湖底に消えた初恋の思い出。其の五
~私を焦らさないで~
「誠子さんの心臓の音・・・とっても早く打っている」
「きっと、あなたとこうなれて、嬉しいからだわ。もう少しだけ・・・力を入れてみて」
「痛くはない?」
「そのかわり優しくね。さあ、やってみて」
誠子は乳房の上にある私の手の甲に、自分の掌を重ねて、私に教えるように、
少しだけ力を入れて円を描くように動かし始めた。しかし、ブラウス越の愛撫は、
乳房の弾力を感じても、どこかもどかしさを私に感じさせた。
直接、触れてみたいと思った。
だがそれを自分から言い出す訳にも行かず、ブラウスを脱がす勇気もなかった。
仕方なく私は、誠子の導くまま、単調な手の動きを続けていた。
それでも、興奮は極致にたっしてる。ひどく喉が渇き、パンツの中のペニスが
張ち切れそうなほど猛り立っていた。
次第に誠子の体に、乳房の愛撫で反応が出始めた。
誠子は息を乱して、体を気持ち良さそうに悶えさせ、
時々「アッ、アアー」という小さな快感の声を上げるまでになった。
首筋には汗がジットリと滲み出して、襟足の後れ毛がそこに貼り付いていた。
それを指先で掻き揚げてやると「ハフーン」という声を漏らし、体を激しく捩る。
誠子は直接の愛撫が欲しくなったようだ。
「脱がしてもいいわ・・・でも、私だけじゃイヤ。あなたも、裸になって」
と、誠子は聞き取りにくいほど小さな声を震わせて言った。
裸になる恥かしさを二人で分け合えば、恥かしさが少しは薄らぐと思ったのか。
そうだとすれば、先に男の私の方から脱がなければならない。
いくら誠子が年上でも、先に脱がすのは、卑怯な男のすることに思えたのだ。
私は乳房から手を離し、顔を手で隠して横たわっている誠子の脇に座った。
そして学生服を脱ぎ、立ち上がってズボンを足元に落とした。
ワイシャツもランニングシャツも、勢い良く脱いで真っ白なパンツだけになった。
誠子とこうなる事を、予測していた訳ではない。男が外に出れば七人の敵を相手に
する事に成る。何時殺されても恥かしくないように、下着は清潔な物を身に付けておけ、
と言うのが、郷士出の母の口癖で、実際、母は洗濯に手を抜く事は決してなかった。
パンツ姿に成った私は、目を閉じたままで仰臥している誠子をソッと抱いた。
言葉など何一つ必要としない。私は興奮状態に震えながら、ワンピースの胸元から
裾にかけてボタンを外した。誠子は純白のブラジャーとパンティを穿いていた。
だが、ブラジャーを外すには、どうすれば良いのかさえ判らない。
もたもたしていると、誠子は察したのか、後ろ手で止め具を自分から外した。
後は肩紐を肩から滑らせて外せばいい。
誠子の乳房を掌に直接包み込む。すると、誠子はピクッと体を硬くし、息をつめた。
誠子に教えられたように、円を描きながら柔らかく柔らかく揉み込んでいった。
そして、誠子が体をゆっくり悶えさせ始めた頃、誠子の手がオズオズと私の中に
忍び込んできて、勃起しているペニスに微かに触れた。
その触り方は、何か怖い物にでも触るような・・・心の逡巡を感じさせた。
「平気だよ、ちゃんと触って・・・」
私はとても恥かしかったが、パンツの上から誠子の手を誘導した。
すると、誠子はペニスを握り、神経を集中させ感触を確かめているようだった。
しかし、それ以上のことは、どうすればいいのか分からないのだろう。
ペニスを握ったまま、うっとりして目を閉じていた。
それだけでも、自分でする時の何倍もの快感が沸きあがって来る。
うっかりすれば、弾けそうになるのを私は必死に堪えなければならなかった。
私は乳房にキスをしながら、パンティの中にゆっくりと手を入れた。ヘアのサラリとした
感触と共にヘアが指先に絡みつく。それをかき分けるようにして指を進めた。
肉芽がすでに屹立して、コリコリとした硬さを指先に伝えてくる。
それはタップリと蜜に濡れ、熱さを感じさせた。
「ア、ア、アアーン」誠子は小さく呻き、反射的に太腿を閉じようとした。
しかし、それはすぐ指先を誘うように気持ちだけ開いた。
このとき私は、これまで聞き覚えていた性の知識を思い出していた。
しかし、指の感触では、女の性器は相当複雑にできていて、
想像の域を遥かに超えていた。私は注意深く手を更に下降させて、
絡み合っている肉襞をさぐって辿っていった。
「ああーっ、ソコ、ソコはそれ以上・・・しないで。早く一つになりたい」
誠子は突然、狂ったように、私の体にしがみついて来たのだった。
世間ではよく男の初体験のことを筆下ろしというが、大体それは、プロの女性が
相手と言うのが多いようで、最初から何も知らない私のような男が普通の女性と
性交するには知識が無さすぎた。
痛いくらい勃起したペニスを、誠子の膣にうまく嵌め込んだのかどうかさえ
分からぬ侭に、私はそのままどっと射精してしまった。
その日私は、誠子の体で一人前の男に成った積りでいる。
もっとも無我夢中のことだったので、その印象は薄い。
しかし、私達はそれからダム工事が始まるまでの一年間、堰が切ったように
昼といわず夜といわず互いの体を求めあい愛し合い続けたのだ。
「鼻の下を伸ばして、何を思い出しているの。お父さん、もう帰るわよ」
娘の純子が私の腕にぶら下ってきた。
END
「誠子さんの心臓の音・・・とっても早く打っている」
「きっと、あなたとこうなれて、嬉しいからだわ。もう少しだけ・・・力を入れてみて」
「痛くはない?」
「そのかわり優しくね。さあ、やってみて」
誠子は乳房の上にある私の手の甲に、自分の掌を重ねて、私に教えるように、
少しだけ力を入れて円を描くように動かし始めた。しかし、ブラウス越の愛撫は、
乳房の弾力を感じても、どこかもどかしさを私に感じさせた。
直接、触れてみたいと思った。
だがそれを自分から言い出す訳にも行かず、ブラウスを脱がす勇気もなかった。
仕方なく私は、誠子の導くまま、単調な手の動きを続けていた。
それでも、興奮は極致にたっしてる。ひどく喉が渇き、パンツの中のペニスが
張ち切れそうなほど猛り立っていた。
次第に誠子の体に、乳房の愛撫で反応が出始めた。
誠子は息を乱して、体を気持ち良さそうに悶えさせ、
時々「アッ、アアー」という小さな快感の声を上げるまでになった。
首筋には汗がジットリと滲み出して、襟足の後れ毛がそこに貼り付いていた。
それを指先で掻き揚げてやると「ハフーン」という声を漏らし、体を激しく捩る。
誠子は直接の愛撫が欲しくなったようだ。
「脱がしてもいいわ・・・でも、私だけじゃイヤ。あなたも、裸になって」
と、誠子は聞き取りにくいほど小さな声を震わせて言った。
裸になる恥かしさを二人で分け合えば、恥かしさが少しは薄らぐと思ったのか。
そうだとすれば、先に男の私の方から脱がなければならない。
いくら誠子が年上でも、先に脱がすのは、卑怯な男のすることに思えたのだ。
私は乳房から手を離し、顔を手で隠して横たわっている誠子の脇に座った。
そして学生服を脱ぎ、立ち上がってズボンを足元に落とした。
ワイシャツもランニングシャツも、勢い良く脱いで真っ白なパンツだけになった。
誠子とこうなる事を、予測していた訳ではない。男が外に出れば七人の敵を相手に
する事に成る。何時殺されても恥かしくないように、下着は清潔な物を身に付けておけ、
と言うのが、郷士出の母の口癖で、実際、母は洗濯に手を抜く事は決してなかった。
パンツ姿に成った私は、目を閉じたままで仰臥している誠子をソッと抱いた。
言葉など何一つ必要としない。私は興奮状態に震えながら、ワンピースの胸元から
裾にかけてボタンを外した。誠子は純白のブラジャーとパンティを穿いていた。
だが、ブラジャーを外すには、どうすれば良いのかさえ判らない。
もたもたしていると、誠子は察したのか、後ろ手で止め具を自分から外した。
後は肩紐を肩から滑らせて外せばいい。
誠子の乳房を掌に直接包み込む。すると、誠子はピクッと体を硬くし、息をつめた。
誠子に教えられたように、円を描きながら柔らかく柔らかく揉み込んでいった。
そして、誠子が体をゆっくり悶えさせ始めた頃、誠子の手がオズオズと私の中に
忍び込んできて、勃起しているペニスに微かに触れた。
その触り方は、何か怖い物にでも触るような・・・心の逡巡を感じさせた。
「平気だよ、ちゃんと触って・・・」
私はとても恥かしかったが、パンツの上から誠子の手を誘導した。
すると、誠子はペニスを握り、神経を集中させ感触を確かめているようだった。
しかし、それ以上のことは、どうすればいいのか分からないのだろう。
ペニスを握ったまま、うっとりして目を閉じていた。
それだけでも、自分でする時の何倍もの快感が沸きあがって来る。
うっかりすれば、弾けそうになるのを私は必死に堪えなければならなかった。
私は乳房にキスをしながら、パンティの中にゆっくりと手を入れた。ヘアのサラリとした
感触と共にヘアが指先に絡みつく。それをかき分けるようにして指を進めた。
肉芽がすでに屹立して、コリコリとした硬さを指先に伝えてくる。
それはタップリと蜜に濡れ、熱さを感じさせた。
「ア、ア、アアーン」誠子は小さく呻き、反射的に太腿を閉じようとした。
しかし、それはすぐ指先を誘うように気持ちだけ開いた。
このとき私は、これまで聞き覚えていた性の知識を思い出していた。
しかし、指の感触では、女の性器は相当複雑にできていて、
想像の域を遥かに超えていた。私は注意深く手を更に下降させて、
絡み合っている肉襞をさぐって辿っていった。
「ああーっ、ソコ、ソコはそれ以上・・・しないで。早く一つになりたい」
誠子は突然、狂ったように、私の体にしがみついて来たのだった。
世間ではよく男の初体験のことを筆下ろしというが、大体それは、プロの女性が
相手と言うのが多いようで、最初から何も知らない私のような男が普通の女性と
性交するには知識が無さすぎた。
痛いくらい勃起したペニスを、誠子の膣にうまく嵌め込んだのかどうかさえ
分からぬ侭に、私はそのままどっと射精してしまった。
その日私は、誠子の体で一人前の男に成った積りでいる。
もっとも無我夢中のことだったので、その印象は薄い。
しかし、私達はそれからダム工事が始まるまでの一年間、堰が切ったように
昼といわず夜といわず互いの体を求めあい愛し合い続けたのだ。
「鼻の下を伸ばして、何を思い出しているの。お父さん、もう帰るわよ」
娘の純子が私の腕にぶら下ってきた。
END
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プロフィール
Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。
私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。
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