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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

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見境もなく燃え上がる女の淫情。其の二

◇許されざる恋の褥(しとね)◇
sawada2.jpg
「本当に美味しいステーキでした。ありがとうございました」
ステーキもレストランのムードも、そして近藤との会話も素晴らしく、
私は楽しく時を過ごす事が出来ました。
しすし、楽しい時間はまだまだ続く事と成ったのです。

「優子さん、この近所に、中高年向けのダンスホールが出来たのご存知ですか?
 ホールも広く、カクテル類の種類も多いと評判のクラブなんです。どうでか?
 たまには区民ホールじゃなく、華やかなところで踊ってみませんか?」
「それはステキ、ぜひ行ってみたいわ」
まるで、デートみたい。食事をして、ダンスホールで踊るなんて・・・。
私は夢心地で迷わずOKしていました。

本当にあんな気持になったのは久し振りの事でした。
気持だけは、娘時代に戻ったようでした。

(ああ、年甲斐もないけれど・・・うっとりしてしまうわ)
近藤の胸に抱かれて踊っているうち、私はますます胸のときめきを高まらせていました。
ムーディな雰囲気、それにステキなパートナー・・・。
これほどの条件が整っていれば、いくら結婚していようと、五十を過ぎていようと、
女ならば誰もが陶酔せずにはいられないことでしょう。

「優子さんは、実に魅力的な方だ。
 貴女のような女性を、私は今まで知らずに来ました」
「まぁ、お世辞ばっかり。近藤さんには、あんなに美しくてお仕事も出来る奥様が
 いらっしゃるじゃありませんか。私などとても足元にも及びませんわ」
「家内は、なるほど有能な女性ですけど、
 しかし、女らしさと神経の細やかさとかは残念ながら持ち合わせていません。
 それに引き代え、優子さんは女性としてとても行き届いた方だ。
 酔った中年男の戯れと思わないで下さい。
 確かに、私は分別を失くしているかも知れない。
 だが、申し上げずにはいられません。私は優子さんに惹かれています」
「・・・・・・」

突然の恋の告白に、私は言葉を失いました。
私の無言はしかし、困惑でも拒絶でもありませんでした。実は私も・・・
私の気持ちも近藤と同じだったのです。

「優子さん、返事をしてもらえませんか?」
恥ずかしさの余り、私は近藤の胸に顔を埋めました。
そして、私はこのときはっきり感じたのです。私は恋をしているんだ・・・。
私の胸は、全身は歓喜にはち切れんばかりでした。

 
118abs017pl.jpg
「実は優子さん、私はさっきトイレに行くふりをして、
 隣のホテルに行って来ました。それがこの鍵です」
と、近藤は私のワンピースのポケットにホテルのキーを忍ばせました。
「もし、私の申し出を迷惑と思うなら、このキーを私のスーッのポケットに返してください。
 この曲が終らぬうちに・・・」

曲はあと二、三分で終ろうとしていました。私には、余り迷っている暇はありませんでした。
近藤を好きだという気持は疑いようの無いものでしたが、
いざホテルへ誘われるとなると、流石に躊躇しない訳にはいきません。
私はいまだかってこれほど迷ったことが無いと言うほど、迷いに迷っていました。

けれど私の恋心は、理性に勝つ事が出来ませんでした。
近藤に誘われるまま、私は彼が予約したホテルへと従って行ってしまったのです。
いまにも、心臓が口から飛び出してしまいそうでした。
私は三十年近くも連れ添った夫を、そして娘と娘婿を裏切ろうとしている・・・
つい最近までは、想像だにしていないことでした。

恋とは、本当に何時なんどき人に訪れるか予想のつかないものです。
人生の折り返し地点を過ぎた年齢でも、夫や子供があろうとも、
恋は平等に前触れもなくやって来るようです。

ホテルに入る時、私は人に見られぬようにずっと俯いていました。
私も近藤も配偶者のある身、近藤とて私と同じ心境だったと思います。
人に見られてはまずいこと、倫理に外れた行為を犯そうとしているのだ・・・
近藤の気持が、私にもひしひしと伝わってくるようでした。

ホテルへ入る事など、本当に何年ぶりの事だったでしょう。
そのホテルはごく普通のシティホテルでしたが、アイボリーで統一された
インテリアはとても洗練された感じでした。

「わ、私・・・ああ、どうしましょう・・・」
二人きりになると、途端に羞恥が攻め寄せてきました。
身の置き所も無いような恥ずかしさで、全身がカッカッと火照り始めたのです。

「優子さん、どうか顔を上げて下さい」
そんな私を近藤はしっかりと抱き締めてきました。その時の私の胸の中は、
何ともロマンティックな、そう、まるで恋愛映画のヒロインにでも成ったかのような
甘ったるいもので一杯でした。
そして次の瞬間、私の肉体は電気に触れたようにわなないていました。
近藤の口唇が、私の口唇を塞いだのです。情熱的なキスが続きました。
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キスの魔力に魅せられて、私の肉体はトロトロに蕩けてしまいました。
キスがこれほどの性的興奮剤になることを、私は今まで忘れていたようです。

私と夫の間では、すでに殆どといって良いほど性生活が失われています。
キスの甘い味など、私にとっては過去の思い出でしかありませんでした。

「ああ、いやだわ、私ったら膝がガクガクしちゃって・・・」
それなのに、私は瞬間にして甘い思い出を現実のものに変えていたのです。
もう立っていられないほど全身を悩ましく緩ませ、次なる刺激を待ちわびていました。

「電気を消しましょうね、優子さん」部屋の灯りが、
ベッドサイドのランプだけになると、私は崩れるようにしてベッドに倒れ込みました。
横で近藤が服を脱いで居るのが分かりましたが、まともに見ることは出来ませんでした。

私も脱いだ方がいいのかしら、それとも・・・。私はそんなことに戸惑っていました。
まるで、初体験に臨む若い娘のようでした。ベッドの上で如何したらいいのか悩むなんて、
この年齢になって思いも寄らぬ状況だったのです。

「さあ、優子さん・・・」
私が悩んでいる間に、近藤の手が伸びてきました。

好きな人のまえで裸になるときめきは、若い娘だけの特権ではないようです。
気が遠くなるような歓びと羞恥の中で、私は近藤という愛しい人の手で
五十歳の裸身を晒していったのです。

「とてもステキです。優子さん」
「いや、そんなにご覧になっちゃ・・・」
近藤の視線を浴びて、私は艶かしく妖しく燃えていました。
見られることのみで、これほど高まるなんて、本当に意外でした。
意外と言えば、枯れてしまったとばかり思っていた自分の中の女の本能が、
実はしっかりと残っていたんだという事実も、新鮮な悦びをもたらしてくれたのです。

「優子さん、好きです。実を言うと、初めて会った時から、
 貴女は気に成る存在でした」
加えて、近藤の実直な愛の告白・・・。
私は、もう人の妻であるということも完全に忘れ果て、
この許されざる恋の褥(しとね)に身を委ねようとしていました。
  1. 人妻の性欲
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アヤメ草

Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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