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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

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・利尻の淫乱女の半生。其の八

◇運命の村
利尻の女08-1
釧路の缶詰工場へ行くという両親と別れた私と伝三さんは、
越年仕事をさがしに函館へ出ました。その頃は、
番屋で知り合った仲間達がお互いに出面仕事を世話したり、春先になると、
「どこそこの番屋は去年大漁だったそうだから、今年は行って見ないか」
と誘い合ったりしたものでした。

そんな仲間の世話で、私達は魚の加工工場で働く事になりました。
寝泊りする所は、工場の近くの雑貨屋の、二階の六畳間を間借りしました
私達はそこで、初めて二人っきりの新婚生活を始めました。
決して工場の仕事は楽ではないし貧乏でしたが、
今になれば一生忘れられない楽しい毎日でした。

私達は毎朝六時に工場に出て、夜は七時に部屋は帰ると晩飯をすませて、
よく銭湯へ出掛けました。番屋暮らしで魚の匂いには慣れている筈でしたが、
一日中鮮度の悪い魚の頭をもいだり腹を開いたりしていると、
体の中まで生臭い匂いがしみついて、気持がわるかったからです。

函館は北海道でも暖かい所ですが、その冬はよく吹雪きました。
そんな晩は、男湯から、「エヘン!」と伝三さんが合図をしてきて、
私も急いで上がると、二人で私の角巻にくるまって帰りました。

部屋まで帰る間に、手足が吹雪で冷え込んでしまいましたが、
寝床の中で抱き合うとすぐにポカポカしてきました。
もちろん、毎晩のように抱き合いました。

伝三さんのヘノコは父親の道具よりは細身でしたが、まずまず普通の大きさでした。
やり方も上手では有りませんでしたが、それは私の方が母親のやり方を見知って
いましたから、ああしてくれ、こうしてくれとねだって、そのうに伝三さんも巧者になりました。

年が明けると私達は函館から余市に出て、余市の近くの番屋で伝三さんは若い衆に、
私は母親の様に飯炊き女として働きました。そして、冬は余市から小樽へ出て、
やはり魚の加工工場で働いて越年すると、翌春は今度は、噴火湾の奥の、
M町に近い漁師村の番屋に雇われる事になりました。
この時も知り合いの仲間に誘われたからだと思います。 

その漁師村は、M港の西端の、岬と岬とに囲まれた入江の奥にあって、
人家はアイヌの家を加えて五十戸程もあったでしょうか。
割りあいとその頃としては大きな村でしたが、隣村までは磯伝いに半道(約2キロ)、
町へは夏場はもっぱら船便でしたが、時化てくる冬場は裏山伝いに、
獣道みたいな寂しい山道を三里(12キロ)近くも歩かなければ行けないと言う、
辺鄙で不便な村でした。

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利尻の女08-2
私達がこの村へ行ったのは、私が二十歳になった大正12年の春でした。
なぜそんな事を覚えているかと言うと、その年の秋に東京の方で大震災が有って
(関東大震災)なん千人もの人が北海道へ逃げてきたという噂で、伝三さんが、
「それじゃ俺の生まれた下町も駄目か」と、ひどく悲しそうな顔をしていたからです。

結局私達は、伝三さんが病気をしてその村に三年暮らしました。
そしてその間私は、母親のした事よりも、もっと浅ましい自堕落な真似を繰り返す
事になったのですが、そもそも私が初めてその村へ行く途中から、とんでもない
災難に遭ってしまいました。後で考えてみると、その災難に遭った時から私は、
男達のオモチャになるように、運命付けられていたような気がします。

小樽からその村へは、伝三さんが一人で先に行きました。
番屋には前から飯炊き女が居るとかで、夫婦で雇って貰えるかどうか分からないので、
ひと足先に伝三さんが行って、親方と掛け合って見る事にしたからです。
三日目に「話が付いたから来るように」と電報がきました。
私は小樽からM町まで心細い一人旅をしました。

汽車がMの町に着いたのは日暮れでした。
駅の人に番屋のある村までの道を聞いていると、丁度その村まで行くと言う富山の
薬売りが、一緒に連れて行ってやると言って呉れました。
薬売りは五十過ぎの親爺で、顔を見ると脂ぎっていて如何にも助平そうな男で、
不安でしたが一緒に連れて行ってもらうより仕方なかったので、
私は男の後から着いて行きました。

山道は直ぐに真っ暗になりました。男はさすがに旅馴れていて、
小さな小田原提灯を出して先に立って歩いていました。途中で男は、
「あの村へなにしに行く?」と聞くので、私は訳を話しました。
「そうか、番屋へ飯炊きに行くのか」と男は立ち止まって、私を振り返り、
提灯をかざして私の体をジロジロと見ていました。
きっと私が村の人とは関係の無い女だと知って、じゃ一発やってやろうとその時、
私の体つきを下調べしたのだと思います。

私は大声で助けを呼びましたが、誰も来てくれる訳がありません。
男は無理矢理私の着物の裾を臍まで捲り上げると、両腿を掬い上げて、
自分のモノに唾をつけ、早速私の急所へ突き入れてきました。
半分まで押し込まれると、情けない事に私の女の体は、自分から腰を遣って根元まで
咥え込んでしまいました。男のモノはそれほど立派な道具では有りませんでしたが、
年配だけに図々しく落ち着いていて、遣り方は上手でした。

私は仰向けにされて突き回されて居ましたが、裸の尻に当る枯れ草が濡れていて
冷たいのでそれを言うと、男は私を引き起してそのまま自分の膝の上へ抱き上げました。
そして下から思い切り腰を使って突き上げながら、前へ押し入れた手指でサネを弄ります。
私は必死に我慢したのですが、とうとう気をやってしまいました。
男は「お前さんの道具は締りがいい」と満足そうでした。
利尻の女08-3
私はその男の事は伝三さんに内緒にしました。仕方が無かったにせよ、
初めて他所の男に手籠めにされて自分も気をやったのが恥ずかしいし、
伝三さんにすまないような気がしたからです。

その年は噴火湾では珍しいのですが、建網にも鰊が乗って大漁でした。
いい番屋へ来たと私達は喜んだのですが、夏頃から伝三さんの体の具合が
可笑しくなりました。食欲がなくなり痩せてきて、熱もあって胸が苦しいというのです。

秋になると伝三さんはとうとう動くのも大儀に成りました。私は番屋の若い衆に頼んで、
磯舟で伝三さんを町へ連れて行ってもらい、お医者さんに診てもらいました。お医者さんは、
「肋膜に水が溜まって肺病になりかかっている。
 美味しいものを食わせてじーっと寝かせておかないと死んでしまう」と言うのです。

両親が別れる時「鰊番屋はゼニコになるが、無理して体を壊すから止めろよ」
と注意してくれましたが、その通りで、春先の鰊が大漁の時、一月近くも眠りもせずに
働き通しに働いたのが、伝三さんの体に応えたのでしょう。

私は番屋の親方が幸いその村の人でしたので、事情をはなして、
私だけでも其の侭居残りさせてもらえないか頼んでみました。
そうしてもらえれば寝泊りのする所の心配もなく、
伝三さんの看病がゆっくりできるからと思ったのです。

親方は七十近い、でっぷりと太った赤ら顔の、やっぱり女好きの看板をぶら下げた
感じの人でした。噂では、村の女房達で親方に抱かれた事の無い女は
一人も居ないと言う話でした。何しろ貧乏村で、自前の持ち船で漁をしているのは
二、三軒しかなくて、後の村の人は親方の所の船子をして暮らしていましたから、
女房が親方の手籠めにされても、面と向かって文句も言えなかったようでした。

私の頼みを聞くと親方は、
「番屋に居残るのもええが、病人を抱えての飯炊きァゆるくないべ。
 それよか、まァなんとかなるから村さ残れ」と言って、
アバラ屋でしたが、小さな家を私達に見つけてくれました。

後で考えると親方は、その時から私を村の若い衆の相手にしょうと目星をつけて、
それで特別に親切にして呉れたのではないかと思います。

建網が切り上げになると私達は、早速番屋の小屋から親方の世話をしてくれた家に移り、
私は自前の船で漁をしている家の出面仕事なぞをして、その村で暮らしを始めました。
  1. あの日あの頃
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アヤメ草

Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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