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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

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マゾ女の誘惑。其の三

◇殺人への挑発
中出し33
私が先に湯から上がってベッドに入り、あとからバスルームを出てる女はきっと
素肌の上にバスタオルを巻いただけの格好だろうと予想していたのに、
何故かもとのスリップ姿になっていた。

そして、こう言いった。
「あなた、私を強姦してちょうだいよ」
「えっ・・・?」
いきなりのことで、私には意味がよく飲み込めなかった。

女はベッドの端に腰をかけ、足を組みながら悠然とタバコをすい始めた。
これは、一体どう言う事なのか?ベッドの中での甘い抱擁を期待していた私の
頭は激しく混乱してきた。強姦などという行為がセックスのプレイに成る等と言うことは、
若い頃の私の知識にも感覚にもまったく無いことで、この女はもしかしたら病気か変態
か何かだろうかと、思ってしまった。

まあ、変態の一種なのだろうが、今の時代からすれば特別奇抜なプレイでも
無いのかも知れないが、時代が時代だし、しかも童貞で女性経験もない
私にとってはもう、思いも寄らないことであった。

それに、こんなにも綺麗で洗練された女の中にそういう歪んだ欲望が
渦巻いて居るなんて、考えたくも無かった。あくまでも甘く優しいセックスこそ
この年上の女に相応しい、と。そしてそういうセックスが出来るように成る事こそが、
自分が一人前の男になることだ、というのが当時の私が思い描いていたセックスだった。

ベッドの中で呆然としている私に対して女は、
「だから私は、あばずれだって言ったでしょう」
「そんなこと、ないです」
「いいえ、私は普通のセックスじゃ物足りないの。地獄に堕ちるようなセックスがしたいのよ」
「どうして、そんなふうに考えるんですか。貴女みたいに綺麗な人が・・・」
「綺麗なものですか。私もう三十二よ。十八、十九の頃に比べたら、
 ちっとも綺麗じゃないわ。それに、これから益々みっともないおばさんに成ってゆくのよ。
 わたしくらいの年齢の女に成るとねえ、綺麗だって言われて
 喜んでいられるほどのん気じゃないのよ」
 
m11
なるほど、私なりにこの美しい女の悲しみのようなものが、少し分かったような気がした。
しかしだからと言って、どうしてそんな変態プレイに走らなければならないのか。

「でも世の中のほとんどの女の人は、綺麗だって言われたがっているんじゃないですか?」
「そうね。綺麗でもない女が、綺麗だって言われると、綺麗に成れた様な気がするのよね。
 でも、綺麗でもない女は、結局やっぱり綺麗でもないのよ。
 そう言う事を、皆判ってないのね」
「そうか・・・」
そのとき私のなかに何かが舞い降りたように判った事があった。
「つまりそう言うことは、
 貴女の様に綺麗で頭のいい女じゃないと判らない、て、ことですよね。
 あなたはそういうめちゃくちゃ綺麗だった時代を持っているからこそ、
 それが判るんでしょうね。普通の女は、綺麗な女で有った事なんかなくて、
 何時も綺麗な女になりたいって思いだけで生きているから、
 かえってそれが判らないんだ。そうかあ・・・すごい真実だなあ」

「なによ、貴方こそ、ただのくそ真面目なだけの学生じゃなかったのね。
 こんなこと言って、判ってくれた若い男なんて、貴方がはじめてよ」
「でも、そんなに沢山の若い男を知ってるんですか?」
私の中に、かすかな嫉妬心が芽生えていた。
(俺は、この女を好きになり掛けている・・・)そう気付いて、
ちょっとうろたえたように胸がざわめいてきた。

私の足元のベッドの端に座った女は、私に背を向けたまま、あっさりとこう答えた。
「知ってるわよ、たくさん。だから、あばずれなのよ」
「ちえっ・・・」
私は体を起こしてゆき、女のうしろからプロレスのアームロックのようなしぐさで
その細い首に腕をまきつけていった。
m09
巻きつけたけど、息が出来ないほど締め付けている訳ではない。
勿論女は、全く抵抗する様子も無く、むしろ全身の力を抜いて、
(もっと乱暴にしてもいいのよ)と挑発してくる気配すら感じられた。

「結局ボクも、そう言う男たちの一人にしかなれない、と言う事ですか?」
「そうよ。いつも一晩きりのセックスよ。知らない男じゃないと、私燃えないのよ。
 知らない男に犯されるのって、最高よ」
「そんなことばかりしてたら、いつか殺されるかもしれない」
「殺されたっていいわ。本望よ」
「じゃあ。ボクが殺してあげようか」
「いいわ。やってみて」
「だったら、抵抗して暴れてみろよ」
「抵抗したら、貴方止めちゃうじゃない。
 貴方がそういう男だってくらい、ちゃんとわかってるのよ」
「でも何時もは、抵抗して暴れて強姦ごっこをやってるんだろう?」
「そうしないと、男がその気に成ってくれないからよ。
 それに、私の方にだって、気味が悪い、て気持ちがあるもの。
 だけど貴方にはそういう気持ちは起こらないし、
 抵抗してもその気になって呉れそうも無いのよね」
「誘惑する相手を間違えた、てことなのかな?」
「かもしれないわ」
「しかしボクは、少しずつ貴女を殺してやりたいって気持ちに成り掛けている」
「うれしいわ」
「ちぇっ、死んじまえ」
私は、巻きつけた腕にすこしずつ力をこめていった。

女は、目を瞑って体の力を抜いたまま私の方にもたれ掛かって来た。
もうしゃべれない位かなり息苦しくなっている筈なのに、
まったく抵抗して来る様子は無かった。

私は、怖くなると言うより、胸の奥底から込上げてくる様な悲しみを覚えた。
ああ、この女を殺してやりたい・・・そして、殺してやろう、と決断するまでは
ほんの一歩の距離のような気がした。

それをしなかったのは、この魅力的な肉体をいま少し味わってみたいと言う、
単なるいじましい助平心だった。
まあそこまで美しい殺人者になれるほどの詩人ではなかった、という事だ。
  1. マゾ女の誘惑
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アヤメ草

Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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