高度成長時代の最中に。其の四
神流川砕石場での出会い。
◇膝がゆるんで◇
バブルの走りの時代で、右肩上がりの高度成長の真っ最中だった。
遊ぶ金の心配などするものは居なかった。
明日は明日の風が確かに吹いていた時代だった。
其れまでの私は妻以外は、会社の年上の事務員と浮気をしてモーテル通いを
していたが、小夜子や豊子叔母の様な激しく淫らな性交の経験は無かった。
事務員との性交はほんの初心者のものだった事を思い知ったのだった。
女との性交の奥の深さと、快楽の入口を垣間見た心境だった。
娘と息子がいると、さすがに叔母は離れに来るのが憚れたらしく、
そんな素振りも見せなかった。叔父はそれを見透かしたように町に誘った。
正月気分の抜けない現場は、機械の整備や、だめ周りの仕事ばかりだったので、
叔父の誘いで翌日も町に行った。
『またあの女んとこい泊るんかい?』
こっそりと叔母が言った。
「叔父さんにも付き合っとかなくつちゃ。義理でしょうがねえんさ」
まだ、叔母は私と小夜子のことは疑っては居ないようだった。
砕石権利金が入って、叔父の羽振りは良かった、小夜子の家も洋風に改造し、
ストーブを燃やして居れば、部屋の中は裸で居ても寒い事は無かった。
二晩目は町の飲み屋に行かず、小夜子の家で酒を飲み、
裸同然の格好の三人は互いの身体を淫らに触り合って、ムードを作った。
今から考えれば幼稚な事だった。三人ともスワップだのオージーパーティーだの
には無知だったので、何となくぎくしゃくしたものがあったが、
私にとっては若さに任せて新しい経験はもっけの幸いで、
年上の二人の間で気楽な遊びとして割り切っていたと思う。
叔父は当時六十歳くらいだったから、小夜子の欲望について行けなかったのだろう。
私は叔父の当て馬としての立場を承知して、少し控えめな態度を取りながら、
することは遠慮なくしたい放題だった。
よくよく考えて見ると、叔父は私と小夜子の性交を見て勃起したらしく、
決して彼から先に小夜子を抱いた事は無かった。その夜も、洋間の厚い絨毯の上で
私と小夜子が嵌り合い、昨夜の遠慮をなくして淫らに愛撫し合った。
69が叔父が見物していて一番効き目があったようだ。
彼はぐったりした魔羅を扱きながら、
「小夜子、気持ちがいいか、オマンコがきもちがいいだんべえ」
等とひっきりなしに声を掛けた。私には邪魔な存在だったが、反面、
老いというものに憐れみも感じていた。
人に見られながら性交することの変態的な快感すら覚えてしまった。
彼の勃起の具合を見ながら、適当に交代してやるのは億劫だったが、
仕方の無いことだった。
正月明けに子供達が東京の下宿に帰ると、叔母の夜の訪問が始った。
叔母は五十歳に成ったが、ますます若くなり同じ様なパターンで性交を繰り返し、
よくも飽きなかったと感心する。
しかし良く見れば、始めの何ヶ月とは自然に変わって来ていて、
ガツガツと私の男を求めるのでは無く男女の愛の籠もった交わりに成っていた。
その間にも町の愛人宅に叔父のお供をして、
小夜子と少し変態的な性交を続けていた。小夜子は男を二人並べて魔羅を吸ったり、
まだ話題にも成らなかったアナルセックスを試してみたがったりした。
叔父を下敷きにして膣に挿入した尻の穴に、
まだ元気の良かった私の魔羅を嵌めさせようとした。何度も失敗したあげくに、
前後の穴を二人の男に嵌められて、小夜子は快感に狂った。
そんな頃、叔父は豊子に違う男を掛けて見ないかと持ちかけて来た。
彼は私と叔母の所謂3Pをしても勃起するか自信がなく、
見物にまわつもりだったらしい。
「誰か、いきの良い奴はいねえけえ」
叔父は涎をたらさんばかりにして、この計画を進めたがっていた。
彼の希望に添える男が一人だけいた。
ゼネコンの現場次長をしている高根という私と同じ歳の男だった。
単身で会社の半場に寝泊りしていた高根は、私を連れにしては町に飲みに行き、
飲み屋の馴染みの女と、当時のモーテルで性欲を満たしていた。
そんなな時、私は一人で叔母の家に帰ったものだ。
「ふさわしい男がいるよ」
と高根の事を言うと、
「おい、何とかして豊子と掛けてみねぇか」
乗り気だったが、高根はいいとしても叔母がどんな態度に出るか、
成功の見通しは無かった。高根は私の部屋に終始出入りしていて、
叔母とは親しい口をきく間柄だった。
高根にその事をずばり言うと、言下にそんなことは出来ないと拒絶されてしまった。
「施主さんの奥さんとそんな事に成れば、
おれは即刻クビだよ。あんたがすれば良いだろう」
「叔母は血縁関係だよ、無理無理、やっぱり高根でなきゃあ。
ばれたって叔父は俺が何とかするから、心配ねえよ」
長い出張生活で女には飢えていたし、私同様新しい体験には積極的だった高根は、
何日か口説いて、しぶしぶ納得した。
その晩、高根と私で飲んでいると、叔母は即席のつまみを持参して、
勧めるままに一緒に飲み始めた。
「なあ、おばちゃん。こいつが、一度でいいから、おばちゃんの様な
熟年豊満女性としてみてえって言ってるで」
私は取り持ちを始めた。
始めはそんな馬鹿な、こんなおばあさんと、などと言っていたが、
そう悪い気はしていないのが判った。
『ねぇ、高根さん、元太郎の言う事は嘘なんでしょう?
まさか、あたしがあんたみたいな人に相手されるはずないよねえ』
叔母が言うと高根は直ぐに、
「いや、本当です。ボクは奥さんの様な人がタイプなんですよ」
「ほれみろ、なっ、おばちゃん、高根に遣らせてやってよ。
こいつはずうっと童貞なんだで」
『元、馬鹿だねぇ。そんなこと言って、あたしゃ怒るよ』
「奥さん、怒らないでください。ボクは本心を言ったまでで、気に障ったら謝ります」
『いいのよ。あなたは。ふざけた事を言う元太郎が悪いんですよ。
さあ、こんな話やめにして飲みましょう』
何かつまみでも持って来よう、と言って叔母は母屋へ立って行った。
また返って来ると言外に言ったも同然だった。
◇膝がゆるんで◇
バブルの走りの時代で、右肩上がりの高度成長の真っ最中だった。
遊ぶ金の心配などするものは居なかった。
明日は明日の風が確かに吹いていた時代だった。
其れまでの私は妻以外は、会社の年上の事務員と浮気をしてモーテル通いを
していたが、小夜子や豊子叔母の様な激しく淫らな性交の経験は無かった。
事務員との性交はほんの初心者のものだった事を思い知ったのだった。
女との性交の奥の深さと、快楽の入口を垣間見た心境だった。
娘と息子がいると、さすがに叔母は離れに来るのが憚れたらしく、
そんな素振りも見せなかった。叔父はそれを見透かしたように町に誘った。
正月気分の抜けない現場は、機械の整備や、だめ周りの仕事ばかりだったので、
叔父の誘いで翌日も町に行った。
『またあの女んとこい泊るんかい?』
こっそりと叔母が言った。
「叔父さんにも付き合っとかなくつちゃ。義理でしょうがねえんさ」
まだ、叔母は私と小夜子のことは疑っては居ないようだった。
砕石権利金が入って、叔父の羽振りは良かった、小夜子の家も洋風に改造し、
ストーブを燃やして居れば、部屋の中は裸で居ても寒い事は無かった。
二晩目は町の飲み屋に行かず、小夜子の家で酒を飲み、
裸同然の格好の三人は互いの身体を淫らに触り合って、ムードを作った。
今から考えれば幼稚な事だった。三人ともスワップだのオージーパーティーだの
には無知だったので、何となくぎくしゃくしたものがあったが、
私にとっては若さに任せて新しい経験はもっけの幸いで、
年上の二人の間で気楽な遊びとして割り切っていたと思う。
叔父は当時六十歳くらいだったから、小夜子の欲望について行けなかったのだろう。
私は叔父の当て馬としての立場を承知して、少し控えめな態度を取りながら、
することは遠慮なくしたい放題だった。
よくよく考えて見ると、叔父は私と小夜子の性交を見て勃起したらしく、
決して彼から先に小夜子を抱いた事は無かった。その夜も、洋間の厚い絨毯の上で
私と小夜子が嵌り合い、昨夜の遠慮をなくして淫らに愛撫し合った。
69が叔父が見物していて一番効き目があったようだ。
彼はぐったりした魔羅を扱きながら、
「小夜子、気持ちがいいか、オマンコがきもちがいいだんべえ」
等とひっきりなしに声を掛けた。私には邪魔な存在だったが、反面、
老いというものに憐れみも感じていた。
人に見られながら性交することの変態的な快感すら覚えてしまった。
彼の勃起の具合を見ながら、適当に交代してやるのは億劫だったが、
仕方の無いことだった。
正月明けに子供達が東京の下宿に帰ると、叔母の夜の訪問が始った。
叔母は五十歳に成ったが、ますます若くなり同じ様なパターンで性交を繰り返し、
よくも飽きなかったと感心する。
しかし良く見れば、始めの何ヶ月とは自然に変わって来ていて、
ガツガツと私の男を求めるのでは無く男女の愛の籠もった交わりに成っていた。
その間にも町の愛人宅に叔父のお供をして、
小夜子と少し変態的な性交を続けていた。小夜子は男を二人並べて魔羅を吸ったり、
まだ話題にも成らなかったアナルセックスを試してみたがったりした。
叔父を下敷きにして膣に挿入した尻の穴に、
まだ元気の良かった私の魔羅を嵌めさせようとした。何度も失敗したあげくに、
前後の穴を二人の男に嵌められて、小夜子は快感に狂った。
そんな頃、叔父は豊子に違う男を掛けて見ないかと持ちかけて来た。
彼は私と叔母の所謂3Pをしても勃起するか自信がなく、
見物にまわつもりだったらしい。
「誰か、いきの良い奴はいねえけえ」
叔父は涎をたらさんばかりにして、この計画を進めたがっていた。
彼の希望に添える男が一人だけいた。
ゼネコンの現場次長をしている高根という私と同じ歳の男だった。
単身で会社の半場に寝泊りしていた高根は、私を連れにしては町に飲みに行き、
飲み屋の馴染みの女と、当時のモーテルで性欲を満たしていた。
そんなな時、私は一人で叔母の家に帰ったものだ。
「ふさわしい男がいるよ」
と高根の事を言うと、
「おい、何とかして豊子と掛けてみねぇか」
乗り気だったが、高根はいいとしても叔母がどんな態度に出るか、
成功の見通しは無かった。高根は私の部屋に終始出入りしていて、
叔母とは親しい口をきく間柄だった。
高根にその事をずばり言うと、言下にそんなことは出来ないと拒絶されてしまった。
「施主さんの奥さんとそんな事に成れば、
おれは即刻クビだよ。あんたがすれば良いだろう」
「叔母は血縁関係だよ、無理無理、やっぱり高根でなきゃあ。
ばれたって叔父は俺が何とかするから、心配ねえよ」
長い出張生活で女には飢えていたし、私同様新しい体験には積極的だった高根は、
何日か口説いて、しぶしぶ納得した。
その晩、高根と私で飲んでいると、叔母は即席のつまみを持参して、
勧めるままに一緒に飲み始めた。
「なあ、おばちゃん。こいつが、一度でいいから、おばちゃんの様な
熟年豊満女性としてみてえって言ってるで」
私は取り持ちを始めた。
始めはそんな馬鹿な、こんなおばあさんと、などと言っていたが、
そう悪い気はしていないのが判った。
『ねぇ、高根さん、元太郎の言う事は嘘なんでしょう?
まさか、あたしがあんたみたいな人に相手されるはずないよねえ』
叔母が言うと高根は直ぐに、
「いや、本当です。ボクは奥さんの様な人がタイプなんですよ」
「ほれみろ、なっ、おばちゃん、高根に遣らせてやってよ。
こいつはずうっと童貞なんだで」
『元、馬鹿だねぇ。そんなこと言って、あたしゃ怒るよ』
「奥さん、怒らないでください。ボクは本心を言ったまでで、気に障ったら謝ります」
『いいのよ。あなたは。ふざけた事を言う元太郎が悪いんですよ。
さあ、こんな話やめにして飲みましょう』
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プロフィール
Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。
私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。
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