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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

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小説・秋の夜話。其の七

秋の夜長9-4
「嬉しいか。なあ・・・」
と男が囁いた時、礼子は如何して良いか判らなかった。
「旦那さん」
「あによ」
「あたし、恥ずかしいけど、如何して良いか判らないの」
と、礼子は辛うじて声を出してそう言った。
「それが殺し文句と言うんだべえ。嘘にしても良く出来た洒落だわい。
 礼子さんよ。良く言って置くがな。帰ったら直ぐ増蔵さんに尽くしねえよ。
 それでねえと、間男したのがばれるでな」

「でも、あたし、旦那さんに操を立ててる・・・うちの人とは・・・」
「殺し文句が盛んに出るなあ。これじゃ男は堪らねえ。ほら寄って見ねぇ。
 増蔵さんほどではねえかも知れねえが、おら、村じゃ美男の方だわ」
「ねぇ、お前さん、お留さん、お留さんを知ってる」
「戦争後家の婆か。知ってるともさ」
「いいえ。旦那さんに聞いてるんじゃないの。その・・・むな内に聞いてるのよ・・・」
「ふん。小旦那にかい。小旦那はこの通り太え野郎だから、大抵の後家の家は覗いて居べえ・・・
 あちちち・・・そう邪険にひねるなよ。ひねりようによっちゃ、恐ろしく痛え事があるんだわ」

「女が心を許さなければ、何でも子が出来ないって言ってたけど、ほんと・・・」
「はあ。戦争後家に何か聞かされて来ただな」
「ねぇ。女が心を許って、どう言うこと。教えて頂戴。あたしにも・・・」
「適わねえな。そう真綿で首を吊るように、遠回しに妬かれちや。
 いっそ位牌の事も聞いたなら聞いたと、はっきり言って貰いてえ。
 あの婆、また詰まらねえ事を喋ったんじゃねえか。ありや皆嘘だわい」

「妬いてんじゃないのよ。ねえ。心を許すって、如何言う事・・・
 あたし子が欲しいんだから教えてよ・・・」
「可笑しくって、教えられねえよ。誰でも判ることだわ。ほんとうに・・・」
男は面倒臭がって取り合わなかった。心はもとより、場所も落ち着かず、詰まらぬ痴話の戯れに、
時を移すでもないのである。礼子はしょうことなしに、男から離れて藁の上に坐るのだった。

「誰か来るでよ。なあ」
と急き立てられて、礼子は藁の上に顔を伏せ、片手を後へ回して、少しづつ浴衣の裾で顔を隠した。
暗がりに目が馴れて来ると、そこらが薄明るく見え出した。隣の風呂場の焚き残りが、筒抜けに屋根裏に移り、
その反射でぼんやりと此方の部屋も照らされて居る。甚太郎の目の前には、意外にも女が身仕舞して坐っている。
浴衣の袖はすっぽりと頭にかぶさり、肩と胸とが剝き出しになって居るのだった。
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小説・秋の夜話。其の八

秋の夜長3-1
「隣の吉べえんところで、アンゴラを掛けべえと思ったら、吉べえの奴、掛けさせてはやるが、
 結納をよこせと言いやがった。冗談こくない。たかが兎を掛けるのに、種料を取るなんて、
 ベラボウな事があるものかと、カッと向っ腹が立って、途端にひねっちまったんだが、
 いたい損だったわい。なぁ、増蔵さん。おめえは好い所あるだよ。
 流石は都会者だで、そんな水呑百姓みたいな、しみったれた事は言わねえや。
 仕立賃なんて、一度だって催促した事ねえだもんな。ふんとに今日は良く来て呉れた。
 まぁ、たんと食っておくんなさい」

平素の仕立賃の借りを蕎麦で果たそうとする、爺さんの魂胆はこれでよく判った。
爺さんは、増蔵の呑み残したビールまで片付けて、そろそろ機嫌が良くなって来る。
増蔵はせっせと蕎麦を掬い上げては、啜り込んで居たが、香りの高い新蕎麦の味は、
空襲に遭わぬ前の横浜を懐かしく思い出させるのだった。

「思い出すよ。おじさん、戦争に成ってからは、横浜ではもう蕎麦などは、てんで食えなかったが、
 薮蕎麦、更科・・・みんな美味かったね。この蕎麦もそれに負けない位美味いよ」
「そうだんべえ。おらが打った蕎麦だ。
 夜這いと蕎麦切りに掛けちゃ、おらの右に出ずるはねえだ。わははは・・・」
と笑い掛けて、急に小声になり、
「こんな処で言っちゃなんだけれど、増蔵さんよ。おめえんとこの礼子さんは、
 渋皮の剝けた好い女だが、ちと此の頃変だわい・・・」
増蔵は、ドキリとして、思わず箸を止めた。

「何か礼子に変な噂が立ちましたか」
「こんな処で言っちゃなんだけれど・・・」
爺さんは一つ事を呻く様に言った。亭主には気の毒だとて言い渋って居る様にも見えたが、
と言って別に根拠が有るのではないが、と、躊躇して居る様にもとれた。
爺さんの言う事は、大体に於いて世間の噂と同じで有ったが、それに少し新しい事実を付け加えたのだった。

「子でも出来たら事だわい」
増蔵は、はっと思ったが、わざと空惚けて、
「全くだ。おじさん・・・夫婦のその上にまた子でも出来たら、私たちは食えませんよ」
と、容易く爺さんの言う事を肯定した。うっかり悪い事を、口に滑らせたとは思ったが、
意外にも増蔵が、それを他の意味に取ったらしいので、爺さんは稍々安心して、
前言を取消すかのように、頻りに増蔵を慰めに掛かるのだった。

「なんのなんの。弥五郎爺がついてるだ。米の一俵や二俵は、何時でも貸してやんべえ」
その一俵二俵のところが、この界隈各戸の供出の全納高で、而も爺さんの処等はその額の供出にも
事欠くのであった。爺さんの高言は、戦車でも機関銃でも持って来いと言う類の空元気に過ぎないのである。
「増蔵さんよ。早く子を拵えるだな。子さえあれば、世間では何も噂をしやしねえ。
 子がねえから色々の事を言うだ」
「出来るなら、いっそ出来ちまった方が、煩わしくないだろうか。それとも却って煩わしいかね」
増蔵は呟く様に言った。
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小説・秋の夜話。其の九

秋の夜長8-7
漸く我が家へ辿り着いた増蔵は、忍び足で戸際に近づき、杖の先でコトコトコトコトと
縁の下の羽目板を叩いた。それで夫だと言う事が分かるのである。
部屋の中には、電灯に被いを掛けて、甚太郎と礼子が一つ床で寝て居た。
「コトコト音がするじゃねえか」
甚太郎は耳敏く聞き咎めた。風の音にも心を配る間男の早耳であろう。
礼子も、聞き耳を立てて、じっと考えて居たが、
「ああ、アンゴラよ。宵に餌を遣らなかったからお腹すかして騒いで居るのでしよう。
 いつも縁側に入れて置くのですが、今日は外に出してあるから、兎も淋しいんでしよぅ」
と言った。

「煩いな。気になって仕様がねえ」
「じやぁ、餌をやって来ましょうかね」
恰も良き折を見出して、礼子はむくむくと起き出した。
寝巻きの帯を結び直し、半纏を引掛け、走りよって障子を開け、
それを閉め、ぴたりと廊下の雨戸にとつついた。

コトコトコトコトと音がする。ああ、夫だ。どうしようと思った。
不時の帰宅の場合も、かねて示し合わせて在る事ゆえ、戸を開けるのは何の造作も無いが、
鉄よりも重い良心の雨戸。それを開けて、どの顔を夫に会わされよう。

コトコトコトコトと音がする。夫の杖の先が、心臓に当たり、乳房に触れ、
次第に下腹へと下がって、骨の髄の辺りを突く様な気がする。其れまではその存在を
意識した事も無いような、微かな胸の先へもそれが触れ、思わず前を押さえた。
もう其処は夫以外の精を受け入れ飲み干して汚れて居るのだった。

戸袋に近い雨戸の一枚を開けると、身体を外に出して、手早く閉め、
足で探って草履をつつかけながら、礼子は栢の立木の陰まで這い寄った。
其処に増蔵が、しょんぼりと立って居るのだった。

増蔵が、礼子を抱き抱える様にすると、礼子は、その顔を押し付けて来た。
白粉を塗って居ると見えて、その匂いがプーンと香った。
増蔵は言うべき言葉を知らなかった。胸は早鐘を突いた様であった。

「礼子。俺は腹が痛くなって急遽帰って来たんだ」
「まあ」
「下っ腹が痛むんだよ」
礼子はその辺りへ着衣の上からそっと手を当てた。
「困ったわね。村にはお医者は居ないし・・・」
「もっと強く抑えて見てくれ」
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小説・秋の夜話。其の十

043.jpg
礼子は夫が縁側に入り込むと言うので如何なる事かと肝を潰したが、案外無事に片付いたので
ホッとした。そして、甚太郎が早く帰って行って呉れる事をのみ心の中で念じて居た。
そうなったら、サッサと帰って呉れれば良いと思っていたが、この男は何時も思い切りが悪く、
又座ったら尻が長いので、とうとうこう言う間の悪い場面に成って仕舞ったのである。
どちらを見ても男と言うものは底意地が悪く、礼子はつくづく情けなくなった。

甚太郎は、礼子が終始おどおどして、落着かぬさまで居るのが物足りず、実はもう目的も達し、
用事は済んで居るのでは有ったが、何となく後味が悪く、帰り兼ねて居たのだった。
女郎買いと同じ様に、漠然ともう少しと思って居たのである。
その相の手の、礼子がアンゴラの檻を縁側に入れ、其の事に付いては、甚太郎は何の疑いも
持たなかったが、たとえ家畜にせよ、今は何か窮屈さえ感じられて来るのであった。

「礼子さん。もっと灯りを明るくしねえか」
甚太郎は胡散臭そうに言った。
「もっと明るくしなよ。まるでお通夜の晩に泊まったようだ。
 おらあ、礼子さんをもっと良く見て見てえんだがな」
明るくすれば、何か互いに目につく事があるのであろう。甚太郎の目にも、
又夫の目にも・・・彼は障子の穴から覗いて居るのに違いないのだった。

「明るくするのは嫌。それだけは嫌です」
礼子は必死に成って反対した。何事も言いなり次第に成ってい居た礼子にしては、
珍しく強情だったので、女の本性に触れた様な気がして、甚太郎は又新しい興味を催した。
「よう。おら、こんな薄ぼんやりして居るのは、
お化けが出そうで、却って気味がわるいよ・・・」
「しゃぁ、一層のこと消したら・・・」
「うん消した方が、情が湧くべえ」
「知らないのよ。情が湧いたって・・・」

甚太郎の手が襟の辺りを探って来る、男の手を気にしながら、礼子は身体を起こして、
電灯を消した。途端に、ほっと気安いものが感じられたが、同時に、
一枚しか羽織って居ない夜着を剥ぎ取られて居た。

「礼子さん。これを、おらに貸してくんな。なに、そのうちにけえすだから・・・」
「いやだよ。そんなもの貸して、おかみさんに見つかったら大変だわ」
「なに、大丈夫だ。おら、懐に入れて、誰にも見せやしねえ」
「いやらしい・・・よしなさいよ」
「序に襦袢も借りるべえか」

それが女を裸体にする口実だと知った時、礼子は思わず赤くなった。
「いやだ、あたし・・・それじやぁ丸裸になるじゃないの・・・」
「いいだ、いいだ。やるには至極いいだ」
「いやだ。わたし・・・もう、それは沢山。かんにんして・・・ねぇ。後生だから・・・」
「肌を触れ合うとは、これだんべえ・・・ほら、おれもこの通り裸だ・・・捲くる世話もねえ」
途端に礼子は肉体的にはそれを求めていても、精神的には身を切られるような、
悲痛な衝動を与えられた。
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小説・秋の夜話。其の十一

秋の夜長3-2
「うん、大分良くなったんだが・・・」
「抑えてあげる。痛いのは何処なの」
「俺・・・抑えて貰うより、おまえとしたい・・・」
「何言ってるのさぁ・・・さっき覗いて居て、助平心起こしたんでしょう?
 じゃお前さんふんどし取らなくちやぁ・・・
 あら、萎んじまわなかったのね・・・あたしが浮気して居る間に、
 お前さんのが萎んじまったかと思ったのに・・・」
「なに、俺は大事に手で囲って居たんだ・・・」

増蔵は半ば無意識ながら、礼子が種をつける間、己のマラを撫でたり、揉んだり、
瞬時も手を休めなかったのである。
「ああ、これを慰めていたんだね・・・じゃ、ついでに私のもそうしておくれ・・・
 楽しむ前に両方で盛んに元気づけるものだよ・・・」
「お前、あんな事を何度もやって平気なのか・・・」
「あたしゃ平気だけれど・・・だけど、お前さん、今子袋に麦を蒔いたばかりで
直ぐ燕麦蒔いていいかしら・・・いっそ明日にしたら・・・」
相殺と言う事も、有りそうな事である。

「明日になりや、俺のが勃つか如何か判らねえ。
今までだって萎まないよう大事に囲って居たんだ」
「アラ、それじやぁ急がなくちゃ・・・
 役立たなくならないうちに・・・さあ、早く」
礼子は直ぐに仰向けになって、手を掛けて増蔵を引き寄せるのだった。

「あたしに乗る?それとも杖を持って来ようか」
「杖をついてやる奴もいなかろう」
増蔵は苦笑いした。夕べを待てない陽炎のようなはかない営みであった。
どうやら交わったか交わらなかった瞬間、増蔵は命の証を放出していた。

「アラ、とうとう出来たぢゃない。これで良いの。
 こうして仰向いて居れば、子種が自然に子袋(子宮)に入って来るから」
礼子は夫を蔑みもしないで、尻をさすって激励した。

「もう、いいのかい。ピクピクさせて、出るだけ出すのよ」
「うん」
「すっかり出した。もうピクピクしない?」
「うん」
「じやぁ、後始末して上げるから。お尻を持ち上げて、じっとしているのよ」
子供の雪隠よろしくで、夫の貫禄は殆ど有るか無きかであるが、
それでも礼子は優しく、増蔵を労わった。
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入院顛末記。其の一

◇入院前に
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今から13年前の会社勤めの五十七歳の時、人間ドックの検診を受けた際に、
便検査が+となりX線検査の結果、大腸に異変が見つかり、
市大病院にて精密検査を受ける事になりました。

消化器科にて大腸内視鏡検査で、ポリープが三、四個見つかり、それは簡単に除去が出来たが、
大腸の入り口付近に、二、三センチの大きさの腫瘍が見つかり、担当の医師も取れるものならば、
と努力をして頂いたけれど、小腸にも少し付着しているので、手術を勧められたのです。

其れまでの五十七年間、病気もなく至って健康で、中学一年の時にときオナニーを覚え、
そしてセックスにと明け暮れて来ました。手術よりもこれから先は、今までの様にセックスが
出来なくなるのでは、と思うとショックでした。

入院の日も決まり、何ら自覚症状も無い自分の体なので、妻と愛人の人妻明子とのセックスを
心行くまで楽しもうと思いました。

妻は先行きを心配して其れ処では無いと言いましたが、早期発見だから心配しなくても大丈夫だ、
一月も入院すれば良くなり退院が出来ると言い聞かせ、嫌がる妻に抱きつき唇を合わせると、
最初は避けていましたが、観念して力を抜いたのです。

そこは長年抱き合っている仲なので、すぐ妻もその気になり、私の舌を吸って興奮したのか、
私の股に手を入れて未だ柔らかい陰茎を掴んで上下に擦っているのです。

私は妻の刺激にムクムクと勃起して来たので、どちらとも無くベッドに倒れ、
ブラウスを捲くり乳房を愛撫すると、
「こんな事して体に悪いわ」
「人間ドックで見つかったけど、俺には何の兆候も無いのだから心配ないさ」
「そうね、健康な人と変わりないもんね」

私もそう思ったけれど、入院し手術で万一の事が起こったら、是でお終いと思い、
生きてるうちに思い切り男女の性を楽しみたいと思いました。

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プロフィール

アヤメ草

Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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