儚く消えた年上の女。其の五
◇最高のセックス
私はこういう手順に慣れていない。いつも簡単にセックスできる女性しか
知らない若造なのだ。微笑みながら襖を開けて、行灯明かりが枕元にある
夜具に静かに潜り込む史子の姿を、私はぼんやりと見つめていた。
その私に史子が無言のまま微笑み、くるりと身を捻って、背を向けた。
それが私の呪縛を解くきっかけになった。私は恐る恐る夜具に潜り込んだ。
すると彼女が身体ごと振り向き、肌を重ねた私の首に両手を回してくる。
「幸ちゃんよりお姉さんなのに、私余り知らないの、教えてね・・・」
囁く声が震え、恥かしそうに細められた眼の縁も、その頬も早くも紅色に
染まっていて、睫毛や唇も慄いている。何か感動した私は、
「俺もあんまり知らないけど、乱暴にはしないから・・・」と囁き返した。
うん、と史子が頷き眼を閉じる。その唇を塞いだ。
史子は顔を反らせ、喘ぎながら、私の首にしがみつく。
夜具の上だ。互いの熱い肌とも密着している。
同伴喫茶の時よりも激しく、そして狂おしいキスになるのは当然だった。
白い顔を真っ赤にして、史子は激しい息漏らしつつ舌をうねらせ、身悶える。
その間に私は彼女の帯を解き、浴衣の前を大きく開いて、
淡い藤色シャーベット・カラーの、ブラジャーやパンティを脱がせた。
艶々と滑らかで、きれいな肌だった。乳房の膨らみは大きくはないが、
尖った乳首が小さくて可憐だ。範囲が狭い恥毛の茂みも、
私が経験したどの女性より繊細で、覗いている赤い秘烈も初々しい。
乳首を口に吸って、恥部に手を埋めた。
あっあっ、と小さな声を漏らし、史子が私の首や髪の毛を撫で回し、
力を緩めた股間を大きく波打たせた。恥唇は濡れそぼって、
吸い込まれるように柔肉に沈んだ私の指は、深く史子の胎内に進んだ。
ああっ、と顔を反らせた史子の肌が、燃える様に熱くなる。
それ以上に熱いのが膣の奥だった。襞がざわついていた。
それを指の腹で擦ると、史子の肌に震えが沸き、腰が浮き上がってくる。
股も開いた。そして弄る膣道が甘美な収縮を始めた。
私はこういう手順に慣れていない。いつも簡単にセックスできる女性しか
知らない若造なのだ。微笑みながら襖を開けて、行灯明かりが枕元にある
夜具に静かに潜り込む史子の姿を、私はぼんやりと見つめていた。
その私に史子が無言のまま微笑み、くるりと身を捻って、背を向けた。
それが私の呪縛を解くきっかけになった。私は恐る恐る夜具に潜り込んだ。
すると彼女が身体ごと振り向き、肌を重ねた私の首に両手を回してくる。
「幸ちゃんよりお姉さんなのに、私余り知らないの、教えてね・・・」
囁く声が震え、恥かしそうに細められた眼の縁も、その頬も早くも紅色に
染まっていて、睫毛や唇も慄いている。何か感動した私は、
「俺もあんまり知らないけど、乱暴にはしないから・・・」と囁き返した。
うん、と史子が頷き眼を閉じる。その唇を塞いだ。
史子は顔を反らせ、喘ぎながら、私の首にしがみつく。
夜具の上だ。互いの熱い肌とも密着している。
同伴喫茶の時よりも激しく、そして狂おしいキスになるのは当然だった。
白い顔を真っ赤にして、史子は激しい息漏らしつつ舌をうねらせ、身悶える。
その間に私は彼女の帯を解き、浴衣の前を大きく開いて、
淡い藤色シャーベット・カラーの、ブラジャーやパンティを脱がせた。
艶々と滑らかで、きれいな肌だった。乳房の膨らみは大きくはないが、
尖った乳首が小さくて可憐だ。範囲が狭い恥毛の茂みも、
私が経験したどの女性より繊細で、覗いている赤い秘烈も初々しい。
乳首を口に吸って、恥部に手を埋めた。
あっあっ、と小さな声を漏らし、史子が私の首や髪の毛を撫で回し、
力を緩めた股間を大きく波打たせた。恥唇は濡れそぼって、
吸い込まれるように柔肉に沈んだ私の指は、深く史子の胎内に進んだ。
ああっ、と顔を反らせた史子の肌が、燃える様に熱くなる。
それ以上に熱いのが膣の奥だった。襞がざわついていた。
それを指の腹で擦ると、史子の肌に震えが沸き、腰が浮き上がってくる。
股も開いた。そして弄る膣道が甘美な収縮を始めた。
私はその甘美な柔襞を擦り続ける。
「ああ、だめっ、だめ・・・」
悲鳴のような声を放った史子が、私の首にしがみついた。
片手で抱いた肌や腰が大きくうねり、その波の頂点で硬直した。
口を押し当てると彼女の喉が、くくくっ、と唸るのが聞こえた。
その直後に、その裸身全体に鋭い痙攣が走り抜けた。
怒張した亀頭を史子の股間に当てた。
弛緩して震え続けていた彼女の肌が、ハッと強ばり、
シーッに投げ出されていた両手が胸肌に戻って、
自らの乳房を包んだ。私はその女体に沈んでいく。
狭い恥唇も、柔らかく濡れた膣も、燃えるように熱かった。
「あっあっ、幸ちゃん!」泣き声で叫んだ史子が、
私が埋まる股間を中心に弓なりに仰け反った。
「好きよ、ああ幸ちゃん!」
私は呻き返した。
「俺も史ちゃんが好きだ・・・」
もうそれ以上の言葉は出ない。彼女の肉体はあまりにも快美過ぎた。
姉弟のように心が結ばれた史子とのセックス。これ以上のセックスはない。
私は爆発の予感が漂う男根を励まし、頭の中を真っ白にして、史子を責め立てた。
その夜から約三ヶ月、私と史子の愉悦の日々が続いた。
デートも夜だけではない。ずる休みした日曜日に、二人で信州に旅したこともある。
伊豆の石廊崎に一泊し、彼女が会社を無断欠勤したこともある。
しかし、早春二月の末頃だった。
事前に私に何の予告も無く、彼女は突然会社を結婚を理由に退社したのである。
それを知らず、連絡のない史子の身を心配して、勇を奮って会社を訪ねたら、
同僚女性がにこにこ笑い、彼女には婚約者が居たから、ねーーー。
絶望した私は自棄糞になった。勤め先も辞め、暫く自堕落な生活を続けたのだ。
夏。一通の暑中見舞いの葉書が家に配達された。
○○史子、と別姓が記された印刷葉書を、私は引き裂いた。
普通じゃない女、私と婚約者に二股掛けた淫らな女。
私の憤懣を表すには、破くしかなかった。
しかし、あれから五十年。破いた葉書の事を、今の私は後悔している。
何故あのときに、葉書の住所を頼りに、心から愛した史子を奪い返しに
行かなかったのか。もしかしたら史子もそれを待ってたかも知れないではないか、と。
END
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プロフィール
Author:アヤメ草
FC2ブログへようこそ!管理人の
アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。
私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。
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