昭和のメルヘン・ゆびさきの詩(うた)。其の十五
◇女のなやみ(Ⅲ)
彼と彼女の情火が炎となって、その熱気が部屋にこもって息苦しく、
「志津ちゃん」
「辰雄さん」
互いの名を呼びかうのももどかしく抱擁したまま身をくねらせて、
また激しく唇を吸いあった。
火のような男女の激突をよそに、
戸外では秋の虫がチチ・・・チチ・・・と鳴いている。
「辰雄・・・にい・・・さん・・・隣・・・の・・・へ・・・や・・・に・・・抱・・・いて・・・いつて・・・」
甘えるように訴える志津子を抱いた彼はふらつく足を踏みしめながら、
隣室の夜具の上に志津子を降ろすとそのまま彼女に覆い被さって倒れた。
男盛りの四十歳は性の悶えを知る熟れ盛りである。
二人はうめき狂う性交の悶えを充分に知り尽くした年頃である。
志津子の胸元をかき分けて忍び寄る逞しい彼の指が軟らかい乳房を巧みに揉み、
小さな乳首が硬直すると、そーつと口を寄せて軽く噛む、
むせる様な女の体臭が男の官能をくすぐって彼をしびれる様な桃源郷に誘う。
あの頃より厚みを加えて線の固定した腰から尻、
そして太腿を彼の指が堪能するまでに撫でて恥毛をもてあそび、
掻き分けて淫核に臨んだ。
手と共に敏感を加える志津子の女の急所がピクピクと呼吸して固く脈打つ。
性感帯の疼きが切羽詰った様なため息を漏らして、
「フツーン・・・アア・・・ッ・・・・フツウーン・・・む
しなやかな腕が生き物のような男の首に絡みついてのた打っている。
身体の総ての部分で男に噛み付く嵐の様な血潮が騒いで、
二人の性感の波をいやが上にもそそりたてて大きなうねりに育ててゆく。
怒涛のようなうねりが過ぎ去ると、次の盛り上がりの僅かな静けさの中で
シューツシューツと博多帯びの触れ合う音が妖しく男女の昂ぶりに
一入風情を添えて狂いたたせた。
女盛りの白い肢体を惜しげもなく晒して辰雄を迎える志津子の眼差しに
此の一時に生命さえも掛けかねぬ風情さえ見せて・・・。
覆い被さる逞しい彼の裸体と共にピンク色のセードを透した光の中に浮き出ている。
逞しい筋肉の盛り上がる男性美と・・・なよやかな線の美しさを見せる女体の柔らかさ・・・。
その対比は妖しいセクシームードの中に目眩を覚える程である。
彼は志津子の太腿の間に両膝を入れた。
女の両脚をぐっと持ち上げ、抱え込んで腰を落とした。
女の全身が粘膜のようなしなやかさで男の肌に吸い着く様にくねりを見せる。
彼は、勃起した亀頭の先を早くも濡れた膣に僅かに入れ左の中指の先で、
淫核の下側をクリクリ、クリクリ柔らかく・・・強く、また早く遅くリズムをつけ、
アクセントをつけてすりあげながら、残り四本の指が尺取虫のように、
淫唇の淵から太腿の付け根辺り一帯をもみ上げ、すりつけ、妖しく蠢く。
右腕を志津子の首に巻き、背中を経て、サクランボの様な乳首に戯れ、
片方の乳首に口を寄せて吸い、舌先でチロチロとくすぐり柔らかく噛み付く。
二箇所の性感帯を同時に攻め立てられて、志津子の女体が身悶えて、
喘ぎ喘ぎ次の強い刺激を期待する。
脊椎を駆け巡る電流の様な耐え難い呻きを呼んで、息を殺し声を忍べば忍ぶほどに、
性感の律動が昂ぶって、身体全身を駆使して汗みどろの動きを示す。
巧みな彼の口と舌、それに指先が志津子を極度に煽りたてて性感を盛り上がらせてゆく。
その男根は時々、緩やかに亀頭だけを抜き差ししてピクンと脈打たすと、
そのもどかしさに女体を燃やして、膣の奥に耐え難い痒みを覚えて苛立たしさに、
その部分だけが別個の生物のように大きく呼吸している。
「アア・・・ウウン・・・イ・・・レ・・・テ・・・早く・・・早く・・・」
軟骨動物の如く尻をくねらせ腰を持ち上げて押し付けてくる。
昂まった女体の高鳴りはとどまるところを知らず、吐く息、吸う息が切なく呻くのだった。
「アア・・・ア・・・ナ・・・タ・・・」
その瞬間を求めて満を持していた彼は男根に煽りをくれてくれて、
ブスーッと一気に根元まで突っ込み、腰を捻って押し付けて子宮口を捏ね回すと、
「ハァーッ・・・ウウウ・・・ソ・・・コ・・・ヲ・・・ソ・・・コ・・・ヲ・・・タ・・・ス・・・ケ・・・テ・・・
クッ・・・ウッ・・・ワ・・・タ・・・シ・・・モウ・・・ウ・・・ウ・・・ウ・・・ツ」
泣き叫ぶ、連続しない単語が、昂ぶる女体を表現していた。
仰け反りながら、オルガスムスの絶頂を極めて、男の亀頭を熱いもので包んで、
ピクッピクッと女陰が痙攣している。
辰雄は、歯を喰いしばって最後を極めるため熱い息を吐きながら、喘いでいる。
そのいきり立った男根が刻一刻と、最後のあがきに昂まってきて・・・、
十数年の空白を経て、その生命を喜んで、静かに、静かに抱擁したまま動かなかった。
一晩泊りで志津子の徒然を見舞った辰雄は、消えて消えない昔の恋心を
掻き立てられて志津子の総て千々に乱されて、里帰りしたお兼が戻るまでの三日間・・・
嵐の様な情交を重ねた。
常視を逸した快楽が後ろめたい悔の様な後味を感じて、
明日こそは別れを告げねばと思う辰雄に電報が来た。
“サチコヤマイキュウヘンス、キトクスグカエレ ハハ”
辰雄は一瞬目眩がしてその場にうずくまった。
彼と彼女の情火が炎となって、その熱気が部屋にこもって息苦しく、
「志津ちゃん」
「辰雄さん」
互いの名を呼びかうのももどかしく抱擁したまま身をくねらせて、
また激しく唇を吸いあった。
火のような男女の激突をよそに、
戸外では秋の虫がチチ・・・チチ・・・と鳴いている。
「辰雄・・・にい・・・さん・・・隣・・・の・・・へ・・・や・・・に・・・抱・・・いて・・・いつて・・・」
甘えるように訴える志津子を抱いた彼はふらつく足を踏みしめながら、
隣室の夜具の上に志津子を降ろすとそのまま彼女に覆い被さって倒れた。
男盛りの四十歳は性の悶えを知る熟れ盛りである。
二人はうめき狂う性交の悶えを充分に知り尽くした年頃である。
志津子の胸元をかき分けて忍び寄る逞しい彼の指が軟らかい乳房を巧みに揉み、
小さな乳首が硬直すると、そーつと口を寄せて軽く噛む、
むせる様な女の体臭が男の官能をくすぐって彼をしびれる様な桃源郷に誘う。
あの頃より厚みを加えて線の固定した腰から尻、
そして太腿を彼の指が堪能するまでに撫でて恥毛をもてあそび、
掻き分けて淫核に臨んだ。
手と共に敏感を加える志津子の女の急所がピクピクと呼吸して固く脈打つ。
性感帯の疼きが切羽詰った様なため息を漏らして、
「フツーン・・・アア・・・ッ・・・・フツウーン・・・む
しなやかな腕が生き物のような男の首に絡みついてのた打っている。
身体の総ての部分で男に噛み付く嵐の様な血潮が騒いで、
二人の性感の波をいやが上にもそそりたてて大きなうねりに育ててゆく。
怒涛のようなうねりが過ぎ去ると、次の盛り上がりの僅かな静けさの中で
シューツシューツと博多帯びの触れ合う音が妖しく男女の昂ぶりに
一入風情を添えて狂いたたせた。
女盛りの白い肢体を惜しげもなく晒して辰雄を迎える志津子の眼差しに
此の一時に生命さえも掛けかねぬ風情さえ見せて・・・。
覆い被さる逞しい彼の裸体と共にピンク色のセードを透した光の中に浮き出ている。
逞しい筋肉の盛り上がる男性美と・・・なよやかな線の美しさを見せる女体の柔らかさ・・・。
その対比は妖しいセクシームードの中に目眩を覚える程である。
彼は志津子の太腿の間に両膝を入れた。
女の両脚をぐっと持ち上げ、抱え込んで腰を落とした。
女の全身が粘膜のようなしなやかさで男の肌に吸い着く様にくねりを見せる。
彼は、勃起した亀頭の先を早くも濡れた膣に僅かに入れ左の中指の先で、
淫核の下側をクリクリ、クリクリ柔らかく・・・強く、また早く遅くリズムをつけ、
アクセントをつけてすりあげながら、残り四本の指が尺取虫のように、
淫唇の淵から太腿の付け根辺り一帯をもみ上げ、すりつけ、妖しく蠢く。
右腕を志津子の首に巻き、背中を経て、サクランボの様な乳首に戯れ、
片方の乳首に口を寄せて吸い、舌先でチロチロとくすぐり柔らかく噛み付く。
二箇所の性感帯を同時に攻め立てられて、志津子の女体が身悶えて、
喘ぎ喘ぎ次の強い刺激を期待する。
脊椎を駆け巡る電流の様な耐え難い呻きを呼んで、息を殺し声を忍べば忍ぶほどに、
性感の律動が昂ぶって、身体全身を駆使して汗みどろの動きを示す。
巧みな彼の口と舌、それに指先が志津子を極度に煽りたてて性感を盛り上がらせてゆく。
その男根は時々、緩やかに亀頭だけを抜き差ししてピクンと脈打たすと、
そのもどかしさに女体を燃やして、膣の奥に耐え難い痒みを覚えて苛立たしさに、
その部分だけが別個の生物のように大きく呼吸している。
「アア・・・ウウン・・・イ・・・レ・・・テ・・・早く・・・早く・・・」
軟骨動物の如く尻をくねらせ腰を持ち上げて押し付けてくる。
昂まった女体の高鳴りはとどまるところを知らず、吐く息、吸う息が切なく呻くのだった。
「アア・・・ア・・・ナ・・・タ・・・」
その瞬間を求めて満を持していた彼は男根に煽りをくれてくれて、
ブスーッと一気に根元まで突っ込み、腰を捻って押し付けて子宮口を捏ね回すと、
「ハァーッ・・・ウウウ・・・ソ・・・コ・・・ヲ・・・ソ・・・コ・・・ヲ・・・タ・・・ス・・・ケ・・・テ・・・
クッ・・・ウッ・・・ワ・・・タ・・・シ・・・モウ・・・ウ・・・ウ・・・ウ・・・ツ」
泣き叫ぶ、連続しない単語が、昂ぶる女体を表現していた。
仰け反りながら、オルガスムスの絶頂を極めて、男の亀頭を熱いもので包んで、
ピクッピクッと女陰が痙攣している。
辰雄は、歯を喰いしばって最後を極めるため熱い息を吐きながら、喘いでいる。
そのいきり立った男根が刻一刻と、最後のあがきに昂まってきて・・・、
十数年の空白を経て、その生命を喜んで、静かに、静かに抱擁したまま動かなかった。
一晩泊りで志津子の徒然を見舞った辰雄は、消えて消えない昔の恋心を
掻き立てられて志津子の総て千々に乱されて、里帰りしたお兼が戻るまでの三日間・・・
嵐の様な情交を重ねた。
常視を逸した快楽が後ろめたい悔の様な後味を感じて、
明日こそは別れを告げねばと思う辰雄に電報が来た。
“サチコヤマイキュウヘンス、キトクスグカエレ ハハ”
辰雄は一瞬目眩がしてその場にうずくまった。
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演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
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“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
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