PV UU 現在の閲覧者数: /にほんブログ村 小説ブログ ロマンス小説へ
2ntブログ

異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

  1. スポンサー広告
  2. [ edit ]

乙女の淫情。其の五

◇思いもよらぬ運命◇
淫情5-1
執念が実ったと言うべきでしょう。それから私と副嶋の交際は、順調に進んでゆきました。
私の異性関係に煩かった父も、副嶋が相手なら、と大賛成してくれました。
「澄子ちゃんのことは、決していい加減な気持ちじゃないよ。君が女学校を卒業したら、
 ちゃんとしようね。そのうち、僕の両親にも会って貰いたいと思ってるんだ」

副嶋は、私が見込んだだけあって、誠実そのものの人柄でした。
見た目も立場も性格も申し分ない副嶋と、いま風に言えばラブラブな関係にあって、
私は天にも昇る心地でした。

(これで、私の将来は決まったわ。院長婦人よ。ああ、言うことなしだわ)
はっきりと約束した訳では有りませんが、
副嶋は私との結婚を仄めかしてさえ呉れていたのです。
周囲にも羨ましがられ、我が世の春とはまさにこの事でした。

「ありがとう、学。これもみんな、あんたのおかげよ」
「・・・それはよかったな、澄子。オレも、嬉しいよ」
学も、心から歓んで呉れているように見えました。しかし不幸は突然、訪れるものです。

私が女学校を卒業する直前の事でした。本当に突然、副嶋は死んでしまったのです。
国道を渡ろうとして、信号無視した車にはねられての即死でした。もちろん、
私は言葉を失うほどのショックに打ちひしがれました。食事も喉を通らず、
自分も死んでしまいたいと泣き暮らす日々が続きました。私は、もう廃人同様でした。

卒業式にも出られず、家族ですら慰めの言葉も掛けられない私を
見守り続けて呉れたのは、誰あろう幼馴染の学でした。
彼は決して出すぎた真似はせず、それでいて影のように優しく、
ピッタリと私に寄り添って、傷心を癒して呉れたのです。

「副嶋先生は、デキすぎた男だったもんな。だから、神様が傍に置いておきたくて、
 早く呼んだんだよ。でも澄子、神様を恨んじゃいけないよ。
 あんなカッコいい男と巡り合わせてくれた、神様に感謝しなくちゃいけなぜ」
学の言葉は、心に沁みました。
副嶋の死は学に取って、絶好のチャンスで有った筈なのに、
彼はただひたすら私の悲しみを癒す事のみに心を砕いて呉れたのです。

「早く立ち直れ、先生を忘れろ、なんて言わないよ。
 あんなに先生が好きだったんだもんな。泣きたくなったら泣けよ。
 気持ちに嘘をつくべきじゃない。好きなだけ泣けよ。
 誰かの胸の中で泣きたくなったら、いつでもオレを呼んでくれ。
 こんな胸でよかったら、いつだって貸すからサ」

一年、二年と学は影になり日向になり私を慰め、支え続けて呉れました。思えば、
小さい時からそうでした。学は、嬉しいにつけ悲しいにつけ、何時も私と一緒でした。

 
淫情5-2
(どうして、いままで気が付かなかったんだろう。ううん、それより私ったら何時でも
 学ぶをいいように、まるで召使いのように扱ってきた。でも・・・)
そんな理不尽な関係にあっても、学は一言も文句をつけた事など有りません。
それどころか、常に慈愛に満ちた目で私を見つめ続けて居て呉れたのです。

二十歳の春、私はある決心をしました。私がどうにか立ち直る事が出来たのは、
言うまでもなく学のおかげです。副嶋ほどハンサムでもなければ、
たいして収入もない平凡なサラリーマンの学ですが、私にとってはこれ以上、
望めないパートナーでした。

「こんな私でよかったら、学のお嫁さんにして。ダメ?」
「ほ、本気かい、澄子?オレ、夢見てるんじゃないか?!」
私からプロポーズしてから半年後、私は学ぶと華燭の典をあげました。
ひっそりとおごそかな式を終えたあと、私たちは熱海に新婚旅行へと旅立ったのです。

初夜は、文字どおり掛け値なしの初夜でした。
結婚式を挙げるまで、私たちは手一つ握らない清い関係を保っていたのです。
それだけに、私は緊張していました。

無論、私は処女と言う訳にはいきませんでした。学の女性経験は、よく判りません。 
が緋色の布団が二つ敷き並べられると、学も押し黙ってしまいました。
学も私と同様、ひどく固くなっているようでした。
電気を消すと、学が強ばった仕草で私を抱き寄せました。
緊張していたものの、しかし私の心は静かでした。

恋愛は、すべてが激しく情熱的なものとは限りません。
穏やかで心安らかな恋愛だってあるのです。副嶋との恋はもちろん前者、
そして学への想いは後者です。

「いよいよだな。いよいよ、オレの夢が叶うんだ」
学は微かに震えた、うわずった声で言いました。きっと、彼の気持ちは副嶋と初めて
カラダを交えるときの私の心境と同じだったに違いが有りません。

長いこと自分を待ち続けてくれた男に身を捧げる私の気持ちも、
また甘美極まりないものでした。私は学の腕の中へ進んでカラダを滑り込ませてゆきました。
「いまの私は、夢の中の女じゃないわ。私は、貴方だけのモノよ。
 今夜から、私たちは夫婦。宜しくね。死ぬまで離れないわよ。
 私より先に死んだら、許さないからね」

学ぶが遠慮がちな手つきで、私の浴衣を脱がせました。学も素っ裸になると、
初夜の儀式の始まりでした。私たちは、まず長い長いキスを交わしました。
優しい気持ちに成れるキスでした。心はときめいているのに、その一方で私は不思議と
安らぎを覚えていました。困難な旅を終えて、やっと古巣に辿り着いた渡り鳥の様な
心地だったのかも知れません。安堵感の中で、只管私は学に身を委ねていました。

学ぶが、乳首をついばみ始めました。
と、下腹の奥底からあの懐かしい快楽が滲み出てきたのです。
久しぶりでした。副嶋の死後、私はセックスやオナニーとは無縁でした。
「あっ、ああ、学。すっごくいいカンジよ。私こそ、夢の中にいるみたい・・・」

腰が、勝手に蠢いていました。彼の愛撫は、決して達者とは言えなかったかも知れません。
けれど、ガラス細工でも扱うような丁寧なタッチががっちりと女体の琴線を抑えていました。
舌先で乳首を丹念に転がされ、私はたちまち快感の湖へと誘われていったのです。
淫情5-3
学ぶが、乳首をついばみ始めました。
と、下腹の奥底からあの懐かしい快楽が滲み出てきたのです。
久しぶりでした。副嶋の死後、私はセックスやオナニーとは無縁でした。
「あっ、ああ、学。すっごくいいカンジよ。私こそ、夢の中にいるみたい・・・」

腰が、勝手に蠢いていました。彼の愛撫は、決して達者とは言えなかったかも知れません。
けれど、ガラス細工でも扱うような丁寧なタッチががっちりと女体の琴線を抑えていました。
舌先で乳首を丹念に転がされ、私はたちまち快感の湖へと誘われていったのです。

頭の中から副嶋との肉交の記憶が消え去るまで、さほど時間は掛かりませんでした。
学がワレメに顔を差し入れた途端、獣じみた性感が唸りを上げたのです。
「う、うあああーっ、まっ、学ぅーっ」
学の舌がクリトリスに吸い付くや、私は猛々しい欲情の虜となりました。
私は猛々しい欲情の虜となりました。
彼の頭を押さえつけ、右に左にと腰を振り回していたのです。

「い、いい気持ちだわっ。な、何て上手なのっ。あんたがこれほどやるなんて、
 いったいどこで修行してきたのよォォ!」
真面目一方だとばかり思っていたのに、学の舌使いは中々のモノでした。
学は、玄人女相手に遊んでいた、と白状しました。嫉妬より、快感が先に立ちました。
私は、アッという間に快楽の淵に追い込まれていったのです。

血湧き肉躍る愉悦が、待ったなしでせめぎ寄せて来ます。
間断なく肉襞を舐め啜られて、私はもはや絶頂の一歩手前でした。
堪らず、私は自らせがんでいました。
「お願い、来て、もう来て、学ゥ!」

学は慌てて私の下腹から身を起こすと、両足を抱え込みました。
そして、リンリンとそびえ立った股間でもって、私の中へ突き進んできたのです。
「うっ、ああーっ、き、きついーっ」
初夜の新妻にしては、あられもない声、悦がり様だったことでしょう。けれど、
私は何の気取りもなく演技もなく。ありのままの自分をさらけ出す事が出来ました。

学なら、あるがままの私を受け容れて呉れると言う確信がありました。
その確信は、過信では有りませんでした。
その後、四十年余りも私が幸福でいられたのが、その何よりの証拠だろうと思います。

兎にも角にも、私たちの初夜は歓喜に満ちたものでした。
新郎の逞しい勃起で散々突き回され、私は息も絶え絶えなほど喜びに咽んだのです。
昼は淑女、夜は娼婦と言う譬えは女性のものですが、
夫はまさにこの譬えを地でいく人でした。
昼間は優しいだけが取り柄のような人なのに、夜の生活では私をさめざめと泣かせて
呉れると言う素晴らしい一面も持ち合わせていたのです。

半世紀近い年月を、私はこの夫と共に歩んできました。
悔いることの無い人生だったと思います。

副嶋、夫、二人の男性に彩られた私の半生、それは一時期、
深い悲しみの底に沈んでいた時期もありますが、何と恵まれた時間だったことか、
と今更ながらに振り返らずには居られない今日この頃なのです。
END
  1. 純愛ポルノ
  2. / comment:0
  3. [ edit ]


comment


 管理者にだけ表示を許可する
 

プロフィール

アヤメ草

Author:アヤメ草
FC2ブログへようこそ!管理人の
アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

カレンダー

04 | 2024/05 | 06
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

フリーエリア

検索フォーム

Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

« 2024 05  »
Su Mo Tu We Th Fr Sa
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -


.