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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

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珠美の生涯。其の九

珠美の生涯18
三本目のワインは断って、畳に寝込んで居ると、
色々な事が思い出されて、益々辛くなった。
「休ませて貰うよ」とだけ言って、布団に横たわり目を閉じた。

隣の居間では、珠美がテレビのニュース番組を見ている音がしていた。
今夜は何事もなく終ったと思いつつ、いつしか眠っていた。

「健ちゃん、健ちゃん」
と呼ぶ声を聞きながら、遠い昔の子供の頃の夢を見ていた。
意識が戻って来ると、隣に珠美が添い寝をして居る事に気付いた。
「相変わらず寝ぼすけね」と言うと、顎の下に顔をつけてしがみ付いてきた。
あぁ、俺は許されたんだと安堵し、
彼女の肉付きの良く成っていた背中を抱き寄せた。

昔より、抱き心地いい体格に成っているのを感じた。唇を合わせると、
昔のままの仕草で舌を絡ませ、私の下唇を吸い込んだ。
何年経ってもこんな事は忘れないものだと感心し、
彼女の嫌がった上の顎に舌を伸ばしてくすぐったりすると、
やっと寛いだ気分に成れた。

布団を跳ね除けて下着を下ろし、股を広げさせて、
儀式の様に割目に顔を伏せた。
「もう、汚いから止めて」
口ではそう言うものの、膝を折り、首を脚で抱え込むようにしていた。
割目はこの事を期待していたかのように、ヌルヌルと濡れていた。
昔の様にクリトリスを唇に挟んで引っ張ったり、
尿孔に舌先を押し込んだりすると、珠美は腰をうねらせて、
うぐっうぐっと満足の声を出し続けた。

ひとしきり、儀式のクンニが終ると、静かに左右の太股を合わせて、
昔ほどの硬度の無くなったペニスを挟んで上下にしごいたが、
彼女は黙ったままじっとしていた。
懐かしさと慙愧の念が入り混じり、泣きたい気分に成った。
 
珠美の生涯19
珠美も遠い昔の事を思い出して居るのだろうと思った。
要求は無いままに、股の間に身体を割り込ませて、
ヌルヌルの割目に挿入した。二十余年の長い空白の後の
交合は優しく懐かしく、心が満たされる様な気がした。

仲直りの性交に刺激的な体位も取れず、静かに抽送をくり返すと、
珠美も尻をうねらせながら動きに合わせ、昔と同じ声で喘ぎ、
すすり泣きの声を出しっぱなしだった。
乳房を探ると、しこしこと芯の有る盛り上がりは小さめで、
少女の様にしっかりと上を向いて、乳首も小粒のままで、
こりこりと硬く欲情していた。

私との間で両三度の妊娠をしたが、
一度も子供に乳を含ませる事が無かった。
その事は決して忘れられない事だった。

私はその乳首に吸い付き、可愛らしい乳房のあちらこちらに、
キスマークをつけた。その昔「マークをつけないで」と慌てていた
可愛らしかった珠美の事を思いながら。

ググッと喉を詰まらせる音を出して仰け反ったのを機に、
私は万感の思いを込めて射精した。

ほっと一息つくと、珠美は
「あなたの好きだった股もこんなにでぶになっちゃつたんよ」と言い
股にもキスマークを付けて呉と言った。

五十過ぎの恋人の身体は子を生まなかったせいか、
あまり衰えも感じなかった。昔と比べると身体の肌は白くなり、
素股をしたころよりは肌理は粗くなっていたかもしれない。

私は二人の体液の匂いがする内股に、幾つものキスマークを付けた。
その夜は確りと抱き合って眠った。昔馴染みと言うより、
初めて巡り逢った男女の様に、多少の遠慮をしながら、
明るい朝に別れた。

もう二度と来ないで、と仕事先に電話が有ったのは、
ニ、三日経ってからだった。
私は珠美の気持ちが良く判った。私も同感だった。
二人は黙って同時に受話器を置いた。
珠美の生涯20
その日から又二十数年が経った、
私は六十四歳に成ったので、珠美は七十九歳の筈だ。

病に伏して居る事は以前から知って居たが、亡くなられた事は、
誰も知らせては呉れなかった、多分珠美から知らせないように、
口止めされたのだろう。

珠美にとって私と言う男は何だったのだろうか。
貧乏神や疫病神の様な存在だったと思う。

人並みの結婚生活が至上の幸福とは思わないが、
珠美の花の時期には適齢期という言葉が有ったように、
彼女も其の年頃に幸せな結婚をしていれば、
人生の折り目節目に、
私と言う疫病神に煩わされる事も無かったろうに。

彼女は歳の離れた少年の様な男を愛する性癖があり、
成年の男に恐怖を感じていた為に、
人並みの恋愛や結婚が出来なかったのかも知れない。
其れは家庭の環境か、親の影響か判らないが、
いずれにしても、自分より年上の男は愛せなかったようである。

優しい家庭的な女性だったのに、私と言う無責任な身勝手な
男を愛したばかりに、寂しい一生を送ってしまった。

一方では私と別れてからも、決して一人で居た訳では無く、結構派手に
若い男と浮名を流していたらしい事は、私の耳にも入っていた。
珠美が独り身を貫いたのは、総て私のせいだとは思わないが。
少なくとも私が彼女を幸せにしてやれる立場に居たのは間違いない。

私は自分だけは人の倍も楽しみ、したい放題を繰り返して
勝手に生きてきた。珠美は私を愛し可愛がって呉れたお返しに、
度重なる手痛いしっぺ返しを受けた。

彼女は不幸だったのか、幸せだったのか、
珠美本人でなければ判らない事だが、
子も無く優しく労わって呉れる家族も無く、
晩年は寂しかったろうと思うと、
村外れの墓地に一人眠る珠美の墓の前で、
流れる涙を止める事が出来なかった。
END
  1. 年上の女
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アヤメ草

Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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