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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

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若き日の少女の純愛。其の四

◇破瓜の儀式
水玉模様
井の頭線の階段を降りて、左手に五十歩程歩くと、
[ムーン・ライト]の洒落た木製のドアがある。
各席はキャンドルの明かりだけ。暗い店内中央のピアノだけが照明を浴びている。
そのピアノには、仲良くなった中年のピアニストが楽譜をめくっていた。

私は片手を挙げて挨拶した。笑顔で頭を下げた彼が、すぐ鍵盤に両手を伸ばす。
ムーン・リバー。来れば私が必ずリクエストする曲だった。
何時ものように、支配人が私を席に案内してくれる。

ステーキが八百円。バイオレット・フィズのカクテルが百五十円。
ウイスキーのダブルも二百円。その夜の懐なら大余裕だ。

好みの曲を弾き続けてくれるピアニストに酒を奢り、
支配人や料理を運んでくれるウェイターにもチップを渡し、冗談を交わす。
どうにも鼻持ちなら無い若造で、思い出したくも無いが、仕方が無い。
それが私の青春時代の素顔だった。

その場の雰囲気に呑まれて、初めは強ばっていた朝子の表情が、
カクテルの酔いもあってか緩み、
銀座では見たことが少ない、笑顔が浮かび続けるようになった。

酔って愉しげにはしゃげば、リスのような眼は可愛く、小さく幼そうな肢体にも
魅力が生まれる。ノースリーブの肩口から露な二つの腕や、薄めに膨らむ
乳房の形も、酔いの回った眼で眺めれば官能的だった。

私は腕時計を見た。深夜の一時少し前。タクシーの初乗りは八十円。
だが、まだ鶴見まで朝子を送る気にはならなかった。

勘定を済ませて外に出て、ふらつく朝子の肩を抱いて身を支え、
相合傘で道玄坂の暗い裏道を登った。
道は途中で、玉川線の雑草が繁る線路沿いになる。
私は朝子の腰を引き寄せた。思った以上の尻の弾力。
私は無防備に仰向いた小さな唇に口を重ねた。

朝子はキスに応えた。しがみつく腕の力の強さに、それが彼女の意志だ、
と私は勝手に解釈して、道玄坂を横断して丸山町。連れ込み宿は何軒もある。
宿泊料は五百円程度。その夜の私には安いものだった。
 
指先の詩03
夜具の中で抱いた朝子は、歯の根も合わぬほど震えていた。
私は唇にキスをし、スリップの下のゴワつくブラジャーの中に片手を入れる。
薄く固い膨らみも、ブラを押し上げて剥き出した乳首も幼い。
その小さな肌色の乳首に、私は荒々しく吸い付いた。

悲鳴を漏らした朝子が、私の胸から押し退け様とする両手を払い除け、空いた片手で
白い綿のパンティをむしり取る。朝子の身体が硬直し、諦めたように動き始めた。

陰毛は淡かった。性器の亀裂は深く、小さなピンクの突起が覗いていた。
私は固く弾む乳房を口で愛撫しながら、その性器を指で弄り指先を狭い膣道の奥へ
進めた。朝子はすすり泣きを漏らして、両手で顔を覆って弱々しく身悶える。

蜜の漏れは少なかった。だが、私も未だ若かった。怒張したペニスの熱にせかされて、
愛撫の途中で私は朝子に重なった。挿入し、強く腰を突き上げた瞬間はっきりと、
私は硬直した亀頭が朝子の処女膜を突き破る感触を味わった。

痛い、と朝子が悲鳴を喉で絞った。
その苦痛に仰け反る朝子の歪んだ表情、抱き押さえた肌の熱さ、
そしてペニスに走ったその時の疼痛に似た甘痒い感触が、
今でも切なく、私の記憶に残っている。

この時代、今では考えられないほど処女が多かった。
女性遍歴を重ねていた私は、何人かの処女を頂いていた。
だが、その夜の朝子との一回限り、十数分間のセックスは、
私が残虐な所業を犯したかのように、何時までも忘れる事ができなかった。

朝子は、親友竜郎の妹だったから・・・しかし、詫びの気持ちでそう記しても、
その夜の私は朝子に対して、もっと酷い事をしてしまったのだ。
腕の中で眠ってしまった朝子の枕元に、タクシー代の千円札を残して、
私は旅館から逃げ出してしまったのである。

そして、その二ヵ月後の九月中旬。私はF店を辞めてしまった。
その理由も卑怯だった。
朝子から何度も、店に電話が掛かって来るように成ったからだった。

そしてその後の数年間、私が二十八歳で妙に気の強い女性と結婚して、
翌年に横浜にある商店Mで働くようになるまで、
私は自堕落な生活を送って居のだ。
  1. 処女娘の執念
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アヤメ草

Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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