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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

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色あせたハンカチ。其の四

~雨上がりの戯れ~
色あせたハンカチ10
「コラッ、騙したのね、最初から痛くなかったんでしょ。意地悪ね」
奈津は私の体を畳の上に転がした。そして奈津もバランスをくずし、
折り重なるように体を預けて来た。しかし、それは一瞬のことだった。
畳の上で抱き合うような形になり、奈津は恥ずかしさで顔をパッと赤く染めると、
あわてて体を離してそのまま後ろを向いてしまったのである。

私の腕に濡れたワンピースの感触と共に、胸の柔らかな膨らみがはっきりと灼け付きついて、
それまで眠っていた男を呼び醒ました。
「ごめん奈津ちゃん」

声がかすれて、ソッと奈津の肩を抱いた。
「好きだから、大好きだから・・・子供みたいに意地悪したくなるんだ。ごめんよ」
奈津は何も言わなかった。沈黙が私の胸を痛いほど締め付けてくる。

「奈津ちゃん、オレが嫌いなの?」
「そうじゃないわ」
小さな声だったが、肩が小刻みに震えている。雨で濡れた寒さのせいばかりではない。
「そうじゃないけど、雅さん女の人にモテるもの。私なんか・・・」
「オレは奈津ちゃんしか目に入らない。ずっと、子供の頃から思い続けていたんだ」
「嘘よ、恋に恋してるだけだわ」
「違うって・・・愛してると断言できるよ、奈津ちゃんが卒業したら結婚しょう。
 オレ、真面目に働くから」
「それ、本気なの?」
「ああ、本気だとも」
「雅さんがそう言ってくれるだけで、嘘でも嬉しいわ・・・私を抱いて」

奈津は背中を向けたまま、私の胸に寄り掛かって来た。
 
色あせたハンカチ11
♪君は何処に

作詞 万屋 太郎 (横浜市在住)
作曲 玉置 琴  (埼玉県在住)
編曲 Takin   (埼玉県在住)
歌唱 柳都 アキラ(新潟県在住)

歌が聞けます。
家も変わって  人も変わった
生まれ故郷で 変わらぬ物は
優しき川の   静かな流れ
岸辺に立ちて 耳を澄ませば
水の囁き    草のざわめき
今わ亡き君   瞼に浮かぶ
 
山に分け入り 谷を巡って
探し当てたよ  二人の場所を
精霊住むと   言われた処
見上げる木立 耳を澄ませば
花の囁き    鳥の囀り
今わ亡き君   夢路に誘う
  
君が身胸に   顔を埋めた
遥か昔の    19のあの日
記憶の中で   留まった侭
夕陽に向かい 耳を澄ませば
風の囁き    虫の語らい
今わ亡き君   訪ねる旅路

  1. 色あせたハンカチ
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アヤメ草

Author:アヤメ草
FC2ブログへようこそ!管理人の
アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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