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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

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葬儀屋の女房。其の二

◇芳江との出会い◇
葬儀屋の女房04
ある夏の日の事だ。取引先の花屋からどうしてもと言われ、
一人の女性をわが社で雇う事になった。それが今の女房、芳江だった。
芳江は当時二十四歳。こちらが感心するほどこまめに良く働くのだが、
こちらが十喋っても、一つぐらいしか返ってこないほどの無口な女で、
洋服も慎ましやかで、社員の一人が、
「葬儀屋にピッタリなおなごや」とからかうほど、見た目からしてネクラな女だった。
幸せとは縁遠い生き方をしている、そんな印象を受けた。

身体は病的なほどに細く、風が吹けば飛ばされてしまいそうなわど弱々しい。
胸も服の上から見ると、ほとんどないに等しかった。顔は十人並み程度。
しかし、唯一惹かれた箇所がある。肌だ。肌が雪のように白いのだ。
色白好みの私には垂涎ものだった。性欲が無性に掻き立てられた。
肌理の細かい白い肌が私の下半身をグイグイと刺激した。

そういうわけで、私は一目見て芳江を抱いてみたいと思った。
といっても、惚れた訳ではない。
たまには素人の女をたぶらかすのも悪くはないな・・・
と正直なところ、そんなぐらいにしか思っていなかった。

飽きれば捨てればいい、今から思えば大変失礼なことだが、
事実、そんな軽い気持ちだった。また芳江が子持ちの人妻だったことも、
私の興味を掻き立てた要因のひとつだったと言えるだろう。

近所でこじんまりした仕事をひとつ済ませ、車で会社に戻る途中、
私はさりげなく芳江を食事に誘った。
助手席で君江は、眉間にシワを刻んで戸惑いの表情を見せながら、
フロントガラスに映る私に向かって小さくうなずいた。
 
葬儀屋の女房05
就業時間が過ぎ、裏手の駐車場で待っていると、芳江がやってきた。
歩き方も実に弱々しい。世間の不幸をすべて背負い込んだかのような、
なんとも頼りない歩き方だ。

もちろん私は初日はまず食事だけという、そんなまどろっこしいプロセスを
踏もうと言う気持ちなどさらさらなかった。其の日のうちにハメてやる。
ズコズコに、オメコの中を蹂躙し尽くしてやる。そんな意気込みがあった。
素人女を前に、私はかなり欲情していたのだ。

行きつけの飲み屋へ芳江を連れて行った。芳江は酒には弱く、
すぐに顔を赤くさせた。端から見ていても、もう限界だということは明らかなのに、
それでも彼女はグラスに手を伸ばそうとする。

「大丈夫か」と気遣っても、
「平気です。うた、酔うてません」と言い張って、酒をガブガフと飲み干した。
ストレスがひどく溜まっているのだろう。そう思った私である。
そして、それは正しかったようだ。
数日後、私はそのストレスの原因を知ることになった。

飲み屋を出た時、芳江の足元はかなりおぼつかなかった。
フラフラとまではいかないが、真っ直ぐ歩くことは困難だった。
芳江の肩を抱き、私はミナミの街を西に進み、四ツ橋沿いのホテル街を目指した。
芳江は連行されるように、温和しく私に従った。

ときどき思い出したように、「どこ行きますん?」と不安げに聞いたが、
返事をしてやらなくとも何も言わなかった。

途中で一度、電柱に両手をついて嘔吐した。口を大きく開けて、
さっき食ったものをゲーゲーといって勢い良く地面にぶちまけた。
それで少しは楽になったようだ。

芳江はあらためて、私に「どこ行きますん?」と訊いてきた。
私が「ええとこや」とだけ言うと、それ以上は訊いてこなかった。
葬儀屋の女房06
路地をいくつか折れると、過去に玄人女と逢瀬を重ねたホテルが見えてきた。
ホテルと言うより、連れ込み旅館と言ったほうがいいような安っぽいつくりの建物だ。
看板の電球はところどころが消えたままになっていて、ホテル名を正確に読み取ることが出来ないる

芳江は、そこがいかがわしいホテルであることを理解しながらも、
嫌がる素振りは全く見せなかった。私にしがみついたまま、なすがままといったふうな感じだった。

玄関を通り、二階に上がった。薄暗い廊下を突き当たり、右手の部屋に入った。
そこは六畳ほどの洋室で、安いだけあって実に簡素な部屋だった。
天井にはあちこちにシミがあり、床はボロボロで騒げば抜け落ちてしまいそうなほどだ。

部屋の真ん中に、粗末なベッドが置いてあり、派手な赤色の掛け布団が敷いてある。

芳江をベッドまで連れて行き、布団に横たわらせた。芳江は酒臭い息を吐きながら、
下から私をじっと見上げている。何かを言いたそうな表情に見えたので、
其の時間を与えてやったが、結局、芳江は何も言わなかった。

私は添い寝をするように芳江の隣で横になり、彼女のサラサラとした髪に手櫛を入れ、
そっと口付けを交わした。芳江は嫌がらずにじっと、瞼を閉じ、うっとりとしている。
小鼻を開き、熱い息をそこから断続的に漏らしている。

閉じていた薄い唇を舌で割り、舌を口の中へこじ入れた。
芳江はそれを受け入れ、自ら舌を伸ばして絡ませてきた。
さらに、私の舌の裏に舌をもぐらせながら、両手で私の頭を掻きむしった。

何処から見ても消極的な女にしか見えなかったのに、実際はかなり積極的な女だったわけだ。
後になって、そのギャップは、心に巣食う淋しさから発するものだったということを知った。
  1. 妻を語る
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アヤメ草

Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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