PV UU 現在の閲覧者数: /にほんブログ村 小説ブログ ロマンス小説へ
2ntブログ

異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

  1. スポンサー広告
  2. [ edit ]

若衆入りの儀式。其の三

若集入りの儀式03
先祖に混じっている白系ロシア人の血のせいか十六歳という年齢の割りに
体がでかく発育していて性器も馬並み太さと評判の梅軽(バイカル)は、
すでに近所のおばさんに性技術の密かな特訓を受けて居るのだった。

島の中に、梅軽という村があり、二十数戸が漁業関係に従事している。いずれも
体格が日本人離れして容姿も青い目や鳶色の髪の人が居たりして、その近くには
ロシア文字が刻まれた苔むしたロシア墓が十数基残る墓地さえあった。
今ではみな日本語を話し、日本文字しか書けないが、江戸時代にまで遡れば
ロシア人が居たらしい痕跡が未だ若干残っていた。

なんでも始祖のロシア人がバイカル地方の出身だったとかで、その出身地の名前を
村の名前にしたのだった。そして明治に成り戸籍を作る際に、其の村の者は全員
「梅軽姓」を名乗るように成ったのだった。

その混血少年の梅軽は体がでかい様に肝っ玉も大きく、これからの研修に不安を
持って言葉も少なめなほかの少年達を尻目に、
「俺はなあ、初日から(ホト親)をヒイヒイ泣かせてイカせてやる自信があるぞ」
等と一人怪気炎を吐いていた。

日頃は女性の城である女衆宿に入った十人の少年達は建物の中に染み込んだ
女性の匂いに圧倒されて身を硬くしていた。定刻になり、大広間に今年の
若衆入りの少年十名とホト親を勤めて呉れる熟女が勢ぞろいした。

誰がどのホト親に当たるかと言うマッチングは午後一時からのアミダくじと言う
極めて公平な手段によって決定されるのである。

でもそこはやはり人間誰しも好き嫌いがあり、少年達は美人のホト親に当たれば
良いなと胸の中では皮算用をしていた。一方ホト親の方にもそれに似た感情が
有るのは否めない事実であった。
教え易い少年と、神経質で急性インポに掛かる少年も居るからである。
そんな時にどのように対処するかを、勉強会でベテラン女性の先輩の体験や
自分の体験を基礎に研究しているのだ。

型通りに村長と村の長老の挨拶があり、婦人会会長の入江美佐子と言う
女子師範学校卒という島には稀な高学歴のお婆ちゃんが演壇に立った。
父のホト親である。若い頃は美人だったらしく、年を取っても知的で整った
目鼻立ちはさすがであった。
 
中出し30
午後一時に女衆宿の庭の中に別棟として建てられている
茶室の手前のつくばいで手を洗い、狭いにじり口から中に入った。
ホト親はすでに中に入って私達少年の到着を待ち受けていた。

やがて茶席の亭主になった入江婦人会長の無言のうちの目配せのうちに、
厳粛な茶の湯の儀式が行われ、その後組み合わせを決めるアミダくじの紙が
厚紙を下敷きにして少年の席に回覧されてくる。
一から十までの数字が紙の上部に書かれていて線が引かれている。
紙の下は折り曲げられて透視出来ないが、女性の名前が書かれて居る。
私は五番に名前を書いて横線を一本入れて隣の席に回した。

やがて入江婦人会長からくみあわせ結果の発表が行われる。
馬マラ少年の梅軽は四十八歳の最高齢の超ベテランのホト親に当たってとても
嬉しそうだった。お似合いのカップルと言えた。
友人の神近は水産加工で竹輪作り工場で働いている後家さんに当たった。
「坊や、この小母ちゃんは毎日竹輪握るのが商売だから、
 男の竹輪握るのもとても巧いんだよ」
などと神近は周りの小母さん達に冷かされていた。

「平岡貞信さん、あなたのお相手は三田芳野さんです。
 あれっ、もしかして、あなたのお父さんは、平岡義信さんじゃないの」
入江婦人会会長は私の名前を見て、おやという顔をした。
「私はあなたのお父さんのホト親よ」
私の相手に決った三田芳野さんが、
「まあそうでしたの。じゃあ栄誉有る家柄の坊やなのですね」
と言った。三田さんは色白の若々しい美人だった。
神近が私の方にうらやましそうな目を向けた。

「貞信ちゃん、始めまして・・・。可愛い坊やね。私、三田って言うのよ。
 今日から三週間の先生よ。どうかよろしくね」
三田さんは村営保健所勤務のベテラン看護婦だが、結婚十年目で漁船の船長
だった夫を亡くした三十ニ歳の未亡人だ。

三週間に及ぶ若衆の性技術研修期間中は元看護婦の資格を持つ漁師の女房が
勤務を代行して呉れるので仕事の方は心配いらないのだ。また三田さんには
小学五年と三年の女の子がいる。ホト親に子供がいても、この村の伝統的習慣は
影響を受けないし、いささかも支障は起こらない。
中出し39
この島では地域社会の理解があり、研修期間の間は他の主婦が子供を預かって
呉れるのだ。そしてホト親の子供を臨時に預かって呉れる家には研修協力補助金が
村から出るので、何処の家も喜んで預かって呉れるのだ。

また子供の方も色々他人の家庭に預けられてその家に仲の良い友達が居るならば
もう旅行気分と言うか他家留学にも似た変った体験をした上に、
他人の家でご馳走が食べられるので喜ぶのだ。母親が村でも栄誉とされる
「ホト親」で家を留守にするのを子供達は寧ろ楽しみにして居るほどだ。

それに性の実技教師とも言うべき(ホト親)は村の女性の中でもエリート的な
尊敬を受けていて、道で行き会えば一般の村人から丁寧なお辞儀を受け、
各種の会合では上席に据えられるのだ。

それに村長と言えども若い頃に教えを受けたホト親には頭が上がらないのだ。
長い間ホト親を勤めあげたベテラン女性になると、年齢はまちまちだが
性技術の教え子達が集まって「〇〇先生謝恩会」を開いて呉れるほどだ。

夫々のペアが決まると個室の割り当てがあり、其処に個人の荷物を置き、
再び大広間に戻った。女性の長老入江婦人会会長の講和は
島の歴史と性風俗についてだった。
漁業、農業を問わず島では昔から女性が多数を占めていたと言う統計的な
数字から説き起こし、島ではいかに女性を尊重してきたか、そして未亡人と成った
女性にも人間として性を楽しむ権利を保障すると共に、若い男性の性技術の
教育係として島で尊敬される地位に置いてきた輝かしい「ホト親制度」を
賛美する講和だった。

特別に強調されたのは「性技術の輪廻」と言う事であった。
年上の熟女が年下の未熟な男性に性の技術を伝承し、教わった男性が経験を
多く積んで壮年になると、今度は「マラ親」として、若い未熟な女性に性の技術を
伝承し、それら女性が中年になり熟女と成ったら「ホト親」に成る事の繰り返しが、
過去から未来に向けて「性技術の輪廻」として継承されて来たのだが、
女性を教育すべき壮年男性の絶対数の不足で伝承の輪が途切れることを
入江婦人会会長さんは恐れて居られた。
それに戦争の為に生じた大量の行かず後家の慰安の為にも、ここ数年の間に
性技術の研修を受ける若衆の皆さんの理解ある行動を要望すると言う事であった。
  1. 若集入りの儀式
  2. / trackback:0
  3. / comment:0
  4. [ edit ]


comment


 管理者にだけ表示を許可する
 

trackback


プロフィール

アヤメ草

Author:アヤメ草
FC2ブログへようこそ!管理人の
アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

カレンダー

04 | 2024/05 | 06
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

フリーエリア

検索フォーム

Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

« 2024 05  »
Su Mo Tu We Th Fr Sa
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -


.