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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

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あの日あの時。其の八

~人の世の無常を知る~
画像 230
私の田舎、群馬県群馬郡倉渕村(現在はた高崎市倉渕町)は
国定忠治や小栗上野介などに所縁の有る町で、
つい最近テレビで小栗上野介が主人公に成ったドラマがありましたね。

勘定奉行や海軍奉行等の要職を勤めた小栗も
幕末の権力闘争(主戦論と開国論の対立)に敗れ、
反対勢力に、謂れの無い「謀反」の濡れ衣を着せられて、
1869年4月6日43歳の時 水沼川原で家臣とともに斬殺されます。
その水沼川原が私の田舎の近くなのです。
烏川に掛かる水沼橋の下を水沼川原と言うのですが、其処には
石碑が立って居ります。

今日のお話は高校生活最後の夏休み、私は例年に習い、
倉渕村の祖父の家で過ごしていた時の話です。
水沼橋を渡った処に地元の人から「観音様」と呼ばれている
古儀真言宗の寺がありました。
其処では毎年お盆の時に「夏祭り」が催され、屋台の夜店や
見世物小屋、盆踊りが2日掛りで行われて、近在の村人達の
唯一の楽しみだったのです。

私も母が作って呉れた浴衣を着て、従兄妹達と出掛けて居りました。
偶々そこで出会った女性から声を掛けられたのです。

「本家の伊佐雄ちゃんじゃない、私芳子よ覚えてる」
と不意に言われたのです。見れば小学校の時の同級で親戚筋に
当たる分家の芳子でした。

5年も離れて居ると随分変わるものです。でも面影は随所に有り
暫く一緒に居ると昔の様に打ち解けて、昔話に花が咲きました。
そして其の話の中で芳子は、「急性骨髄性白血病」で
お盆が終ったら高崎の病院に戻ると言うのです。
私には医学の知識が無いので其れがどんなに重い病気だかは
その時は知らなかったので、横浜に帰ったら「手紙を書くね」と
其の晩は別れたのです。
 
母の乳房と陰毛と17
そして夏休みも終わり横浜に帰って、其の話を母にすると、
母は親戚の事ですから前から芳子が重い病気に掛かり、
余命が二年余りだと知って居たと言うのです。
そんな事とはつゆ知らず、ふざけて馬鹿を言ったりして
慰めの言葉も掛けずに別れた夜が悔やまれて、早速
「頑張って早く元気に成れよ」と言う意味の手紙を書きました。
そして芳子からは「あの晩は楽しかったよ、是からも手紙頂戴ね」
と言う返事が来たのです。其れからは二日置き位のペースで
文通が始りました。

私は図書館で、「急性骨髄性白血病」の事を調べてみました。
そして其の病気が「血液の癌」と言われる病気で、血液中の
白血球や赤血球、血小板が作られなくなり、出血すれば
血が止まらなくなり、貧血による目眩や顔面蒼白、息切れ、
風邪などを挽けば直ぐ肺炎になり、血栓が出来れば脳障害、
心筋梗塞を引き起こす、と言う大変な病気だと知ったのです。
昭和35年当時と今では治療も進み、「急性骨髄性白血病」は
必ずしも不治の病では無いようですが、当時では病気の進行を
遅める事が精一杯で、其の為には放射線療法、抗がん剤の投与
骨髄移植などの治療が必要だと知りました。

皆さんは1964年にテレビや映画で大ヒットした「愛と死をみつめて」
と言うドラマを知ってますか。
テレビでは河野実(まこ)を山本学、大島みち子(みこ)を大空真弓
映画では浜田光夫と吉永小百合が競演した実話に基づくドラマでした。
私はテレビも映画も見ましたが、其のストーリーが余りにも、
私と芳子の事と同じでしたので(芳子は19歳で亡くなりました)
初めから終りまで泣きっぱなしで見て居りました。
このドラマはその後3回もテレビや映画でリピート盤が作られましたから
若い皆さんもご存知だと思いますので、私と芳子の話しは
「二番煎じ」に成りますから此処では辞めときます。

芳子が亡くなった時の辛さ悲しさは、
千恵子に去られた時以上のものでした、
千恵子は生きて居る訳ですから、
もしかしたら又何処かで逢えるという望みも有りました。

野辺送りにも立会い、土葬されて行くまでの全てを見届けた私は、
人の命の儚さや、生死について真剣に考えるように成りました。
其れからは宗教書を読み漁り、親鸞聖人やキリスト教や禅に興味を
持ち座禅や法話を聞きに各地のお寺巡りが始ったのです。

  1. あの日あの頃
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アヤメ草

Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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