PV UU 現在の閲覧者数: /にほんブログ村 小説ブログ ロマンス小説へ
2ntブログ

異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

  1. スポンサー広告
  2. [ edit ]

私の妻由紀と義母との関係。其の一

◇ おさげ髪の少女◇
丘の上の墓地
昭和三十四年四月十日。私はこの日を忘れる事が出来ません。
皇太子(現平成天皇)ご成婚の日でした。
前年の婚約発表以来起こったミッチーブームも、この日はまさに最高潮に達し、
日本国中が喜びに沸きかえっていました。
しかし、私はそんな騒ぎをよそに、一人静かに小高い山の中腹にある我が家の
墓前に掌をあわせていました。

その日は、私を幼い頃から親代わりに成って育ててくれた祖母の三回目の命日でした。
私が中学を卒業するのを期に、祖母は私を東京の実父母の元に行けと言ったのです。
六十を過ぎた祖母を一人残して実父母の所へなど行きたくない、と始めの内は反抗して
居ましたが。祖母は、私と隣家の未亡人の只ならぬ関係を知っていたのです。
「此の侭じゃ、二人ともダメになるぞ。オマエはもっと勉強して偉く成らなきゃダメだ。
 美登里さんだって、再婚して幸せになれるチャンスは幾らでもあるんだから」
と、懇々と説き伏せられて、私は泣く泣く故郷を後にしたのでした。

そして五年目に祖母は六十七歳で胃癌に犯されて亡くなりました。
死ぬ一年前に東京の病院に転院させ、私達家族に看取られて亡くなったのですが、
納骨は「祖父と一緒に」と言う祖母の願いで、ここ群馬の田舎の墓地に葬ったのです。

母は体調を壊し臥せていて墓参りには来れませんでした。
頭上には一本の山桜の木が花をつけ、墓にやさしい影を落としていました。
今思うと、昔の方が桜の開花は遅かったようです。というより、地球の温暖化とかの
影響で、今の方が早くなったと言った方がいいのかもしれません。

と、その時、ふいに背後から声を掛けられました。
「あのォ・・・」
「えっ・・・?」
振り返ると、セーラー服に身を包んだ、おさげ髪の可愛い少女が立っています。
手には墓前に供える花を抱えて・・・。

 
セーラー服の女子高生
「お兄ちゃん、英雄お兄ちゃんでしょう」
どこかで見覚えのある、色の白い少女でした。それが、やや俯き加減にして、
それでいて興奮気味に頬を上気させています。
「君は・・・?」
「やだー。忘れちゃったのー、由紀だよー」
「ええー、由紀ちゃん・・・?」
私はスカートからスラリと延びた足に、眩しさを覚えました。

「あの、私も拝ませてもらっていいですか?」
少女が言ったので、私は慌てて場所を譲ると、少女はスカートで微風を起こして
墓前にしゃがみ、花を供えて両手を合わせます。
眉毛が長く、整ったその横顔を、私はただ見下ろしていました。

七年のブランクは由紀を少女から女へと確実に変えていました。
私の後をつきまとい、妹のようになついていた由紀が美しい女になって
私の前に再び現れたのです。

「今日がお祖母ちゃんの命日だと良く知ってたね」
「うん、暦に印をつけといたからね、
 今日此処へ来ればお兄ちゃんに会えると思ってたよ」
「確かお母さんは再婚したって聞いたけど・・・」
「うん、今は子供もいるよ。年の離れた弟と妹が・・・
 私はいま東京の父方の祖父母の処で暮らしているのよ。
 何となく今のお義父さんに馴染めなくてね・・・」
「東京に居るのなら、良かったら、これからも会おうよ。
 日吉と言う所でアパート暮らしだから、遠慮しないで訪ねて来たらいい」
「私なんかが訪ねて行ってもいいの、彼女が居るんじゃないの?」
「今は居ないよ、都会の女は如何しても好きに成れなくてね」

幸い、大学生に成ってからの私は「通学に時間が掛かるから」と両親の元を離れ
大学の近くでアパート暮らしをしていました。それ以来同じ私鉄沿線に住んでいた
彼女もちょくちょく訪ねてくるようになったのです。
義母と妻の関係21
私はそのうち、由紀に強く惹かれるようになっていました。
おそらく最初は子供の頃の延長で、妹のように接して居た筈なのですが、
笑うと向かって右の口からのぞく八重歯の可愛さや、その一挙手一投足にフッと
垣間見える、七年前の美登里さんを見るように成っていたのです。

そして或る日、彼女が泊まっていくと言い出しました。
「いいでしょ?」
「そりゃあ・・・家の人には何と言ってきたの?」
「お友達の家に泊まりに行くからって言ってきたわよ」
「お友達には違いないけど・・・」
「ねえ、お風呂屋さんに行こう。好きな人と腕を組んでお風呂屋に行くのが
 あたしの夢だったんだ・・・」

二人は連れだって線路際を歩き近くの銭湯に行きました。
普段使っている洗面道具は由紀に渡し、私はタオルだけを肩に掛けて男湯に入り、
番台で石鹸とシャンプーを買い求めた、余計な出費でした。

アパートに戻り、寝間着は私のワイシャツを貸してやりました。
由紀は私の背中で着替え、先に布団に潜り込みました。
「あっ、そこはオレが寝るんだぞ」
「いいじゃない、一緒に寝たら・・・」

布団は一組しかありませんでしたから、少し躊躇った後、
私は思いきって由紀の隣りに滑り込みました。湯上り直後の石鹸の臭いが漂ってきました。
「穴が三つ有る・・・」
彼女がポッリと言いました。天井の節穴のことでした。
しばらく、私たちは黙ったまま天井を見上げていました。

どれくらいそうしていたでしょうか。何気なく手を動かしたら由紀の手に当たり、
そうしたら、由紀がギュッと握り締めてきたのです。その瞬間、もう息苦しくなるほど
抑えに抑えていた私の感情がプッ!と切れました。

「ゆ、由紀ちゃん!」
私は彼女にのしかかり抱きしめ、唇を押し付けて居りました。
「ううっ、だめっ・・・」
由紀は一応は私を押し退け拒む素振りをみせました。が、それはほんの僅かなことで、
すぐに抵抗をするのをやめ、両手をダランとさせます。
  1. 義母と妻の関係
  2. / trackback:0
  3. / comment:0
  4. [ edit ]


comment


 管理者にだけ表示を許可する
 

trackback


プロフィール

アヤメ草

Author:アヤメ草
FC2ブログへようこそ!管理人の
アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

カレンダー

04 | 2024/05 | 06
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

フリーエリア

検索フォーム

Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

« 2024 05  »
Su Mo Tu We Th Fr Sa
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -


.