暗い過去を背負った継母。其の三
◇一人息子の家庭内暴力
三島の家に入る事には一大決心が必要でした。
自分のしてきた商売の事も気がかりでしたが、やはり何と言っても一番の心配は
三島の一人息子の事でした。三島のことは心から愛していましたが、その息子と
上手くやっていけるかどうかと言う事より、彼の息子が突然、現れた父親の再婚相手を
母親と認めてくれるか否か、認めてくれない可能性の方が高いのです。
私の不安は的中しました。
三島の息子の三島恒彦は、扱いにくい事この上ない少年でした。
都内の私立高校に籍こそ置いてはいましたが、まともに学校に通っている
様子はありません。その代わり仲間と繁華街に繰り出すのが日課だったのです。
それに今で言う家庭内暴力というのでしょうか、恒彦には何か気に入らない事が有ると、
家の中をメチャメチャにする凶暴性がありました。
「恒彦にはオレの跡を継いで医者になってくれと言う積もりは無い。
まともな社会人にはなって欲しい。せめて、高校くらいはちゃんと卒業して欲しいんだ」
「分かってるわ、あなた、何とか恒彦さんを説得してみます」
「ああ、オレの言う事には何でも逆らうが、奴も君になら心を開くかもしれない。
不甲斐ない父親で申し訳ないがよろしく頼むよ」
「ええ、何とかしてみます。私なりに説得してみるわ」
と、胸を叩いたのはよかったものの、まったく自信はありませんでした。
恒彦は私を母親として見てくれるどころか、ろくに口も利いて呉れなかったのです。
しかし、今まで数々の修羅場をくぐって来た私です。其の位の事にへこたれたりは
しませんでした。何とか愛する人の役に立とうと日々努力を重ねたのです。
本当に毎日が戦いでした。恒彦はあくまでも頑なで、しかも躾けられていない獣のようでした。
彼は私に敵意を剥き出しにしてくるのです。
私を見る目は如何にも汚らわしげで、時折自分の過去を知られている様な
気になりました。恒彦にとって、私は亡くなった母親の後釜にちゃっかり入り込んだ売女
でしかなかったようです。私の言う事などに、彼はまったく聞く耳を持ちませんでした。
「どうして分かってくれないの?学校へ行きなさい。あなたの行くところは、
盛り場なんかじゃないのよ。あなたはまだ学生なのよ。そんな事で将来どうするの・・・」
その朝も恒彦は学校へ行くそぶりを見せませんでした。
夫はとっくに病院に出勤していて、私は独り恒彦の部屋をドンドンとノックしていました。
「うるせえな!おまえにゃ関係ないだろうが。赤の他人にツベコベ言って欲しくねぇっ」
ようやくドアが開き、恒彦が険悪な顔を見せました。長く伸ばした髪を茶色く染め、
いかにも不良然とした恒彦ですが、起抜けの顔はやはり高校生らしい少年ぽさが
残っていました。私は無理矢理彼の部屋に入っていきました。
「他人じゃないわ、あなたは認めてくれなくても、私はあなたの母親なのよ」
「母親?ふん、母親が聞いて呆れるぜ。あんたはそのでっかいオッパイで
父親をたぶらかした女に過ぎないんだよ。そんな女に説教される筋合いはないね!」
「お黙りなさい。今日という今日はぜったいに引き下がらないわよ。学校へ行きなさい、さあ!」
恒彦の言葉に私はカッとして、彼のパジャマの襟首を掴んでいました。
何とか恒彦を更正させようと焦る余り、私も遣り過ぎてしまったのかも知れません。
「さっさと着替えて登校の用意をするのよ。さあ、パジャマをぬいでっ」
「しつこい女だな、オレに対して偉そうな口きくな、痛い目に合わせるぞ」
「また暴力?能のない僕ね。私を脅かすつもりなら無駄よ。覚悟は出来てるわ。
殴られようが蹴られようが、あなたが真面目に成ってくれるまで私は諦めませんからねっ」
私はきつい目で恒彦を見返しました。しかし、私のこの熱意が裏目に出る事になったのです。
次の瞬間、私は恒彦の平手打ちを食らい、ベッドに投げ飛ばされていました。
「へええ、覚悟は出来てるのか。今日の暴力はいつもとチと違うぜ」
ギラギラ光る目で恒彦は私に飛び掛ってきました。
「やめなさいっ、何をする気!?離しなさい、離して、バカな真似はやめて!」
恒彦は傍らにあった飛び出しナイフを掴むと、それでビリビリと私の服を引き裂きました。
刃物の鋭い切っ先が私を凍りつかせます。
「思い知らせてやるのさ、あんたの立場ってやつをな。あんたはいい気になりすぎてる」
恒彦はナイフの腹でピタピタと私の頬を叩きました。
「女にはカラダで分からせてやるのが一番なのサ。
ま、売女のあんたにゃ屁でもないかもしれないがな」
とても高校生とは思えない口の利きようでした。私は恐怖に固まっていました。
「しっかしでっかいオッパイしてるよな。あの堅物親父も、
あんたの色仕掛けにコロッと参っちまったってわけか。あんたみたいな女が、
世間知らずの親父をだまくらかすのはわけなかっただろうな。
でもな、オレはそう感嘆にはいかないぜ」
「うううっ、や、やめなさい、やめてェ・・・」
恒彦はナイフを投げ捨てると乳房を鷲掴みにしました。幾ら大きいとは言っても、
力任せに絞り上げられては痛くてなりませんでした。
「ふふっ、そう言いながらも乳首が勃つてるじゃないかよ」
「う、嘘っ、バカ言いなさい。誰が息子相手に感じるもんですかっ」
「だからよ、無理すんなよ。オレはあんたの息子じゃねえんだから」
三島の家に入る事には一大決心が必要でした。
自分のしてきた商売の事も気がかりでしたが、やはり何と言っても一番の心配は
三島の一人息子の事でした。三島のことは心から愛していましたが、その息子と
上手くやっていけるかどうかと言う事より、彼の息子が突然、現れた父親の再婚相手を
母親と認めてくれるか否か、認めてくれない可能性の方が高いのです。
私の不安は的中しました。
三島の息子の三島恒彦は、扱いにくい事この上ない少年でした。
都内の私立高校に籍こそ置いてはいましたが、まともに学校に通っている
様子はありません。その代わり仲間と繁華街に繰り出すのが日課だったのです。
それに今で言う家庭内暴力というのでしょうか、恒彦には何か気に入らない事が有ると、
家の中をメチャメチャにする凶暴性がありました。
「恒彦にはオレの跡を継いで医者になってくれと言う積もりは無い。
まともな社会人にはなって欲しい。せめて、高校くらいはちゃんと卒業して欲しいんだ」
「分かってるわ、あなた、何とか恒彦さんを説得してみます」
「ああ、オレの言う事には何でも逆らうが、奴も君になら心を開くかもしれない。
不甲斐ない父親で申し訳ないがよろしく頼むよ」
「ええ、何とかしてみます。私なりに説得してみるわ」
と、胸を叩いたのはよかったものの、まったく自信はありませんでした。
恒彦は私を母親として見てくれるどころか、ろくに口も利いて呉れなかったのです。
しかし、今まで数々の修羅場をくぐって来た私です。其の位の事にへこたれたりは
しませんでした。何とか愛する人の役に立とうと日々努力を重ねたのです。
本当に毎日が戦いでした。恒彦はあくまでも頑なで、しかも躾けられていない獣のようでした。
彼は私に敵意を剥き出しにしてくるのです。
私を見る目は如何にも汚らわしげで、時折自分の過去を知られている様な
気になりました。恒彦にとって、私は亡くなった母親の後釜にちゃっかり入り込んだ売女
でしかなかったようです。私の言う事などに、彼はまったく聞く耳を持ちませんでした。
「どうして分かってくれないの?学校へ行きなさい。あなたの行くところは、
盛り場なんかじゃないのよ。あなたはまだ学生なのよ。そんな事で将来どうするの・・・」
その朝も恒彦は学校へ行くそぶりを見せませんでした。
夫はとっくに病院に出勤していて、私は独り恒彦の部屋をドンドンとノックしていました。
「うるせえな!おまえにゃ関係ないだろうが。赤の他人にツベコベ言って欲しくねぇっ」
ようやくドアが開き、恒彦が険悪な顔を見せました。長く伸ばした髪を茶色く染め、
いかにも不良然とした恒彦ですが、起抜けの顔はやはり高校生らしい少年ぽさが
残っていました。私は無理矢理彼の部屋に入っていきました。
「他人じゃないわ、あなたは認めてくれなくても、私はあなたの母親なのよ」
「母親?ふん、母親が聞いて呆れるぜ。あんたはそのでっかいオッパイで
父親をたぶらかした女に過ぎないんだよ。そんな女に説教される筋合いはないね!」
「お黙りなさい。今日という今日はぜったいに引き下がらないわよ。学校へ行きなさい、さあ!」
恒彦の言葉に私はカッとして、彼のパジャマの襟首を掴んでいました。
何とか恒彦を更正させようと焦る余り、私も遣り過ぎてしまったのかも知れません。
「さっさと着替えて登校の用意をするのよ。さあ、パジャマをぬいでっ」
「しつこい女だな、オレに対して偉そうな口きくな、痛い目に合わせるぞ」
「また暴力?能のない僕ね。私を脅かすつもりなら無駄よ。覚悟は出来てるわ。
殴られようが蹴られようが、あなたが真面目に成ってくれるまで私は諦めませんからねっ」
私はきつい目で恒彦を見返しました。しかし、私のこの熱意が裏目に出る事になったのです。
次の瞬間、私は恒彦の平手打ちを食らい、ベッドに投げ飛ばされていました。
「へええ、覚悟は出来てるのか。今日の暴力はいつもとチと違うぜ」
ギラギラ光る目で恒彦は私に飛び掛ってきました。
「やめなさいっ、何をする気!?離しなさい、離して、バカな真似はやめて!」
恒彦は傍らにあった飛び出しナイフを掴むと、それでビリビリと私の服を引き裂きました。
刃物の鋭い切っ先が私を凍りつかせます。
「思い知らせてやるのさ、あんたの立場ってやつをな。あんたはいい気になりすぎてる」
恒彦はナイフの腹でピタピタと私の頬を叩きました。
「女にはカラダで分からせてやるのが一番なのサ。
ま、売女のあんたにゃ屁でもないかもしれないがな」
とても高校生とは思えない口の利きようでした。私は恐怖に固まっていました。
「しっかしでっかいオッパイしてるよな。あの堅物親父も、
あんたの色仕掛けにコロッと参っちまったってわけか。あんたみたいな女が、
世間知らずの親父をだまくらかすのはわけなかっただろうな。
でもな、オレはそう感嘆にはいかないぜ」
「うううっ、や、やめなさい、やめてェ・・・」
恒彦はナイフを投げ捨てると乳房を鷲掴みにしました。幾ら大きいとは言っても、
力任せに絞り上げられては痛くてなりませんでした。
「ふふっ、そう言いながらも乳首が勃つてるじゃないかよ」
「う、嘘っ、バカ言いなさい。誰が息子相手に感じるもんですかっ」
「だからよ、無理すんなよ。オレはあんたの息子じゃねえんだから」
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プロフィール
Author:アヤメ草
FC2ブログへようこそ!管理人の
アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。
私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。
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