年上女の包容力。其の一
◇年上女の甘い肌◇
村上須賀子(仮名)は、当時私より八歳年上の三二歳でした。
イタリアのカンツォーネが好きで、陽気で人の好い女でした。
とくに美人と言うわけでもないのですが、なかなか愛らしい笑顔の持ち主でした。
そしてふっくらとした如何にも抱き心地のよさそうな体つきをしており、
どうしてその歳まで独り身でいるのが不思議なくらいでした。
「わたしって、男運が悪いのよ」
「じゃあ俺も、ろくでもない男ってことになるな」
「かもね」
初めてデートをしてそのままホテルに行った夜、ベッドの中で私に抱すくめられながら
須賀子は、ふふ、と猫の様に甘えた声で笑ったのでした。
彼女は、私が勤めていた電気部品製造会社の取引先の女事務員で、
まあ普段から親しく話はしていたのですが、ある晴れた日の昼休みに私が
会社の表でコンクリートの上に座って文庫本を読んでいたところ、
通りかかった須賀子が後ろから私にかぶさるようにして、
「ねぇ、何を読んでるの。小説かしら?」
と、覗きこんできて、そのとき振り返った私の目の前にみごとな乳房の膨らみがあり、
なんだかすごく親近感を覚えたのがきっかけでした。
そこで数分間好きな小説家の話などをして、最後に今度デートをしよう、
と私が誘ったのは自然な成り行きでした。
「今夜でも、いいわよ」
それが、須賀子の返事でした。
しかし一回めのデートでホテルまでついてくるくらいだから、
よほど尻の軽い女だろうと、私としても一回きりのアバンチュールで済ます積りでした。
もちろん彼女だって年上だしさっぱりした女だったし、
そういうつもりでついて来たのだろうと思いました。
だから彼女がいまだに独身であるのも、
「こんなふうに、男をかるくつまみ食いするようなことばかりしてるからじゃないの?」
私は調子にのって、ついそんな事を言ってしまいました。
とたんに彼女の表情が険しくなり、
「なによ、ばかにしないでよ」
険しくなった後、眼の中にキラリと滴が光ったように見えました。
「ごめん」
そう言って私は、さらに強く抱すくめようとしました。
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あのときもし私が力を抜いてしまったら、彼女はそのままベッドを降り、
とても気まずい事に成って居たかも知れません。
なんとか無理矢理押しとどめる事が出来たのは、
その時の私の股間はもうはち切れそうなほど硬くなっており、
その勢いだったのかも知れません。
それほどに、腕の中の女体は、生温かく蕩ける様な柔らかさでした。
しかもぴったりと吸い付いて来る様な餅肌で、これほど艶めかしい女体は
もう二度と抱く事は出来ないだろう、という思いがありました。
だてに男遍歴してきた訳じゃ無いと言うか、男が離したくなくなるような体だったわけで、
そして彼女の方も男なしでは居られないたちだったのでしょう。
怒って見せても体は熱っぽく火照ったまま、そのなまめかしい腰の動きで、
ぷっくりとした恥丘のふくらみが逸物を擦り立てていました。
「ごめん・・・」
しかし私は、謝るしかありません。
「ずっと君が好きだったんだ。でも、俺の方が君に好かれている自信なんて
持てる訳ないしさ。君は優しいから、欲求不満の淋しい男を
なぐさめて呉れるのかな、て思ったんだ」
まあ、恋人の居ない24歳の独身男としては、半分は本音で、
半分はその場を取り繕う為の口から出まかせでした。
「わたしだって・・・」
そう言って、しがみついてきました。
最後まで言わなくてもその気配は、この男はもう私の物だという安堵と自信が、
ちょっとたじろぐぐらいはっきりとせまって来るものでした。
元々私は年上の女から好かれる傾向があり、
私自身もそうした女の方が安心して付き合えると思って居たから、
それはまあそれで嬉しくなくも無かったのですが、
結婚というのはちょっと困るなあ、という思いもありました。
そう言うあいまいな気持を振り払うためには、スケベになるのが一番です。
私はそれまでセックスはムードでするものだなんて、なんとなくそんな風に
思っていたのだけれど、その夜はもうさっきの気まずさから追い立てられるように
中年男みたいなイヤらしさをむき出しにしてゆきました。
村上須賀子(仮名)は、当時私より八歳年上の三二歳でした。
イタリアのカンツォーネが好きで、陽気で人の好い女でした。
とくに美人と言うわけでもないのですが、なかなか愛らしい笑顔の持ち主でした。
そしてふっくらとした如何にも抱き心地のよさそうな体つきをしており、
どうしてその歳まで独り身でいるのが不思議なくらいでした。
「わたしって、男運が悪いのよ」
「じゃあ俺も、ろくでもない男ってことになるな」
「かもね」
初めてデートをしてそのままホテルに行った夜、ベッドの中で私に抱すくめられながら
須賀子は、ふふ、と猫の様に甘えた声で笑ったのでした。
彼女は、私が勤めていた電気部品製造会社の取引先の女事務員で、
まあ普段から親しく話はしていたのですが、ある晴れた日の昼休みに私が
会社の表でコンクリートの上に座って文庫本を読んでいたところ、
通りかかった須賀子が後ろから私にかぶさるようにして、
「ねぇ、何を読んでるの。小説かしら?」
と、覗きこんできて、そのとき振り返った私の目の前にみごとな乳房の膨らみがあり、
なんだかすごく親近感を覚えたのがきっかけでした。
そこで数分間好きな小説家の話などをして、最後に今度デートをしよう、
と私が誘ったのは自然な成り行きでした。
「今夜でも、いいわよ」
それが、須賀子の返事でした。
しかし一回めのデートでホテルまでついてくるくらいだから、
よほど尻の軽い女だろうと、私としても一回きりのアバンチュールで済ます積りでした。
もちろん彼女だって年上だしさっぱりした女だったし、
そういうつもりでついて来たのだろうと思いました。
だから彼女がいまだに独身であるのも、
「こんなふうに、男をかるくつまみ食いするようなことばかりしてるからじゃないの?」
私は調子にのって、ついそんな事を言ってしまいました。
とたんに彼女の表情が険しくなり、
「なによ、ばかにしないでよ」
険しくなった後、眼の中にキラリと滴が光ったように見えました。
「ごめん」
そう言って私は、さらに強く抱すくめようとしました。
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あのときもし私が力を抜いてしまったら、彼女はそのままベッドを降り、
とても気まずい事に成って居たかも知れません。
なんとか無理矢理押しとどめる事が出来たのは、
その時の私の股間はもうはち切れそうなほど硬くなっており、
その勢いだったのかも知れません。
それほどに、腕の中の女体は、生温かく蕩ける様な柔らかさでした。
しかもぴったりと吸い付いて来る様な餅肌で、これほど艶めかしい女体は
もう二度と抱く事は出来ないだろう、という思いがありました。
だてに男遍歴してきた訳じゃ無いと言うか、男が離したくなくなるような体だったわけで、
そして彼女の方も男なしでは居られないたちだったのでしょう。
怒って見せても体は熱っぽく火照ったまま、そのなまめかしい腰の動きで、
ぷっくりとした恥丘のふくらみが逸物を擦り立てていました。
「ごめん・・・」
しかし私は、謝るしかありません。
「ずっと君が好きだったんだ。でも、俺の方が君に好かれている自信なんて
持てる訳ないしさ。君は優しいから、欲求不満の淋しい男を
なぐさめて呉れるのかな、て思ったんだ」
まあ、恋人の居ない24歳の独身男としては、半分は本音で、
半分はその場を取り繕う為の口から出まかせでした。
「わたしだって・・・」
そう言って、しがみついてきました。
最後まで言わなくてもその気配は、この男はもう私の物だという安堵と自信が、
ちょっとたじろぐぐらいはっきりとせまって来るものでした。
元々私は年上の女から好かれる傾向があり、
私自身もそうした女の方が安心して付き合えると思って居たから、
それはまあそれで嬉しくなくも無かったのですが、
結婚というのはちょっと困るなあ、という思いもありました。
そう言うあいまいな気持を振り払うためには、スケベになるのが一番です。
私はそれまでセックスはムードでするものだなんて、なんとなくそんな風に
思っていたのだけれど、その夜はもうさっきの気まずさから追い立てられるように
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プロフィール
Author:アヤメ草
FC2ブログへようこそ!管理人の
アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。
私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。
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