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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

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消えた夫と支えてくれた男。其の二

◇出稼ぎ前夜の激しい契り◇
消えた夫と・・・2-1
「オラ、東京さ行くだよ。なーに、心配はいらねえ。
 ここら辺りの男ら、みーんな東京さ出稼ぎに行ってるでねえか。
 オヤジは死ぬわ、凶作だわじゃ、出稼ぎしかねえだよ」
夫には、どこかウキウキした様子が見受けられました。

「東京かァ。オラ、生まれてから、いっぺんも行った事がねえ。
 鼻の東京で、うんと稼いでくるからよ」
明らかに、夫は放浪癖が刺激されていたようでした。私は、不安で堪りませんでした。

いよいよ、夫が明日、東京へ旅立つと言う前の晩でした。
すべてのお膳立てが揃った状況になっても、私はまだ夫が出稼ぎに行くのに反対でした。
「ねぇ、あんた。東京なんかへ行って、本当に大丈夫なの?」
「あったりめえじゃねえか。きっちり仕送りしてやるから、心配すんなァ」
「そんなこと言ったって、あんたは糸の切れたタコみたいになっちまうんじゃないの?」
「バカだなァ、美代子は。オラが可愛いおめえを捨てて、行方知れずになるわけなかんべ」
布団の中で、夫は私を抱き寄せました。

「今夜限りで、いつおめえを抱けるか判んねえのが淋しいやな。
 しかし、オラ、絶対浮気なんかしねえ。おまえもすんなよ」
「やだァ、あんた。私がそんなことするわけないでしょ」

夫の手が、寝間着の合わせを乱暴にこじ開けました。
とたん、下腹がジンと過敏に反応してしまいました。
まっさらな体で結婚した私ですが、三年の夫婦生活を経て、
成熟した女の歓びと言うものに目覚め始めていた時期でした。

「ああっ、あ、あんたァ、絶対、春には帰ってきてよォ」
「わかってるって。ちょつとの辛抱だべよ。それより今夜こそ、子種を仕込んでやるべ!」
夫の手で激しく乳房を揉みしだかれると、すぐ向かいの部屋に姑が寝ているというのに、
私は嗚咽を堪える事が出来ませんでした。それどころか、もう片方の手が下腹に入るや、
「あっ、あひィィ、い、いいよ、気持ちいいよォ!」

露骨な歓喜の言葉さえ迸り出てしまう始末でした。
快感は、もうどうにも止めようがありませんでした。
指が割れ目を掻い潜ると、愉悦は益々荒れ狂いました。
 
消えた夫と・・・2-2
「あへええええーっ、ご、極楽だよ、あんたァ!いいあんばいだァッ」

夫の指捌きに合わせて、自然と腰が弾んでしまいました。
おぼこ娘で結婚した私とは対照的に、夫は夜這いでさんざん女を経験してるようでした。
そんな夫の指使いは、百戦錬磨の強者でした。野良仕事で酷使している指は太くて
節くれ立って、見た目には無骨そのものでしたが、中々どうして、かなり器用だったのです。

夫は女の勘所を心得た技でもって、縦横無尽に割れ目を可愛がり抜いて呉れたのです。
とくに、もっとも敏感な肉の芽を転がすワザが絶妙でした。
指の腹で肉芽をクリクリと転がされると、もうそれだけでイッてしまいそうになる私でした。

「すげえよ、美代子。もうズブズブだァ。指が泳いじまうサ」
「やンだァ、あんた。だって、だって、あんたがあんまり上手だからァ」
クルクルと円を描くように肉芽を擦りたてられて、気も遠のくばかりでした。
肉という肉がカッカと火照りまくり、いまにも火を噴いてしまいそうでした。

「ああっ、淋しいよォ、あんたと離れ離れに成るなんて、イヤだよっ」
快感と切なさがない交ぜになり、私は錯乱状態に陥っていました。
思い余って私が夫の肩に噛り付くと、夫はよしよしと子供をあやすように、
「オラだって、どれだけ淋しいだか・・・。これが、オレの気持ちだァ」

私の手に熱く怒張した股間を握らせたのです。私は、もはや発狂寸前でした。
「ああっ、すごいよ、あんたァ。早く、早くこのお宝を挿れてくれろっ」
「判った、判った。そう急かすでねえ。いま、ズッポリ突っ込んでやるだからな」

夫の肉体は若い農夫らしく、艶やかな筋肉に彩られていました。
その股間もまた、逞しさ、雄々しさの塊でした。
熱い肉頭を濡れしぶくワレメにあてがわれただけで、
「ああっ、あんた、私、もう堪ンないよォ、も、もう、すぐイってしまうかも」
絶頂の危機を感じていたのです。直後、夫が真上から私に覆い被さると、
「あっひいいーっ、すごいよ、あんたっ。きついよ、いっぱいだよォーッ」

私は、絶叫を張り上げていました。凄まじい快感の余り、
カラダは凍りついたようになり、微動だに出来ませんでした。
まさに快楽の金縛りでした。
消えた夫と・・・2-3
雁首の張った勃起に胎奥の奥までを穿たれ、私はもう青息吐息でした。
勃起の逞しさだけでなく、その律動の荒々しさも私の性感を揺さぶって止みませんでした。

「あああああーっ、あんたァ、いいよ、べっちょがよくてどうしょうもないんだよォ!」
「オラだってよ。オラだって、よくて堪らねえんだよ。こんないいカラダの嫁っこ置いて、
 東京サ行かねばなんねぇなんて、オラ、ホントに切ねえよ」
呻きつつ、夫は雨霰と抜き差ししていました。
「あんた、私、もうイクよ、もう堪えきれねえよォォ」

やがて、全身がものすごいばかりの快美の渦に巻き込まれてゆきました。
血湧き肉躍る昂奮がカラダを縦に貫き、私は垂直に浮き上がるような
錯覚を覚えていたのです。

「美代子、いっしょにイクべ。オラも、もう漏れそうだよっ」
私たちはしっかと抱き合い、最後の夜を燃え尽きました。
まだ新婚と言える私たちはしばしの別れを惜しむように、
お互い凄まじいばかりの精を吐き散らしていたのです。

「うあーっ、出る、出る、たんまり出るだよ、絞りとられるだーっ」
私が絶頂に突き上げられた途端、夫が私の後を追いかけてきました。
私たちはほぼ同時に、手に手を取って快楽を極めたのでした。

(生木を引き裂かれるような気持ちだァ。
 この人も、きっと私と同じ気持ちでいてくれるはず。
 疑った私がバカだった。夫が私の事を忘れる訳が無い。
 春になったら、一目散に私のところに飛んで帰って来てくれるに決まってる!)

私は、夫が恋しくて恋しくてなりませんでした。
精神的にも、肉体的にも、夫と離れるのが苦痛でならなかったのです。
その気持ちは夫も同じ、夫婦は一心同体と、
私は信じて疑っていませんでした。
しかし、そのあと直ぐに私は己の愚かさに気づく事となったのです。
  1. 消えた夫と支えてくれた男。
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Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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