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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

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花の銀座で芽生えた恋。其の五

◇女体を知った夜
銀恋5-1
夏が来て八月の末、私と典子は互いの店で同日の、
二日間の休暇を取る事が出来た。むろん彼女の婚約者は知らない。
今考えれば、私も典子にも、ふしだらで破廉恥な、一種の不倫旅行だった。
しかし、世間知らずの若い私はともかく、典子はそんな旅先でも年上らしく大胆で、
しかも屈託が無かった。

信越線の横川駅で下車し、昼食に名物の釜飯弁当を食べる間も、
横川の町を歩く時も、まるで夫婦のように振る舞っていた。
町外れにある信越線の小さなガードトンネルを潜り、
眼下に流れる渓流沿いに山道を緩やかに登って行く。
腕を組んだ典子は楽しそうだった。

車一台がやっとの狭い山道は、奥多摩以上に鳥の鳴き声も野趣に満ちて、
そして空気も盛夏とは思えぬほど清涼だった。
行き会う人影もなく、私達は愉しく喋りながら、のんびりと歩いた。

四キロ一里。約三里の道程だった。しかし夏とはいえ、山奥の日暮れは早い。
渓流が細くなり、その急流を見せ始めた水車小屋の橋を渡って、
木造の宿の玄関先に辿り着いた辺りで、すでに霞のような薄闇がせまっていた。

 
銀恋5-2
「凄い・・・」典子が急に息を詰めた。空を見上げている。
「こんな星空、見た事がない・・・」
まだ淡さが残る群青色の空には、無数一面の星々が輝いていた。
「そうなんだ、こんな星をノンちゃんに見せて上げたかったんだ」
典子が私に静かにすがりついた。

私は仰向くその唇に口を落とした。すすり泣く様な鼻息を漏らして、
典子が強く舌を送り込んでくる。宿の玄関先である事も忘れて、
私達は濃厚なキスを続けた。
もしかしたら、その光景を宿の人に見られたのか、
予約もしない私達が通された部屋は、山裾に細長く続く宿の一番奥、
渡り廊下を渡る棟続きの離れ部屋だった。

「新婚さんと思われたのかなあ?」
黄ばんだ古壁や、廊下を隔てる障子を眺め廻しながら、典子が笑った。
「この宿には山男や老人の湯治客が多いから、
 典子のアノ声を聞かされたら、少々ヤバイと思われたんだよ!」

「馬鹿・・・」と、典子が座っている私にぶつかって来た。
抱きとめて、くるりと体を回して、私は典子を畳に押し倒した。
銀恋5-3
またもやキス。今度は欲情がモロに篭もっていた。
キスに応える典子も積極的で、その口臭も興奮に生臭くなっていた。

その時、廊下を軋ませる、宿帳を持参する宿の人の足音が聞こえなかったら、
私と典子は交わっていたろう。
昔風の帳面に私は本名を記し、妻典子と書き添えた。
その文字を覗き込んだ彼女が、フフと小さく笑った。

宿泊代は、当時としても破格に安い、四百円だったと記憶している。

夕食の前に、私達は別棟の風呂に別々に入った。
戻ってきた時には、二人とも粗末ながら、洗い立ての浴衣姿。
向かい合っての夕食の後、二組の布団をセルフサービスで敷く典子の姿を
見つめている内に、私の欲情は急激に高まった。

私は典子に抱きついた。
布団の上に押し倒し、私は彼女の浴衣の襟元を肌蹴た。背中に手を回して、
清楚なブラジャーのフックを解く。典子は私の私の為す事に逆らわず、
ポロリと乳房が顔を出した。

私は初めて典子の乳房を目にした。
電球の元である。お椀型に円く盛り上がった真っ白な膨らみは妖艶で、
私の目はその鮮烈さに射抜かれていた。

私は乳房の吸い付くような柔肌を揉み、夢中で赤い乳首に吸い付いた。
典子が呼吸を乱して、ハッハッと喘ぎ、私の頭を優しく掻き毟る。
私は典子の帯を解き、大きく前を広げた。
その露になった素肌も私は初めて見るのである。

興奮したように、激しく波立ち悶える白い裸身。
パンティは白い綿だった。それをむしり取った。
黒々とした陰毛、膨らんで割れ目を覗かせる恥丘。真っ白で艶やかな太腿。
それらを直に、間近に見るのも初めてだった。
「ノンちゃん、すごくきれいだ・・・」私は典子の股間に顔を埋めた。
銀恋5-4
股間からは、女の濃密な芳香が立ち昇っていた。
その恥肉は赤く、内部の幾重もの肉襞は桃色だった。
その肉襞には露が溜まり、電球の光りを集めて輝いている。

私は肉襞に舌を押し付けた。広げて押さえている典子の太腿が、
強い力で撥ね震えた。私は構わず彼女の恥部を舐め続けた。

典子の肌の震えが全体に広がり、
「だめ、そんなこと、だめよう・・・」と、うわ言のような泣き声を漏らしつつ、
断続的に小さな悲鳴を放ち始めた。

こんな淫靡な愛撫を、女体に施したのも初めてだった。柔らかな肌が強ばる。
切迫した激しい喘ぎと息遣い。その苦悶が女体の愉悦だった。
私は心を沸き立たせ、典子の肉襞を舐め続けた。

典子の股間が狂おしく波打った。
「あっ、うっ!」と息を詰めて、典子が私の頭を掴んだ。
私はパンッを脱ぎ捨てて、陰毛に顎を擦り当てながらずり上げる。

ペニスが典子の肉襞に埋まった。
そして、温かく柔らかな女体の奥へと進んでいく。
肉穴は狭かった。私のペニスは一瞬の甘美な痒痛を味わい、
ヌメヌメと続く典子の膣道深くに、きっちりと納まった。

典子が苦痛に耐える表情で、私の首に両手を巻き付けた。
私もしっかり彼女を抱き締める。肌が密着している。
典子の乳房が溶け、私もその熱い彼女の胎内で蕩けていた。

私の快感が弾けた時、典子は激しく肌を痙攣させて、私にしがみついた。
その時、結合して抱き合う私たち二人は、紛れもない陶酔の極地に達していた。

女体を知る事で、男が男になれると言うなら、この夜、私は初めて男になれた。
その夜の明け方まで、私達は殆ど一睡もしないで、愛を交歓し続けていたのである。
お陰で私は、今でも典子の全裸を、その秘部の細部までを、克明に思い出せるのだ。

そして思う。もしかしたら典子は、私に処女を与えて呉れたのでは、と・・・。
いずれにしても典子は理性の勝った女性だった。翌日の帰途中の山道で、
愛情に満ちた優しく濃厚なキスを終えて、確か典子はこう言った。
「嬉しかった、忘れないわ、この後は二人とも、いつまでも上を向いて歩こうね・・・」

翌年、昭和三十八年、
その坂本九の「上を向いて歩こう」の曲が全米一位になった六月、典子は結婚した。
しかし、以後の私は上を向いて歩けなかった。勤めを辞めた数年間、
今の妻と巡り会うまで、私は喧嘩三昧の荒淫な男になってしまったからだ。
END
  1. 銀座の恋の物語
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プロフィール

アヤメ草

Author:アヤメ草
FC2ブログへようこそ!管理人の
アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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