触れた指先が、
バンティの布地を膨らませた恥部に押し当たる。。
喘いでいた史子が、ハッと息を詰めた。裾に潜った私の腕を掴み、
顔を仰け反らせて、「だめ・・・」と唇を離した。
「キスだけよ・・・いけないわ・・・」
薄闇に、弟を叱る姉のような眼が光っていた。
だが獣になった私は、その姉の眼を無視した。閉じた股間を肘で割り、
恥部の膨らみを指先で押して、割れ目を弄った。
「あっあっ」
と小さな声を漏らした史子が、引いた腰を捩じり、その身体を片手で抱き寄せると、
白い顔が無防備に仰向く。私は彼女の唇を再び奪った。
キスを続けつつ布地の割れ目を弄ると、彼女の股間が緩んできた。
密着した肌も熱くなり、喘ぐ息遣いも激しくなる。
私の指先は緩めたパンティの裾を潜った。
恥毛の茂みの感触に触れた指先が、熱い柔襞の合間に沈む。
クッ、と喉で呻いた史子が腰を引く。
だが、私の指は、濡れた肉の湿潤に埋まっていた。
キスが外れた。その白い喉に口を吸い付かせる。だめ、だめ、と喘ぎつつ、
仰け反る史子の腰が前に迫り出す。指はさらに深く埋まり、
その柔肉の温みの甘美さに、痛いほど怒張しているズボンの内の私のペニスは、
それこそ射精寸前まで痺れていた。
その時、史子が、小さな、でも強い声で、
「駄目よ、こんなことしちゃ嫌・・・」と私の手首を掴んだ。
「お願いよ、こんなことをされたら、もう君と会えなくなる・・・」
その言葉に、私の狂気が萎えた。
股間の手を抜いた。ふう、と吐息を漏らした史子が、ワンピースの裾を直して、
私の胸に顔を埋めてきた。喘ぎを静める為か、頬を強く私の胸板に擦り付けて、
私の右手を二度三度と軽く叩いた。
「もう、いけない手なんだから!」そう言って上げた顔は笑っていた。
「もっとお付き合いを深めてから、
こう言う事はするもんでしょ?まだ早過ぎるわよ!」
めっ、と睨む仕草の眼も笑っている。
私はその眼が好きだった。その眼の笑みに恋をしたのだ。
ごめんなさい、と謝った。肩に回していた手も引いた。
同伴席は値段が倍。二人分の飲み物代、三百二十円をレジに支払って
外に出た私は、どこかしょんぼりしていたのだろう。
有楽町から日暮里駅まで送る、と望んだ私を、史子は拒まなかった。
だが国電車内での史子との会話は少なく、
私のシャボン玉ホリデーは、弾けて消えてしまった。
私は部長と同じ様に、嫌われたのだ。初デートでイヤらしいことをした男。
これで恋ともお別れか、と悲痛な覚悟もした。
ところが、日暮里駅で別れる際に、
「来週の月曜日、同じ時間に森永ビルの前に来てくれる?
今度は私が奢ってあげるから・・・」と小さな声で囁いて、
じゃあね、と大きく手を振って改札口を走り出たのである。
その軽快な後ろ姿に、私は胸を熱くした。
二段飛びに階段を駆け上がり、通路で両手を頭上に掲げて、
ウォーと吠えた。私の恋は、まだ終っていなかったのだ。
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プロフィール
Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。
私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。
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