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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

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昭和のメルヘン・ゆびさきの詩(うた)。其の十二

◇性の行脚(Ⅴ)
画像 2085
志津子も、二度や三度のオルガスムスで有ったなら、
疲れの色も見せなかったろうが、
男のカリ首に嵌められたリングから浸み出る汁の刺激と、
膨れ上がったリングが、男根の様に膣の天井をグイグイと、
小突くので、何時もの様に思って、
余韻の喜びに浸って腰をうごかして居ると、
其れが次ぎの盛り上がりに繋がってしまうのだ。

今はもうどうする事も出来ない淫魔地獄に陥って、
男が其の男根を外さぬ限り何時までも続くのか判らない。
男の性感を損なわない事が特徴だと、
仲居が力説していたが・・・
アルカリの作用で血の巡りを良くして、
勃起に著しい効果があると言うが、
肝心の射精の時の通路を余りに強く締め付けるので
精液が吐き出されず精嚢に逆戻りする感じで、
男根は勃起し続けるが射精感が無いのだ。

高田はリングを外して、自然に勃起するのを待って、
志津子の中に挿入した。
「フゥフゥ・・・ハァハァ・・・」
吐息も荒く、スカスカ、ピチヤピチヤ、狂気した様に
腰を使って突きたて攻め立て、嵐の様に荒い息を
志津子の首筋に吐き掛けてドクドクドク・・・
と射精して動かなくなった。

夜も明けて、仲居達が忙しく、掃除を始めた頃
彼と彼女は、大きく取り乱したまま深い眠りに
さ迷いこんでいた。

旅は道連れとか、旅の恥はかき捨て、とか言うが。
ふとした巡り合わせで燃え上がった恋は、
旅の徒然にしては、刺激が強すぎた。
志津子は辰雄の指の思い出を高田にかぶせ、
伊集院家の妻で有ることを忘れ、性の快楽に溺れた。
京都に二日も滞在し、昼と無く夜と無く、二人は
求め合い、貪りあった。

三日目に福岡に移動し、伊集院翁と滞在した事の有る
Sホテルに宿泊した。

 
指先の詩11
福岡での日々は退屈で有った、ホテルの従業員は志津子が
伊集院の女で有る事は皆知って居るし、京都の様に
痴態を繰り広げる訳にはいかなかった。
高田の故郷で有る福岡では大っぴらに腕を組んで
歩く事も躊躇われる。何時知った人に出会うか判らないのだ。

何日も続くと、真ともで平凡な性交は
日に一回ぐらいでも飽きて来るのかも知れない。
その一回の交わりを果たした後は
お茶を飲むか映画を見るのが関の山で、
後の時間は夫々に物思いに耽って過ごした。

(この男とは、この辺で別れてしまわなくては
 お互いに不幸になる、伊集院から金が届いたら
 当座の金を持たせて別れよう)
志津子は家に帰り着かぬままに次ぎの遊散の事を思い廻らしていた。

高田の思いは憂鬱で有った。
職を失い、行きずりの女の情けで福岡まで来たが
田舎に篭もって百姓をする事は若い自分が
哀れに思えて頭を抱えた。

志津子からの連絡を受け伊集院翁は、老体を引提げて
志津子を迎えに来た。
取るものもとりあえず来たのであろう、普段着のまま、
それでも志津子が頼んだ金は用意して来て呉れた。

「パパァ~わざわざすみません」
彼女は小娘の様に、伊集院翁を迎えた。
「どうしたんだ、もう二月になろうとしてるぞ・・・
 東京の何処がそんなに良いんだ」

伊集院翁は何時に無く気色ばんで居るので、
志津子はお努めの時期をすぎて居ることに
気付いてハットした。
名称未定 535
「ごめんなさい・・・だって、私未だ若いんですもの、
 色々見て見たいところ一杯有るのよ・・・」
志津子に甘えられると、ひとたまりも無く、鼻の下を
のばしてしまう優しい伊集院翁である、もう笑顔に成って、
「何処に行っても良いけど、月に一度は帰って来ないと
 心配にに成るだろう・・・」
まさか月に一度のお努めを忘れるなとも言えないが、
既に志津子を許して居るのであった。

「私列車の中で置き引きに会ったらしいの、
 名古屋に着いて気が着いたのよ、バックに入っていた
 お金全部取られちゃったの」
「困って居る所に高田さんが声を掛けて下さって・・・
 高田さんが居なかったら、パパに名古屋まで来てもらう処だったのよ・・・」
悪戯ぽい秋波を高田に送って、話をあわせるようにと、彼女はウソをついた。

「私は伊集院友隆と申します、志津子がお世話に
 成りましたようで、有り難う御座いました」
高田も、それに引き込まれて話を合わせる事に成った。
「いゃあ・・・その様にご丁寧にお礼を言われる様な
 事は何もしておりませんよ、困ったご様子でしたので」
事実とは反対の結果に成った。

「この方ねぇ、重役さんと喧嘩して会社を辞めて
 帰る途中だったの、私、浪費癖が有るでしょう、
 散々お金使わせてしまったのよ」
全く手の付けられない駄々っ子である。
「是は是は、愈々持って恐縮します」

伊集院翁と高田は、それが切っ掛けと成って、
親しく話し合った。
「若し宜しかったら、私が株主に成っている会社が
 東京に有りますから、其処で働いて見ては如何ですか」
と添え状を貰って、其の日の内に東京へ引き返した。
人の運命ほど判らぬものは無い。

「これお土産よ・・・」
京都の旅館で仲居が呉れたリングの残りを差し出した。
「なんだい・・・これ」
伊集院翁には、其れが何で有るか判らない。
「今夜教えてあげるわ・・・高いのよ・・これ・・・」
「高いって・・何万円もするものかい」
「う~んもっと・・・天下一品よ・・・」
今日の志津子は何時に無く媚を含んで
伊集院翁を喜ばせた。
だがこのリングが老いた伊集院王の寿命を縮める
事に成ろうとは、神ならぬ身の知る由もなかった。
  1. 小説・指先の詩(うた)
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Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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