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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

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老いて益々盛んに。其の六

◇『銀馬車』の終焉
老いて益々6-1
昭和32年、33年、34年と走馬灯のように過ぎていった。
32年にはワイセツとは何か?・・・をめぐって「チャタレイ裁判」に有罪が下り、
売春防止法が施行された。
33年には狩野川台風で死者行方不明者1296人。
34年には伊勢湾台風で死者5041人、と世間は騒々しかった。

この間に美代が福島の実家に戻り、見合いして農家に嫁いでしまった。
彼女が帰省する前夜、私は彼女を一泊で温泉旅館に誘い、
それまで貯めていた少しの貯金を、全て彼女に祝儀として手渡してやった。
私の出来る餞別のそれがすべてだった。
その後、二、三年は何度か手紙が来たが、やがて音信不通になっていった。

秋江も店を変わって行った。バーのホステスになって出て行った後、
何度か付き合ったが、その後、行方不明になってしまった。

キャバレー『銀馬車』もホステスの出入りが激しかった。その中の一人に倫子という娘がいた。
年齢は二十歳、色白の比較的無口な女だった。バー勤めから入店してきたという事だった。

私は当時、24歳だったと思う。倫子を見た途端に欲望をそそられ、
早々にアタックを開始していた。店が終わると彼女を誘って飲んだ。
倫子は二歳年上のバー勤めの先輩と一緒に住んでいる、と言った。
アパートに送っていって、先輩の良子と言う女が帰っていなかったので、
チャンスと見て倫子に迫っていき抱いた。

倫子はハァハァ喘ぎ声を漏らすだけで、積極的に快感を言葉に表さない。
ただ人形のように私に身を委ねているだけだった。
そんな彼女だが膣の中は煮えたぎった欲望の塊だった。

いきり立った股間のモノを突っ込むと、倫子の入口の筋肉が強い力で締め付けてきて、
生温かい無数の肉襞がザワザワと蠢き、ペニスに絡み付いて絞り込んできた。
「すばらしい身体だよ、倫子ちゃん」
わたしが褒めると、
「あたしには判らないの・・・身体が勝手に動いているみたい」

やっとひとこと細い声で言った。しかし倫子は昇り詰めることはなかった。
何か必死に抑えているように私には見えた。
 
老いて益々6-2
数日後にまた私は彼女を誘って送って行き、先輩の良子がいないので、
また倫子を抱いた。倫子は前回同様に私に身を委ね、声を殺して喘ぐだけだった。
私が彼女の中に入ろうとした時、先輩の良子が酔って帰ってきた。

良子と私は初対面である。しかし彼女はビックリした様子も無く、
「あなたが望月さんね、倫子から聞いたわ、
 はやく男性恐怖症を取り除いてやってね、出来れば、
 後であたしも抱いてくれない。ここんところ男日照りなの」

台所から一升ビンを持ってきて、コップで飲み始めた。
気さくな女だと感じた私はそのまま倫子の中にペニスを突っ込み、
「倫子ちゃんが男性恐怖症って?」
ペニスに纏わりつく、肉襞の快感に身を委ねながら良子に訊ねた。

「中学生の時に、スケベな野郎に輪姦されたのよ。
 それ以来男がダメになってしまって、倫子はレズの世界に入ったのよ。
 それで何とか、男好きにさせてやろうと考えていたの・・・
 そしたら望月さんって彼が出来たって言うので、少し安心したわ。
 この前望月さんに抱かれて相性が良かったみたいね、少し感じ初めたって言っていたわ」

良子が笑顔を浮かべて答えた時、
「ああ・・・良子姉さん、身体の中がドロドロに成ってくるみたい・・・」
倫子が甘いくぐもり声で言って、腰をくねらせはじめた。
「こけし「バイブレーターのことを当時はそう呼んでいた)より、
 本物のタマタマの方がいいでしょう・・・」
「ああ・・・いいわぁっ、くくくっ・・・」

倫子は喉の奥から声を絞り出し急速に昇り詰めていった。良子にあおられたみたいだ。
倫子に続いて良子も抱いた。彼女はレズでも男でも遊べる両性愛者だった。
良子が勤めているバーは、レズビアンクラブであり、
倫子も其処に以前勤めていた事がある、と言う事だった。

良子が身悶えし始めると、倫子もまた欲情が再び刺激されたらしく、
自分にも挿入してくれと私にせがんできた。

「良子姉さん、あたしの彼よ、望月さんは」
私が迷っていると、こんな事を言う倫子に、良子が倫子を促して、
並んで犬の格好になり、尻を突き出してきた。
老いて益々6-3
私は倫子と良子の背後を左右に移動して、二つの女性器の肉襞の感触を
交互に愉しんだ。そして最初は倫子の中で、二回目は良子の中で射精したのだった。

それ以来私は二人の女と遊ぶ時は、必ずこのプレイをするようになった。

私が25歳の時、キャバレー『銀馬車』の社長が交通事故で死亡し、
店がヤクザの親分に売り渡された。そのために私は首になり、
二ヶ月余りブラブラして、前述した大手印刷会社に就職したのだった。

◇◇
私は、最近妻の変化に驚いている五歳年下の67歳だが、
今が女として遅咲きの満開である。趣味で始めたフラダンスやカラオケは若返りの
秘薬だとか、ご近所の方々にも10歳は若く見られると言っては自慢する。

三人の娘をそだて上げ、閉経した直後から女として芽吹き、私の手で開花したようだが、
今の私には少々手に余すほどの女になった。
五年ほど前からスワッピングも体験させたが、最後には「やっぱりお父さんが一番よ」と
言ってくれる。

キャバレー勤めだったころの美代、秋江、そして倫子や良子をはじめとする
数々のホステスたちのように、いま妻はそのセックスの快楽をむさぼっている。
私を求める妻の顔は生き生きしているのだ。

昨夜も私は妻を抱いた。途中から妻の求めに応じてシックスナインに成って
お互いの性器を舐めあった。私の瞼の裏に、またホステスたちの思い出が蘇った。
遭えるものなら遭ってみたい。遭って、愉しかった思い出の礼を言いたい。

そんな思いに浸りながら妻のオマンコを弄っていると、「早く」と挿入を求めてきたので、
あわててペニスを押し込んでいった。
「ああ・・・あたし、いましあわせよ。あなたに会えて最高にしあわせっ」

妻が叫んで私に下からしがみついて来た。その妻の甘い響きのただよう喘ぎ声は、
あの懐かしいホステスたちの遠吠えのようにも聴こえた。
その彼女らの思い出を抱いて、私は今燃え尽きようとしているのかも知れない・・・。
END
  1. 老いて益々
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アヤメ草

Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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