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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

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湯治場の情事。其のニ

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「お話に夢中に成ってまだ名前も言って居りませんでしたね、
 私は小森と言います、是からも宜しくね」
「あら、私は佐山と言います、主人は六十歳、私は五十八歳」ですと教えて呉れました。

奥さんの話しによれば、私の隣の部屋の男性一人客は山口さんと言う方だそうです。
数年前に奥様を亡くされ、一人暮らし、会社の仕事中に足を怪我され、
此処の温泉には年に何回か来ては長逗留しているとの事で歳は五十六歳。
佐山さんのご主人とは仲良しで、一緒にお酒を飲んだり、
一日中将棋を指して居るとの事でした。

佐山さんのご主人は背の高いがっしりした方で、優しそうな目をしています。
山口さんは、お父さんと同じぐらいの背丈で、だいぶお腹が出ています。

お風呂から出る時に
「小森さん、私達何時も夕食前に近くを散策して居るの、
 山口さんにも声えかけますから、膝が大丈夫なら四人で歩いて見ませんか」
と誘ってくれました。
「有り難う御座います、私も退屈していた所なので、是非ご一緒させて下さい」
と応えて夫々の部屋に戻りました。

三時ごろ佐山さんの奥さんが迎えに来てくれました。
「今日からご一緒させていただきます」
と挨拶すると、佐山さんのご主人、山口さんが揃って、
「こちらこそよろしく」と挨拶され、四人でブラブラと小一時間位散歩したのですが
心配していた足も痛まず楽しい時間を過ごしました。

散歩から帰って来てから夕飯前に一風呂浴び、食事を済ませ、テレビを見、
九時頃佐山さんの奥さんと又お風呂に行った後、床に付きました。

初めて散歩に加わって歩いた為か少し疲れました。今日は静かに眠れそうです。
そんな事を考えながら眠りに着こうとしていると、また、
「アーッ、アッ、ァツ」と喘ぎ声が聞こえて来ました。
エッ、又ぁ、佐山さん昨夜も奥さんとしていた様なのに、今晩も・・・
私達夫婦の事を考えると信じられません。
耳を澄ませると佐山さんの部屋は静かなようです。
喘ぎ声は山口さんの部屋からだったのです。
山口さん、きっと仲良くなった女性を連れ込んでして居るらしいのです。
又私の身体が昨夜の様に成ってきました。
ダメダメ、耳を塞ぎ布団を頭からかぶって寝ました。

 
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翌朝、お風呂で佐山さんの奥さんに、
「昨夜、山口さんの部屋に女の人が遊びに来ていたようで、
 何か声が聞こえてきたの。悩まされたわ」
と話をすると、奥さんは、
「そう、誰か来てたのね」
と言葉を濁らせ、お湯に浸かってしまい、私もそれ以上その話しはしませんでした。

日課に成った、午後からの散歩も段々足の痛みを感じず、
長い道のりを歩けるように成って来ました。
最初は奥さんと肩を並べて歩いていたのですが、途中景色を見たり、
足の疲れで立ち止まったりして居る内に遅れてしまいました。
奥さんは山口さんと並んで、ずっと先を歩いています。

私は佐山さんに付き添われて、その後を歩くように成っていたのです。
道の悪い所で、私がよろけたりすると、
さっと背中に手を廻して私を支えてくれます。
「すみません」
『なに構いませんよ、其れより足、大丈夫ですか、
 もし疲れたら無理しないで、言って下さい。 
 何なら背負ってあげましょうか』
と優しく私の事を気遣い、背中を撫でてくれました。
「そんな・・・佐山さんて優しいのね」
『はあはあ、・・・』
そして、前を歩いている奥さんと山口さんに、
『オーイ、そんなに早く歩くなよ・・
 奥さん歩けないじゃないか』
二人は振り返って笑顔で手を振っています。

優しい人!お父さんには悪いけど、
私、佐山さんを好きに成ってしまいそうです。

何時もの様に夕食と入浴を済ませて寛いで居ると、
コッコツと入り口の戸が叩かれました。
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『小森さん、私達の部屋に来ない!
 山口さんも来ていて、主人と一杯やってるのよ』
「まぁ、寝るのには早いと思っていたところなんで
 お邪魔しようかしら」

それから一時間位お隣の部屋でおしゃべりの仲間に入りました。
段々お話が下の方の話になってきています。
「小森さん、ご主人が帰られて一人じゃ寂しいでしょう」
『いいぇ、毎日電話で家の様子聞いたりしてますから、
 寧ろ主人の方が寂しいようですよ』
「そうでしょうね、男なんて一人に成ると何も出来ませんからね」
と山口さん。奥様を亡くされた当時を思い出した様子です。

『二人で居る時は別段かまって呉れるわけでもなし、
 口煩い女房が居なくてせいせいしてるのかも』
「いやいや、小森さんは未だ若いから
 身体の方が黙って居ないでしょう」
『いいえ、それも全然ないのよ、こんな歳ですもの
 総て卒業よ』
山口さんは少し酔ったみたいで、ズケズケと私をからかいます。
「奥さん、そんな事ないでしょう。この前ご主人と来られた晩、
 奥さんのすごい声が聞こえてきて眠れませんでしたよ」

まあ、あの時の私の声を聞かれて居たんだわ。
恥ずかしさで、酔いが一辺に廻って来ました。

佐山夫妻は私と山口さんの遣り取りを聞きながら笑っています。
「そりゃ温泉に来た時ぐらいご主人だって身も心も
 ゆったりとして情熱も湧きますよね」
佐山さんのご主人の助け舟の声を聞きながら、
すーっと眠りに引き込まれていきます。

「小森さん、大丈夫、イヤね、この人達
 奥さんをこんなに酔わせて・・・
 貴方、奥さんを送ってあげて」

私は佐山さんのご主人に抱かかえられるようにして、部屋に戻りました。
部屋に戻ると、敷きっ放しの布団の掛け布団を捲り、
佐山さんは私を抱かかえたまま静かに横にして呉れました。
  1. 人妻の性欲
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アヤメ草

Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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